| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

新説三匹の子豚

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
< 前ページ 目次
 

第一章

                 新説三匹の子豚
 ブー、フー、ウーは三匹の子豚の兄弟です。
 いつも三匹で仲良く暮らしています、そうして三匹共仲良く成長していってです。
 ある日お父さん豚とお母さん豚にです、こう言われました。
「もう御前達も成長したからな」
「独立しなさいね」
「そうしてそれぞれで生きていくんだ」
「いいわね、それで」
「うん、それじゃあね」
 三匹共です、お父さん豚とお母さん豚の言葉に素直に頷きました。こうしてです。
 三匹は独立することにしました、その中で。
 一番お兄さんのブーがです、フーとウーに言いました。
「僕は藁のお家にするよ」
「藁?」
「藁のお家にするんだ」
「作るのが楽だし材料は一杯あるからね」
 それで作ることには困らないからです。
「だからね」
「兄さんは藁でお家を作るんだ」
「そうするんだね」
「そうするよ」
「ううん、それでもね」
「気をつけてね」
 ここで、です。フーとウーはこう二匹に言いました。
「藁は水を通しにくいし」
「風にも吹き飛ばされるからね」
「だからね」
「そこは注意してね」
「ううん、それじゃあね」
 弟達の言葉を聞いてでした、ブーは工夫をすることに決めました。そのうえで自分のお家を作ることにしました。
 そしてフーもです、こう言うのでした。
「僕は木で作るよ」
「木のお家だね」
「それだね」
「そう、木のお家は夏涼しいし冬は暖かいしね」
 快適だからだというのです。
「そのお家にするよ」
「火事には気をつけるんだよ」
「木は燃えやすいかね」
 ブーとウーはフーにすぐにこう言いました。
「フーも一緒に燃えたら大変だよ」
「大事になるから」
「そうだね、じゃあ」
 フーもです、兄弟の言葉を聞いて考えるのでした。
 そのうえで、です。兄弟達にこう言いました。
「ちょっと面白いことやってみるよ」
「うん、そうした方がいいよ」
「火は怖いからね」
 ブーとウーはフーに言うのでした、こうしてフーも木の家に備えをしました。
 最後はウーです、彼はというと。
「僕は最初からね」
「最初から?」
「というと?」
「うん、最初から頑丈で燃えない煉瓦のお家にするよ」
 そのお家にするというのです。
「それにね」
「ああ、煉瓦だとね」
「確かに頑丈だし燃えないね」
「最初からいいね」
「慎重なウーらしいね」
「そうだよね、それじゃあ煉瓦のお家にするよ」
 こうしてでした、ウーは煉瓦のお家を作ることにしました。ですが煉瓦のお家には煙突があるものです。その煙突を見てです。
 ブーとフーはです、ウーにすぐに言いました。
「煙突から悪い奴が入って来たらね」
「まずいね」
「ああ、そういえば」
 言われてです、ウーもそのことに気付きました。
「扉は閉めればいいけれど」
「そうそう、煙突は閉じられないから」
「そこから入って来るかも知れないよ」
「じゃあ細工しておこうか」
 ウーもそうすることにしました、こうして三匹共それぞれのお家に備えをしました。そのうえで三匹それぞれの家に住むのでした。 
< 前ページ 目次
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧