転生赤龍帝のマフィアな生活
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六話:兵藤一誠、十三歳です。
「うああああっ!!?……ほ、報告します。」
「どうしたあっ!?誰にやられたあああっ!!?」
「ぼ…ボスにやられました。」
「だとおっ!!?」
「喉が渇いたらしいのですが……用意出来ず……。」
「酒でもジュースでも何でもあるだろうが!!!よく探せええっ!!!」
「ぎゃああああっ!!?……ほ、報告します。」
「どうしたあっ!!?」
「コーラが飲みたかったらしく……。」
「それぐらいあるだろうがあああっ!!!」
「ヒデブッ!!?それが……」
「どうしたあっ!!!??」
「炭酸が少し抜けていて……『こんな物コーラじゃねえ!!!』と……。」
「ゔおおおおおい!!!!!あんのクソボスウウウッ!!!今日と言う今日こそ剣の錆にしてやるっ!!!!!」
「いやー、面白い所っスねえヴァリアー。」
「てめえは黙ってろ!!!デュリオ・ジェズアルド!!!!!」
「ははは、会うのが楽しみなってきたっスよ……兵藤一誠君。」
喉が渇いた……早く代わりのコーラを持って来いよな……使えない奴らだ。
(別にコーラでなくともいいだろう……。)
(俺は今、炭酸の強いコーラが飲みてえんだよ!!それ以外は飲まねえ!!!飲むぐらいなら喉の渇いたままで構わねえ!!!)
(変なところで意地っ張りだな相棒は――分かってたさ……こういうことを言えば体の上にド○スンが落ちてくることぐらい……。)
(ドライグ!!そこを変わりなさい!!!ハアハア/////)
ああ……変態の言動に何も感じなくなった自分がいる……良いことなのか悪い事なのか……まあ、精神汚染がなくなったと思えば良いことだな。
(むしろ汚染が完了したのではないか?相棒)
(黙れドライグ!!……それ以上言うと悲しくなる……。)
(そうだな……。)
(気持ちイイッ//////!!!)
((……………………))
「ゔおおおい!!!雑魚どもに八つ当たりするんじゃねえよ!!!欠員補充が大変だろうがあああっ!!!!!」
「……ドカスが。」
「ゔおおおおい!!!??」
こいつは何で俺が感傷に浸っているところにいつもやたらでかい声で入ってくるんだよ。
て言うか、ノックぐらいしろよな?俺一応ここのボスなんだけど?
後、客連れてきてるのに置いてけぼりにするのは普通に考えてダメだろ。
……まあ、アホのロン毛だからしかたないか。
「君が兵藤一誠君?ども、デュリオ・ジェズアルドといいまっす。」
「ゔおおおい!!!最強の悪魔祓いだが知らねえが話しの最中に口を突っ込むんじゃねえよ!!!」
「てめえとの会話はそもそも始まってもねえよ。」
「ゔおおおい!!?」
「いやー、仲良いっスね、お二方さん。」
「「よくねえ(よ)!!!」」
「タイミングぴったり。」
スクアーロの奴、何俺に恥をかかせてるんだよ……カッ消すぞ。
「カスザメの分際で俺の言葉と被せるなんざいい度胸してんじゃねえか、あ?」
「それはこっちのセリフだあっ!!!クソボス!!!!!」
「「やんのか?」」
「まあまあ、ここは抑えましょうよ。」
「ちっ、仕方ねえな。」
流石に客の前で戦闘を始めるのは不味いだろ、ここは手をひいてやろう。
感謝するんだなスクアーロ。
「けっ…ほらよ、クソボス、望みの品だ。」
そう言って新品のコーラを投げて寄越してくるスクアーロ。
そうだよ、始めからそうしてれば何事も起こらなかったんだからな。
「ちったあ、出来る様になったじゃねえか、カスザメ。」
「何年あんたの下に付いてると思ってんだあ?」
「ぶはっ!!そりゃそうだ。」
八歳の時にこいつを拾ってから五年だ、嫌でも相手がどういう奴かが分かる。思えば結構色々なことがあったな……俺がスクアーロの頭にスパナを投げたり、俺がスクアーロの頭に花瓶を投げたり、俺がスクアーロの頭にアツアツのお茶を投げつけたり……あいつの頭皮大丈夫かな?禿げないといいんだが。
そんなことを考えながらコーラを開ける――ブシャーッ!!!
「……ゔぉ、ゔおぉい……。」
「あちゃー、投げたのがいけなかったんスかね?」
「……覚悟は出来たか?カスザメ。」
「ま、まて、今のはホントに偶々だあっ!!!」
「カッ消えろ!!!!!」
~少々お待ちください~
「いやー……何と言うか…風通しが良くなったスね。」
「不服か?」
「い、いやとんでもないっス!!」
まあ、確かに部屋の壁に大穴が開いていれば風通しも良くなるな、俺に何の話があるかは知らないが、聞かれると不味い話にはこの部屋は向いてないことだけは明らかだろう。
直させるか……携帯を取り出す。
『俺だ。部屋の修繕を頼む。』
『かしこまりました。』
「……誰に電話したんスか?」
「おや、お客様が尋ねてらっしゃたのですか。私、執事のセバスチャンと言います。」
「え?いつの間に!?……えと、デュリオ・ジェズアルドです。」
「デュリオ様どうかごゆっくりとしていってくださいませ。」
「は、はあ……。」
「お坊ちゃま、あちらの壁の修繕でしょうか?」
「ああ、頼む。」
「では少々お待ちください。」
そう言って修理に向かうセバスチャン――俺達に紅茶を用意して。
流石だ、セバスチャン。
(相棒はコーラが飲みたかったのではないか?)
(カスザメのせいで飲む気が失せた。)
(身勝手だな……相棒は。ところでスクアーロは大丈夫なのか?)
まあ、今頃は黒焦げになってどこかに転がってるだろうが死ぬことはないだろ。
ギャグ補正か何かは知らないがどれだけボコボコにしようと次の日にはケロッとしてるからなあいつ。
(あんな奴消えてしまえばいいのです!!あいつのせいでご主人様が私にお仕置きをくれることが少なくなったのですから……っ!!憎たらしい限りです!!!)
無視だ、徹底的に無視するにこしたことはない。ずっと黙り込んでいる俺を訝しげにデュリオが見てくるが知ったことじゃない。
「修理が終わりました。」
「はやっ!!?」
「流石だ、セバスチャン。」
「恐縮です。では私はこれで。」
そう言って優雅に去っていくセバスチャン――減っていた紅茶を継ぎ足して。
流石だ、セバスチャン。
「それで…俺に何の用だ?」
「単刀直入にいいますとね――今から食べ歩きに行かないっスか?」
「おい。」
「いやー、ここのピザがまた絶品なんですよ。」
「……おい。」
「一誠君も一つ――」
「さっさと要件を言え、カッ消すぞ。」
「うわっ!!眉間に銃突き付けないでくださいよー、俺これでも小心者なんですから。て言うか、それ普通の銃じゃないっスよね?」
「……赤龍帝の二丁拳銃だ。」
以前ドライグを脅して赤龍帝の手袋以外の形に変化させたものだ、能力も微妙に違うがそれは今言う必要はないだろ。
「え?確か赤龍帝は籠手じゃないんスか?」
「誰があんなダセえ籠手なんざ使うか、俺の使いたいように神器を変えただけだ。」
『その煽りを受けるのは俺なのだがな……。』
「えっと……その、お疲れ様っス、ドライグさん。」
『っ!!…ううぅ、相棒に宿ってから初めて優しい言葉をかけられた気がするぞ…っ!!』
「ドライグ、どうやら十分の九殺しにされてえらしいな?」
『ドライグばかりに構ってないで私にもお仕置きを下さい!!ご主人様!!!』
「……なんか大変な物も宿しちゃってるみたいっスね……。」
「『言うな……。』」
考えても暗くなるだけだ、今はデュリオの本当の目的を聞く方が先決だろう。
これは決して現実逃避ではない…断じてな!!!
「ゴホン…要件でしたよね?一誠君は教会の施設に特殊な力を持った子供たちが多く集まってること知ってる?」
「ガキのことなんざ知らねえな。」
「うん、そうだと思った。でね、特殊の能力には神器の保持者も多いわけなんスよ。」
「さっさと結論を言え。」
「まあ、その……神器を狙った堕天使に子供たちが襲撃されたんすよ。」
「ぶはっ!!教会のおひざ元をあっさり襲撃されるなんざ、傑作だな。」
以前のカス悪魔の時もそうだが管理が甘すぎやしないか?
俺なら近づく敵は全て根絶やしにするんだがな。
「面目ないっス……まあ、今回の問題はそれ以上に面倒なんスけどね。」
「……どういうことだ?」
「俺達も直ぐに助けに行こうとしたんスけどね、襲われてパニックになった子が神器を暴走させちゃてね……堕天使どころか子供たちにも近づけないんですわ、これが。」
「近づけないだと?」
「そ。その子、幻術系の神器持ってたみたいで辺り一帯を幻術でぼかしちゃってどこに何があるかも検討がつかない状況なんスよ。まるで実態のない霧ですわ。」
実態のつかめぬ霧……か。
「ガキ共は無事なのか?」
「それがてんで分からないんスよね、気配もぼかされてて何も分からない状態。俺達にはお手上げなんですよ。」
「それでボンゴレの超直感を頼ったってわけか……。」
「ご名答、幻術が効かないって聞いたんで藁にも縋る思いでお願いに来たんですわ。」
確かに俺達ボンゴレの超直感なら幻術を破ることも不可能じゃない。
相手の術師がそれなりの手練れなら対策も練ってくるだろうが今回に限ってはその可能性はかなり低い。俺に頼ってくるのも納得がいく……だが――本当に幻術が破れないのか?
教会にどういう戦士がいるかは知らないが幻術に特化した戦士が本当に一人もいないのか?上位神滅具である煌天雷獄を持ってしても本当に破れないのか?子供たちを傷つける可能性があるから使えないという線もあるがそれにしてもわざわざ俺に頼る理由が低い。
第一最強の悪魔祓いを俺の呼び出しに使う意味がない。別に適当な奴で構わないはずだ。それに超直感なら父さんも持っている、だが父さんから教会からそう言った話があったとは聞いていない。つまり最初から俺が目当てだということだ。
それが意味するところは――
「教会は俺を試してえらしいな。」
「えっ!!…な、何のことっスかねー。」(棒読み)
「てめえは嘘が下手だな。」
「ぐっ……恨まないで下さいよ、これも上の命令なんですから……俺個人としては直ぐにでも助けたいんスけどね。」
……どうやら嘘はついていないみたいだな、デュリオは本心から子供達を助けたいと思ってるみたいだな……それなら協力してやってもいいか。
ただし――
「報酬は貰うからな。」
「あんまし、足元見ないでくださいよ。俺だって給料安いんだから。」
「はっ、金なんざいらねえよ……その神器使いを貰う。」
「え!?生きてるかどうかも分からないんスよ?」
「死んじゃいねよ、第一死んだら神器の効果がなくなるだろうが、てめえはバカか。」
「あ、そうっスね……よかった。」
さてと、スクアーロが欠員補充が大変だとか言ってたし、たまには俺自らスカウトしに行きますか。
「あれが幻術か……。」
そうとう強力なやつだな……建物がねじれていたり、あるはずのない道を作っていたり、あるはずの物を消滅させていたり……まさに『霧』だな。
「まずは邪魔なカラスから始末するか。」
「え?ここからスか?」
「ドライグ。」
『了解した。』
『赤龍帝の二丁拳銃発動。』
これは赤龍帝の手袋とは違い直接魔力や死ぬ気の炎を倍加するタイプじゃあない。炎を圧縮する力を倍加するものだ。
XANXUSの二丁拳銃を使いたいと考えた時から考えていたんだが神器に弾を込めると言うのは難しく、かと言って単に炎を倍加して撃ち出すだけではグローブと対して威力が変わらないのでは意味がないので悩んでいた時に炎を直接圧縮することを考え付いた。
『REBORN!』原作では特殊弾を使って炎を圧縮していたのを特殊弾抜きでやってしまおうということだ。これは自分の力を倍加するわけではないので少し調整に手間取ったが(主にドライグが)圧縮された炎が一気に解放される力はグローブを遥かに超える破壊力を実現する。
まあ、その分肉体強化や魔力強化が出来ないので防御は手薄になるがその時はグローブに戻して戦えばいい。
『boost、boost』
さらに攻撃特化になったせいか知らないが倍加速度が二倍になった。
おまけに俺自身が倍加するのではなく二丁拳銃――つまり神器状態のドライグが倍加するのでほぼ上限なく倍加出来る。流石に本人だけあって倍加の桁が違う。それと壊れても傷つくのはドライグだけなので安心安全の武器だ。
『俺はちっとも安全ではないのだが?』
「気にするな、さっさと倍加しろ。」
『ええい、もうやけくそだ!!!』
『boost、boost』
「これぐらいで十分だ、決別の一撃!!!」
超直感で堕天使がいるであろう場所を見抜き銃を放つ。
そして圧縮された一撃は幻覚の中に入っていき――その場所の幻覚もろとも吹き飛ばした。
「ちょっ!?いくら何でも威力強すぎでしょ!!!町の一角を吹き飛ばすなんてやりすぎですって!!!子供達も巻き込まれたらどうするんスか!!?」
「一応当たらねえように撃った……巻き込まれたらご愁傷様だ。」
「そうだとしても町の修理が大変でしょ!!!!!」
「俺が知るか。」
「イッセーくーん!!!??」
デュリオがうるさいが無視して幻覚の町の中に入っていく。
さて、どんな奴かは知らないが『霧』に相応しいか見定めさせてもらうか。
後書き
グレモリー眷属に代わりに誰を入れるか……うーん、悩みどころです。
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