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願いを叶える者(旧リリカルなのは 願いを叶えし者)

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ヒーローが遅れて登場するのは言い訳をしたいがためである

「すまんがタズナ、送ってやれるのはここまでだ。
じゃあな、気をつけろよ…」

タズナの友人にボートで送ってもらい、霧が深くとも、件の橋がみえる場所まで来た俺たちは、
そのままタズナの案内の元、歩き出した。

…ん?なんかサスケがキョロキョロしてるが…

「そこかっ!」

いきなり草むらに向けて手裏剣を投げやがった。

「…何してんの?お前…」

ナルトに侵害深く聞かれ、

「……ネズミか…」

少し恥ずかしそうに顔を赤らめるサスケだった。

「サスケくぅん、何かいたのぉ?」

暴力ピンクも色声を出してサスケに接近する。
マジでキモいからやめてくれ…。

「あのさ、マジで危ないからやめてくれ…」

カカシもサスケに注意をするが、やはり聞いてもらえないようだった。

「誰だぁ!」

今度はナルトが草むらに手裏剣を投げた。

「って!サスケ君のまねしてんじゃないわよ!」

そういってナルトの頭を殴るピンク。

「…先生、こりゃあ…」

「ああ、雪ウサギだ…」

――――――――雪ウサギ。
太陽の光を受ける時間の長さによって体毛の色が変わる特殊なウサギ。
この雪ウサギは体毛が白…。
日没の早くなる冬の色をしている。
今の時期は夏…と言うことは…。

「っつ!!」

「全員伏せろ!!」

「へ?え?」

カカシが全員に呼びかける。
サスケはすぐに反応し、地面に伏せる。
ナルトはタズナを押し倒して回避。
ただ…
「バッカヤロウ!」
ピンクがいまだに理解していなく、突っ立ったままだった。

俺はすぐさまピンクをかばい、地面に押し倒した。

「私に触れるな変態!」

「んなぁ!?」

さすがに予想外だった俺のかばいを無残にも足蹴にし、俺はたったままの状態になってしまい…

「ぐ…ぁ…」

"ブシャアアアアアアアアアア"
俺の首は飛んできた巨刀によってはね飛ばされた。

「…え?何これ…暖かい水…?」

ピンクは頬についたその赤く暖かい液体を手で拭い、固まる。

「え…?うそ…」

ドサッと倒れた俺の首がない胴体を目視してしまい、一気に場の恐怖がわきあがった。

「…バカな…ユウジが…」

その場にいる全員が息を呑み、同時に旋律をする。
しかし、ナルトは違った。

ナルトはすぐさまカカシのそばまで近寄り、耳打ちする。

「(カカシ先生、ユウジの兄ちゃんは死んでないってばよ)」

「(何!?…どういうことだ?)」

「(あれは分身…いつか夜に影分身を改造するってやってたやつだってば…。
だから兄ちゃんは死んでない)」

「(改造!?…分かった。信じるぞ)」

「(おう!…多分すぐに駆けつけると思う…)」

「…よし。
全員警戒態勢だ!タズナさんを守れ!」

ナルト、サスケはすぐさまタズナのそばまで駆け寄り、クナイを構えた。
ピンクはヨロヨロと走りより、他に習って構えをとる。

「写輪眼のカカシと見受ける…悪いがジジイを渡してもらおうか」

気に食い込んだ巨刀に立つ形でカカシ達をにらみつけた一人の男がそこにはいた。















「…ん?分身が死んだ?
そんなに強いやつがいるのか?」

町外れに位置する日向に借りている借家の中。
今まで眠っていた男、ユウジはのそりと起き上がってつぶやいた。

「俺を倒すやつがいるのならナルトでも危ないだろうし…いくか」

ユウジは自分の分身が消えた間所に意識を向け、ゲートを延ばした。













「へぇーこりゃこりゃ、霧隠れの里抜け忍の桃地再不斬君じゃないですか…」

「ねえ!写輪眼ってなんなの?先生!」

ようやく持ち直したピンクがカカシに向かって問い詰める。

「…写輪眼…。
いわゆる瞳術の使い手は、すべての幻・体・忍術の瞬時に見通し、
跳ね返してしまうという…。
写輪眼とは…その瞳術使いがもつ特有に持つ瞳の種類のひとつ…。
だが、写輪眼の持つ能力はそれだけじゃない…」

「クク…ただそれだけじゃない。
それ以上に怖いのはその目で相手の技を見極め、コピーしてしまうことだ」

サスケの説明に付け足すように、ザブザが言う。

「それくらいならユウジの兄ちゃんにもできるってばよ?」

「何?!」

「えーと…ナルト、それホント?」

「うん」

立つ瀬がないね…ホント。
つぶやくカカシだがそんな言葉のみで終わるユウジではなかった。

「…おしゃべりはここまでだ。
俺はそこのジジイをさっさと殺んなくちゃならねぇ。
そこのガキ共、首チョンパのガキと同じになりたくなかったら…おとなしくしとけよ?
…つってもカカシ!お前を倒さなきゃならねえようだがなー」

そういってザブザは飛び上がり、近くにあった水の上に着地する。
そして…

「忍法…霧隠れの術…」

「き、消えた!?」

「…まずは俺を消しにくるだろうが…、
桃地再不斬…こいつは霧隠れの里で無音殺人術の達人として知られた男だ。
気がついたらあの世だったなんてことになりかねない。
俺も写輪眼をすべてうまく使いこなせるわけじゃ無い…お前たちも気を抜くな!」

どんどん霧が深くなっていく中、タズナを守っている3人のうち2人は、
汗を垂れ流し、ガクガクと震えている。

ナルトはしっかりと警戒して、いつでも対処できるようにしている。
が、その構えを解いた。

『?黄色いの…なんで構えを解いたのか知らねぇが…。
8ヶ所だ……。
喉頭、脊柱、肺、肝臓、頸静脈に鎖骨下動脈、腎臓、心臓…ククク、
さぁ…どの急所がいい…?』

「なら俺はお前という急所がいい」

『なっ!?』

水のはじける音が聞こえたかと思うと、今度はザブザの驚愕の声が聞こえた。

「いいタイミングだってばよ…にいちゃん!」

「ま、結構遠くまでお参列だったもんだからな…、
ちょっとくるのに時間かかった…よ!っと」

本当は来る途中にあった団子屋で団子を食べていたからだが…。

ブォン!と風が舞い、霧は消し飛ばされて、ユウジが姿を現した。

「…てめえ…死んだはず」

「死体の確認もせずに何が死んだだ?
ホントに忍者かこのやろー」

「ガキィ…」

ユウジの言葉に青筋を浮かべるザブザだった。 
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