転生とらぶる
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マクロスF
0729話
「……以上がガリア4で俺が体験した事だ」
オズマとジェフリーの前で、俺がガリア4で体験してきた事の大まかな説明を終える。
勿論、後で詳細なレポートを嫌って程書かされるのだろうが、まずは口頭で少しでも早くという事で、この場が用意されたのだ。
それも、参加者は俺とオズマ、ジェフリーの3人だけだというのだから、俺に対してかなり気を使っているのが分かる。
さすがに異世界というのは秘密にしておきたいというのもあるんだろうが。
そんな風に思っている俺の視線の先で、椅子に座って説明を聞いていたオズマが顔を覆って溜息を吐く。
「そうか、ランカの両親の研究室か……」
「ああ、両親と思われる人物と3人で一緒に写っていたデジタルフォトフレームがあったよ。この10年近くで相当に劣化していて、触れただけで壊れてしまったけど。……持ってこれなくて悪いな」
「いや、10年も経てば脆くなっていてもしょうがないさ。にしても、まさかグローバルの中でバジュラ共が繁殖していたとはな。完全に予想外だった。……いや、奴等が襲撃したと思えば、それ程予想外でもないのか?」
あのデジタルフォトフレームを壊したのは、正確には俺じゃなくてシェリルなのだが……わざわざそれを口に出す必要も無いだろう。
そして、30秒程の沈黙の後でもうこの件はいいだろうと判断し、ブリーフィングルームにあるテーブルの上……ではなく、床へと空間倉庫から取り出したバジュラの幼生体と思われるものの標本を置く。
一応それなりの重さがあるから、安物のテーブルだと壊れる可能性もあるし。いや、テーブルが壊れるだけならまだしも、標本の方が壊れたりしたら洒落にもならん。
「むぅ、これがバジュラの幼生体か。我々が戦っているのとは随分と姿形が違うな。大きさも」
「だからこそ幼生体だと判断した。虫の中には、蝶や蝉、カブト虫といったものを例に出すまでもなく、形態を大きく変化させる種類が多い。虫の特性を強く持つバジュラだから、幼生体がこれでもおかしくない」
ジェフリーの言葉にそう告げると、オズマとジェフリーも同意見なのだろう。無言で頷き、床にあるバジュラの標本へと視線を向ける。
「この標本に関しては、明日にでも……いや、早ければ今日にでも政府に引き渡す事になるだろう。バジュラに対する貴重な標本として」
「ん? 俺達が捕獲した巣に関しては? あっちには巣ってくらいだから、卵とか幼生体とかもいるんじゃないのか?」
「確かにそうだろう。だが、バジュラのサンプルはいくらあっても多いと言う事は無い。それに、年数が経っているなら経っているで別の使いようがあるかもしれないしな」
年数の経っているサンプルとか、使いようがあるのかどうか俺には分からないが、恐らく研究者にしてみれば違うのだろう。
「で、ある意味これが本題だが……アンノウンについてはどうなった? 今まで散々俺達の前に立ち塞がってきたブレラ・スターンとか名乗ってた奴。本人はあの戦闘が俺達との初対面だと言ってるが……そもそも、ガリア4でも俺に対して敵対行動を取っている。その辺は俺の機体の映像データにも残されていたんだろう?」
俺の映像データについては既に見ているのだろう。ジェフリーもオズマも微かにだが眉を顰め、やがてオズマが口を開く。
「キャシー経由で聞いたが、どうやら政府としては追及しない方針らしい」
「……本気か? あそこまで俺に対して、延いてはフロンティア船団に敵対してきたんだぞ?」
「ああ、分かってるよ。俺だって何度か直接この目で見てるんだからな。だが、それでも俺達はPMCである以上、雇い主の方針には逆らえない」
「高度な政治的判断というものだろうな」
悔しそうに呟くオズマの言葉を聞き、ジェフリーがそう告げる。
……高度な政治的判断ねぇ。グラス大統領か? あるは、これもキノコの策動か。
だが……いや、ここで疑念は口に出しておいた方がいいか。後でこの件が知られて騒ぎになって混乱して、そこを突かれた……なんてことになったら最悪だしな。
「ガリア4で起きたテムジンの反乱、俺はこれを後ろで操っていた奴がいると思っている」
「何?」
オズマとジェフリーの視線が俺へと集まる。
まぁ、つい数秒前まで高度な政治的判断云々と言っていたのだから、ある意味当然なのかもしれないが。
そこで、俺は反乱時に俺が行動を起こすのを知っていたかのようなテムジンの反応、反乱が起こされた後に素早くギャラクシーネットに声明が出されたのとテムジンの性格、運び出された反応弾、マクロス級の中にあったコンピュータの情報が全て消えていた事、その割にはバジュラの標本が普通に残っていた事、といった風にグレイスが黒幕であると考えた根拠を述べていく。
「勿論今言ったのは全てが状況証拠であり、明確な証拠の類は無い。だが、それでもここまでの状況は全てがグレイスが犯人であると告げている」
そして、何よりも俺の念動力がグレイスを怪しいと告げているのだ。
さすがに念動力に関しては教えられないけどな。少なくても、今はまだ。
せめて、ガリア4にゲートを設置出来ていてホワイトスターと繋がれば話は別だったんだろうが。さすがに後ろ盾のない状況で俺の特異性を知られるのは色々と困る。
……まぁ、ガリア4にゲートを設置していれば、あのフォールド断層でゲートは消滅していたんだろうけど。
「グレイス・オコナーか。……確かにアクセル少尉の話を聞いている限りでは怪しい動きが目立つようだな。決定的な証拠は残していないようだが」
「艦長。そのグレイス・オコナーという人物、少し調べてみた方が良いのでは?」
俺の説明を聞き、オズマがジェフリーにそう声を掛けると、数秒目を閉じて何か考えを纏めると小さく頷く。
「うむ。オズマ少佐、頼む」
「グレイス・オコナーはギャラクシー船団でインプラント処理をしている。ネットとかに関しては信用しない方がいい。グローバルに関してもデータは根こそぎ消去されていたしな」
「了解だ。……ああ、それとアクセル、お前は明日から大尉になった。後で辞令を出すから俺の部屋まで来てくれ」
話のついで、とばかりにオズマが告げてきた言葉に思わず目を見張る。
「大尉? 2階級昇進か? 何でまた」
「何でも何も……」
溜息を吐きながら呆れた様に肩を竦める。……微妙に腹の立つ仕草だな。
そんな風に思っている俺に向かってオズマが口を開く。
「ガリア4での反乱鎮圧。これに関してはオゴタイ少佐からアクセルの活躍が報告されている。他にも銀河の妖精シェリル・ノームを崩壊するガリア4から救出してきた事、ガリア4にあったグローバルからバジュラの標本を入手してきた事、バジュラの襲撃をフロンティア船団に知らせ、先制攻撃を行う要因を作った。バジュラが戦術行動を執るという、今までの常識を覆す予想をしてみせたというのもあったな。後ろに回り込むというあの女王級の行動を知らされていなければ、恐らくフロンティア船団の被害は莫大になっていただろう。他にも反応弾の早期使用の意見具申や、何よりも女王級が乗っていたと思われるバジュラ艦の撃破。それとこっちは公に出来ないが、今知らせて貰ったグレイス・オコナーの不審。この短期間でここまで手柄を立てたんだ。昇進するのも当然だろう? 寧ろ、俺にしてみればこれだけの手柄を立てて2階級昇進ってのは足りないと思うぞ」
「足りないかどうかはともかく、2階級昇進ってのは微妙に縁起が悪いよな」
戦死を思い起こさせて。
「くくっ。まぁ、確かに2階級昇進じゃなくて特進とか言われると縁起が悪いか。けど、それだけの実績を上げたんだから大人しく大尉になるのを受け入れろよ」
「大尉、大尉ねぇ。オズマが少佐で……他に大尉と言えば……カナリアは中尉だろ? ああ、クランが大尉か」
「そうだな。一気にS.M.Sの機動部隊の中で2番手まで躍り出た訳だが……ま、階級だけだろうけどな。さすがに、S.M.Sに入隊してからまだ1年と経っていないアクセルに機動部隊の2番手になれとまでは言わないさ」
「うむ、確かに。アクセル大尉には指揮官としてよりもパイロットとしての腕を期待している」
オズマの言葉にジェフリーも頷き同意する。
まぁ、パイロットとして期待されているというのなら別に構わない……というか、願ってもないけどな。
そんな風に階級についての会話をし、それが一段落したところで空間倉庫からとある物を取り出す。
「……これは?」
テーブルの上に置かれた薬の入ったサプリケースを見ながら尋ねてくるオズマ。
「実は、ちょっとこれを調べて貰いたい。この薬、グレイスがシェリルに与えていた薬なんだが、ちょっと効果が高すぎるような気がしてな。単純に俺の思い過ごしであればいいんだろうが、もしそうじゃない場合……あるいは、この薬がグレイスの真の姿へと導く鍵になるかもしれない」
「カナリアに調べさせよう。ジェフリー艦長、構いませんか?」
オズマの言葉に無言で頷くジェフリー。
その頷きを見て、オズマは薬の入ったサプリケースを大事そうに懐のポケットへと入れる。
「では、報告は以上で終わりかな?」
「ああ。俺からの報告は以上だ」
俺の言葉に、ジェフリーが頷いて口を開く。
「では、これで解散とする。アクセル大尉、今回のガリア4の件は色々とご苦労だった。今は身体を休めて欲しい。……バジュラとの戦いは女王級と呼ぶべき存在を倒したのだから暫くは小康状態になるかもしれないが、何しろ相手が常識の通じないバジュラなだけに確実とは言えない。それ故、いつ何が起きても大丈夫なようにしておいて欲しい」
その言葉に俺とオズマは頷き、その場にいた者の視線は床に置かれているバジュラの標本へと移る。
「ジェフリー艦長、この標本についてはどうしますか?」
「今から大統領府に連絡を取るから、向こうが取りに来るまではそのままにしておいてくれ。ただし、見張りを立てて置くように」
「了解しました。すぐに手配します。……ああ、大尉の階級章と辞令については1時間くらいしてから俺の部屋に来てくれ。隊長としての仕事をする方の部屋だな」
ジェフリーの言葉に答えるついでとばかりに言われ、俺もまた小さく頷きブリーフィングルームを出て行く。
そのまま一旦自分の部屋まで戻り、ベッドに寝転がりながら目を閉じてこの数日の出来事を思い出す。
何と言うか、俺がこのマクロス世界にやって来てから暫くはそれ程のイベントは無かったんだが、シェリルがフロンティア船団に来てから急にその類が増えたよな。
この辺を考えても、やはりグレイスが怪しいと思うべきなんだろうが……
空間倉庫から取り出したペットボトルの紅茶に口を付ける。
口の中に広がる微かな渋みと、まろやかな甘み。
紅茶通にすればペットボトルや缶の紅茶は邪道なのだろうが、俺くらいのにわか紅茶通にしてみればこのくらいで十分だ。
いや、勿論美味い紅茶が飲めればそれに越したことは無いんだけどな。
そんな風に紅茶を飲みながら同じく空間倉庫から取り出した雑誌を眺めていると、オズマの部屋に向かう約束の時間になっている事に気が付く。
飲みかけの紅茶と雑誌を空間倉庫に戻し、部屋を出ようとしたところで……
トゥルルルル、トゥルルルル、という昔懐かしい音で携帯が着信を伝えてきた。
微妙に嫌な予感をしつつも、携帯に出る。
『アクセル、悪いが俺の部屋に来るというのは中止だ。至急先程のブリーフィングルームまで来てくれ』
声の主はオズマ。だが、その声はいつもと違ってどこか焦っているようにも見える。
「どうしたんだ?」
『ガリア4でのお前の話を、教えられる場所だけ上に報告したら大統領がS.M.Sまでやって来たんだよ。そして、お前の話を聞きたいらしい』
「……マジか?」
バジュラによるフロンティア船団の襲撃があってから、まだ1日だ。そうなれば当然大統領としての仕事も多岐に渡って存在している筈だろう。
どう考えても、S.M.Sまで来るような暇があるとは思えない。
思えないが……逆に考えれば、そこまでしてでもここまで来る必要があったということか。
どんな理由なのかは不明だが、それをするだけの理由があるのだろう。
『マジだ。出来るだけ急いでくれ』
「分かった、すぐに向かう。じゃあ、準備があるから切るぞ」
そう告げて携帯を切り、素早く身支度を調えていく。
とは言っても、S.M.Sの軍服の上着を羽織ってから鏡でおかしな場所がないのかをチェックするだけなのだが。
「はてさて、何が起きてるのやら」
そう呟き、部屋を出てブリーフィングルームへと向かうのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:41
PP:905
格闘:274
射撃:294
技量:284
防御:284
回避:314
命中:334
SP:734
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
???
撃墜数:690
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