| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ISオリ主モノを無理やり1話で完結させてみた

作者:海戦型
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
< 前ページ 次ページ > 目次
 

最終話「ノンストッパー」

 
俺の名前は御茶ノ水(おちゃのみず)与夢(あとむ)!最初に主人公の名乗りから入る小説と言うのは2,3流の作者が良くやらかすことらしいが俺はそんなことは気にしない!

名前が明らかに狙っている気がしないでもないが、 ともかく俺は転生者だ!神にも会ったぞ!なにやらダンブル○アから威厳を抜いたようなやつだと思ってたら実は付け髭だったぞ!なんかチート貰った気もするが覚えてねえから使えないぜ!

・・・このテンション疲れるからやめる。

ラノベである「インフィニット・ストラトス」の世界の普通の家庭に転生したという何の面白みもない社会的地位に置かれ、前世では単にに調子に乗って遊んでいた高校生で、にゃんこ庇って事故死。にゃんにゃんこは神と同位の存在だからな。
・・・うん、俺が読者ならこの辺でバックタブをクリックしている可能性があるほどのテンプレートに俺自身驚きを禁じ得ない。神様転生者とは総じて粗雑な設定のものだ。

更にとってつけたような設定により、中学以来は主人公の織斑一夏と友達になったりしてる。もはやこれは言うに及ばぬお決まりの方針だが、原作勢に付き合うのは疲れるのでそこそこ距離を取ってたんだぞ。甲斐なく犬っころみたいに近づいてくる一夏を追い払いきれなかっただけだぞ。何お前ゲイなの?(どうみても偏見です)
そう言えば両親とか近所の友達とかをよく見ると、前世で近しかった人間と妙に一致している。いて欲しい奴に限ってよくいるので不思議なものだ。性別変わってる奴も一部いるが。転生の影響か?

そうして俺は何だかんだで一夏のアドバイス役で友達やってる。ISは暴力ヒロインが多いから念には念を入れて女に警戒するのが大変だったよ。モテるような人間じゃ無いから、とか油断してちゃ駄目だぞ。こういう世界にはこと人間関係において俺たちの目に見えない奇妙な方向性が生まれる傾向にあるんだ。こいつを避けるのに意外と骨が折れる。おかげでフラグブレイクの能力が身についた。

本当、いろいろあったんだよ?酔った千冬さんに湿った声で「暫く背中を貸してくれ」と泣かれたり、暇つぶしの文通相手が実はクロエちゃんだったり、細かいのも入れればざっと10はあったね。一夏式処世術で躱したおかげで一通りナニカに繋がりそうなフラグは折ったはずだ。お鈴(鈴音のこと)に毎日酢豚かまされたときはさすがに焦ったが、なんとかフッた。罪悪感あった。

うん、あれは確実に心が落ちかけた。上目遣いなんかに負けたりしないって思ってたけど鈴のはヤバかった。原作でも一夏と結ばれるかはかなり怪しかったし、これを機にもっといい男を見つけられるといいのだが。あの子は結婚したら絶対いい奥さんになる。原作のことが無かったら・・・・・・いや、やめておこう。勝手な理由でフッておいてそういうのは傲慢すぎて自分でも引く。

で、もう説明が面倒なので以下のワードで察して欲しい。
藍越入試、IS起動、IS学園、金髪ロール、決闘、当日。さあ、IS読みに来たやつならもうこれで充分だろ。説明なんてしねえよ面倒くさい。え?この作品で初めてIS知った?嘘こけ、というか何でここに来た。


 = =


ま、それはさておいて・・・ごほん。

――ここに、ひとつの鉄の塊がある。
かつて白騎士と呼ばれたそれは、世界のIS経済を支えた礎の如く姿を変え、平成2X年と呼ばれる今まで、この日本のどこかに誰にも知られず身を隠していた。
そして、その姿は、時代の全ての罪を全て隠し通したように、青く、白い。

とまぁ軽く”今川版鉄人○8号”のパロをかましつつ、俺は現状、困惑を隠せずにはいられない。

「さあ、与夢(あとむ)。これがお前の専用機――「 白 式 」だ」
「俺っすか千冬さん」
「お前だ」
「間違いはないっすか?」
「間違いも手違いもない」
「一夏の専用機は?」
「別にあるが、今は完成してないから打鉄だ」
「交換とか――」
「日本政府の正式な決定だ。何を嫌がっているのか知らんが・・・いや、お前の事だから察しているのか?ともかく――諦めろ」

一夏の手に渡るはずのISがなぜか俺に回ってきた件について。
白式。その正体は実は白騎士というビギニングISで、現時点では世界最高クラスのスペックと最悪のバランスを誇るすげぇ奴である。ブレードオンリー一撃必殺飛び道具無しとか何だお前。ストⅡのガイルの対極に位置する奴だな。

あー・・・えっと、ごめんこれ以上何言っていいかわかんない。え、なんで?これってば一夏に持たせるから意味のあるISなんじゃないの?若干伏線的なのあったじゃん?は?え、はぁ?意味わかんない意味わかんない。

「さあ、乗れアトム。試合はお前が先だ」
「・・・・・・Oh,My GOOOOD(んなアホなぁぁぁーーーー)!?」

仕方ないので頑張った。

「畜生もう破れかぶれだぁー!!!」
「邪気が来ましたか・・・!ブルー・ティアーズ!!」
(おいおい、最初からビット全開で来るのかよ!?ハードモードじゃねえか!!)
「貴方も篠ノ之束と同じです!暴力に則った世直ししかできない・・・!!」
「えっ!?なんでそこでタバえもんの名前が・・・」
「代表候補性は伊達じゃない!」
「あー、人の話聞かないタイプね・・・」

結論から言うと、射撃よりも接近格闘戦の方がシャレにならなかった。蹴って殴って吹っ飛ばされた先にビット置きというクソゲーだった。撃墜覚悟の一次移行零落白夜ぶっぱで辛うじて勝ったけど。なんだコイツ俺の知ってるセシリアと違うぞ。たまに額からキロリロリンとか音を立てて光出てるぞ。

勝利後にセシリアの発した「一撃持ちは頑張れば強いけど、頑張らなくても強いのが嫌いなのです!」という格ゲープレイヤーみたいな千冬さんディスりが印象的だった。ピットに戻ると千冬さんが「アトムお前篠ノ之流学べ」という期待を込めた視線と、自分の事のように喜ぶ一夏の姿が。おいやめろ抱き着くな!箒さんの目線が絶対零度だぞ。つかキモイ。

その後、一夏は打鉄でセシリアと戦ったわけだが、「(タマ)取ったらぁ」と言わんばかりにポン刀一本で突っ込んだ一夏は普通に鉄砲に撃たれて負けた。銃は剣よりも強しである。やっぱ原作のあれは機体性能あってこそだったんだろうか・・・・・・いや、多分セシリアの髪の毛が若干天パになってる所為だと思う。


 = =


さあ、新しい朝が来た。希望の朝だぞ、喜べよ。
クラス代表とかいう七面倒くさい役割を早々に一夏に押し付けた俺はすがすがしい気分だったわけだがいつの間にやら千冬さんに剣の稽古つけられることになってて自由がブレインショック。気分はほんのりマリッジブルーだ。ただ、一人部屋を勝ち取っているのでその点では気楽で助かっている。

周囲には「男なのにISで強い」とか「織斑先生に贔屓されてる」とかいろいろ言われてさまざまな感情の入り混じった視線を浴びている。癒しが欲しい。にゃんこ飼いたい。めうめう。にゃんこは天上の存在なのです。
と食堂で洩らしたら、なぜかいつの間にか「打鉄の耳パーツはネコミミかイヌミミか」という論争に発展していた。お前らみんな暇だな。俺は剣道教え込まれたせいで筋肉痛だよ。

そしてその日、人類(おれ)は思い出した・・・フラグと言う名の恐怖を!!

ぼうっと歩いていたせいかその人影に対応しきれず、どん、とぶつかってしまう。筋肉痛の事もあって俺も相手と一緒に倒れてしまった。ずたずたになった筋繊維に走る無慈悲な衝撃は神経を伝わって俺を蝕む・・・とか思っていると、相手があれだった。

「ぐおぉぉ!?こ、これはキツイ・・・」
「あたたた・・・・・・って、あれ?その声は・・・」
「「あっ・・・」」

 り ん ち ゃ ん な う 。

やっちまった感がぱねえがお鈴がやって来る日だってすっかり忘れてた。一夏フラグが息してないため暴力ヒロインたる所以が発揮できないのだが、それはそれでいいことのような気がする。

ともかくその日はフッた手前どう接すればいいか分からず、無難な感じで案内を済ませて終わった。お鈴もちょっと居づらそうになにかもごもご言っていたが、取り合えず翌日に回したら・・・大変なことになった。

食堂でお鈴が待ち構えていたのは予想通りだったが、まさかそこからあんなことになるなんて思わんだろう。食堂に行ったら、そこには落ち着きなく手遊びするお鈴の姿。そして、なんとお鈴は俺の姿を見つけるなり「ムシスンナヤゴルァー!」と叫ぶビリビリ中学生もかくやと言う速度で突っ込んできた。ぐべらっ!?
筋肉痛の痛みが残っていて俺のライフがゼロになりそうになりながら「やっぱり暴力ヒロイン枠やったんや!」とか心の中で叫んでいると、よく見たらお鈴は俺の体を抱きしめたまま離さない。

「お、おい急になんだよ――」
「駄目なの、アトム」
「駄目って何が?」
「忘れようって思えば思うほど・・・・・・アンタの顔ばかり思い出す。アンタの声、匂い、あったかさ・・・・・・たった2年って思ってるかもしれないけど、アタシには果てしない2年だった」
「お、おいお鈴?なんで俺に抱き付いてんのかな?」
「寂しくて・・・せつなくて・・・胸が痛くて。会いたくても海の向こうだからいけなくて・・・!なんでアタシは日本人に生まれなかったのって・・・・・・ッ!」
「お、お鈴?涙出てるぞお前?」
「本当は告白する前からそんな気がしてたの。オッケーしてくれないだろうなって・・・迷惑だよね、今更さ・・・アトム、いつも周りに一線ひいてる感じでさ・・・」
「お前、ちょっと何を言おうとしてんの!?ここ食堂!みんな見てるって!?」
「でも好きなの。アンタの事ばっかり考えてる。ねえ、お願い・・・何でも言うこと聞くわ。あたしの駄目な所あったら全部直す。胸が欲しいんなら整形もするし、髪が邪魔なら切る。中国人だからダメなら国籍だって捨てるわ。だからおねがい、一緒にいさせて・・・他に女を作ってもいい、だから・・・ほかの男を探せなんて言わないでよ・・・ッ!!」

この子ダメな男に引っかかって泥沼に嵌まるタイプだぁぁぁーーーーー!?!?

何だ!?何がお前をそこまで追い込んだ!?尽くす女じゃないかとは思ってたけど!!
小学校時代にいじめを止めたのは一夏で俺は関係ないだろ!ほかの行動だって四六時中一緒だったわけでもなし!あ、ひょっとして一夏誘拐事件で怖がってた時か!?モンドグロッソ中に突然いなくなって誘拐事件だって発覚した後、お前凍えた子猫みたいに震えてたから励ましてやった記憶あるぞ!?それなのか!?

学年問わず大量の人が見ている前での再告白(というか一種の公開処刑?)。涙ながらに愛を訴えるお鈴をこの場で振るなんて針の筵を歩くようなまねは出来る訳もなく、苦し紛れに「猫みたいに好きな時に好きに座ればいい」と謎の猫推しをしてしまった。これ、フッた所為で面倒事が余計悪化してね?

その後、お鈴は俺の部屋が一人部屋なのをいいことに押しかけて来た。山田先生が困ってたが俺の方が困ってます。ちなみにお鈴は2組の総意でクラス代表に選ばれて一夏と対戦した。

一夏の専用ISどうなるんだろ・・・と思っていたら、なんと専用機は打鉄弐式だった。ミサイルポットと薙刀を廃止し、代わりに接近戦ブレード(実体剣とビーム剣)2本装備、さらに両腕部に小型シールドを装備した接近戦向けになってた。何気に射撃武器があるのでバランスがいい。

というかアレ、簪に回るはずだった機体では?せんせー簪ちゃんが息してないの!!・・・ああ!なんか水色の髪で眼鏡かけた女の子が血涙流してらっしゃる!やべえ生徒会長に殺される!?
とか思っていると、アリーナにゴーレム突っ込んできた。どの作品でもやってきては撃破されるやられ役のかわいそうな御仁だ。
だが、今回はいつも以上に相手が悪かったな。原作と違うんだよここは。何かお鈴が俺の部屋に住み始めて以来異様に元気で、今もほら元気にゴーレムをぼこってる。一夏、ただ突っ立っているだけ!唖然の棒立ち!無論、俺も唖然!

双天牙月(テックランサー)!!」
『ガピー!?!?』
「へん、私は『デンジャラス・ガール』よ!ボルテッカァァァーーー(龍 ノ 咆 哮)ッ!!!」

衝撃砲ってそんな武器だっけ?と聞いても許されるレベルの青白ごんぶとビームによってゴーレムは消し飛ばされた。なお、さっきの叫び声でアリーナの集音マイクとスピーカーが負荷によりお亡くなりになった模様。
ISはテッククリスタルだったのか。ナムアミダブツ・・・あ、お鈴がこっちに手を振っている。周囲の目線が生暖かいのでいと恥ずかし。


 = =


 ――転入生が現れました――

「姉のシャルロットでーす」
「妹のラウラでーす」
「友達のオーシオ・ヘーハチローです」
「最後の奴は誰だ!?」

オーシオさんはデュノア社の人だった。秘書らしいが名前と顔が思いっきり日本人だ。
この世界のシャルロットは浮気問題を逆手にとって父親を失脚させ、デュノア社社長の座を乗っ取ってしまったようだ。女の子と言うのは時に男以上に逞しいのである。営業大丈夫かデュノア社と思ったが、美少女社長という事で株価鰻登りらしい。

ちなみに社員曰く、「浮気するようなオッサンよりは可愛い女の子のもとで働く方がいいよね!」だそうだ。貴様らは歪んでいる!その歪み、この俺が断ち切・・・れないんだけどね。俺たちは○ンダムじゃないからね。

「私が社長です。但し仕事は部下がします」
「我々姉妹で社の実権を握っているのだ」
「ボーデヴィッヒ・・・1年見ないうちにお前に何があったんだ!誇り高きドイツ軍人になりたいと熱く語ったあの日の目の輝きは嘘だったのか!?」

けっこうノンキしてた織斑先生もこれにはビビった。俺の聞きたいことをバンバン聞いてくれるそこに痺れぬ憧れぬゥ!
でも感謝します、剣道の指導とか。一夏を独りで面倒見る重圧に耐えきれず、時々浴びるように酒を飲んでたのも知ってますから、ね。晩酌付き合いますよ。

「教官、今の自分はラウラ・デュノアであります」
「養子縁組はまだいいとして、デュノア社はフランスが本部だろう!?黒兎隊はどうなった!?」
「17歳以下の兵士は志願兵として認められない上に18歳以下の徴兵は諸条約違反という事実が発覚して解散になりました」
「ヲイィィィィィィ!?お前それでいいのかァ!?」
「ドイツ軍なにやってんの!?馬鹿なの!?死ぬの!?」
「お前・・・消えるのか?」
「馬鹿は死ななきゃ治らない・・・!ガトチュゼロスタイル!!」
「おばかさぁん! ほんとにおばかさぁん!!」
「次の相手はドイツだ!!」
「一心不乱の大戦争を!」
「大惨事大戦だ!」

教室騒然である。というかISの軍事転用は違法なんですがそれは・・・いや、何でもない。

「今頃ドイツ陸軍はてんやわんやであります。職を失った我々はどさくさに紛れてISコアを盗・・・退職金代わりにフランスへ亡命、そこで出会ったシャル(ねぇ)さんと共謀してデュノア社を乗っ取り、権力でフランス国籍を手に入れました」

今調べてみたが、アクシズは地球の引力に引かれて・・・じゃなくて子ども兵問題を皮切りに人体実験問題、非人道的兵器研究問題など黒いところが噴出したドイツはアラスカ条約締結国から外されてISに関する権限をすべてはく奪されたらしい。
コアの所在に関するあれこれに関しては目下話合い中で、配分が決まるまではIS世界シェア1位のデュノア社が管理という事になっているそうだ。逞しすぎるぞこいつら。

なおその後、義理姉妹は貴重な男性IS操縦者を籠絡しようと露骨な色仕掛けを仕掛けてきた。が、お鈴や箒、いつの間に一夏に惚れたのか不明なセシリアと激突していろいろ賑やかしくなった。

もう原作がどうとかどうでもいいなぁ・・・


 = =


臨海学校マッハゴー!
海です。みんなの水着姿が艶やかで眩しいです。むっつりスケベですいません。最近の若い子発育良すぎんよ・・・特に箒とセシリア。そっち見てるとお鈴がすごく寂しそうな目で見て来るのであんまり見ていられないんだけど。
喉元をなでてあげるとゴロゴロと喉を鳴らして喜ぶお鈴。俺が猫好きという事実は前から知っていたようだが、猫じゃなく自分に振り向かせる・・・のではなく自分が猫になるという逆転の発想に思い至ったようだ。

その前なんか猫コスプレで部屋に待ち構えてて、恥ずかしそうに「・・・にゃ、にゃあ!」なんて言うものだからかわゆさで憤死するかと思った。誘われてるって分かっているのに引っかかってしまうのは男の性なんだろうなぁ。というかプロポーズの返事ちゃんと返してないけどもう逃げられない状況じゃない?

あの告白の光景を見られた時点で外壁が埋められた感パない。大阪城夏の陣の堀埋めに匹敵する致命度だと思う。テッカマン・リン恐ろしい子!

そしてもはや回避するとかしないとかそういう問題でもないような気がしてきた原作イベント到来。タバえもんは俺にクロエちゃんの手紙だけ差し出して「深夜テンションって怖いね」とだけ言って箒の所まで行ってしまった。・・・あ、ひょっとして手紙の郵送はタバえもんがやってたの?千冬さんの状況とかもっと書いて送った方がよかったろうか。

さーて、説明めんどいのでワードで察してください!
紅、暴走、システムイド、臆病者、エルルの悪魔。さあ、これだけ情報があれば・・・え?全然分からない?あ、ごめん暴走以降のキーワード間違えたわ。ともかく福音の刻が近づいているから、俺は箒と一緒にプレアスター級機動巡洋艦に乗って戦略制圧艦メルカバーの・・・・・・違う!暴走したIS「シルバリオ・ゴスペル」を倒しに行くんだよ!!

「アトム、千冬さんからアレは習ったか!?」
「あれ!?あれって、2人で使うアレのことか!?」
「そうだ!一撃で決めてとっとと帰るぞ!」
『La?』

「「篠ノ之流奥義・・・重ね鎌鼬太刀(カマイタチ)!!」」
『Laaaa------!?!?』

いちげき ひっさつ !
シルバリオ ゴスペル は たおれた !!

「ふっ、一夏にいい土産話が出来た!」
「切り捨て・・・御免!」

セカンドシフトなどなかった。いいな?なかったんだ。
その後普通に臨海学校は続き、特に何もなく終了した。


 = =


そして時は経ち・・・ある日の休日、俺はついに買う事の出来た自分の家でくつろいでいた。
そこが指定席とでもいうように人の膝を枕に寝ていた鈴がふとテレビを見上げる。テレビには国外で起きた大捕物(おおとりもの)が映し出されていた。

「んぅ・・・?ふぁんとむたすく?・・・へー、ISテロリストなんて居たんだ。もう国連に捕まっちゃったみたいだけど」
「お前も俺と一緒に制圧作戦に参加しただろ?」
「アトムと一緒に居られれば、あとはどうでもいいもーん」
「どうでもよくない問題だったと思うが・・・」

あれから数年、なんやかんやあって俺は学園を卒業した。原作の謎とかは全然明かされないままファントムタスク潰れたし、主要メンバーは既に脱退していた。どうも給与に不満があってストライキしていたらしく、残ってた連中は大した操縦者じゃなかった。親玉も普通に逮捕された。なんかパッとしない人で、動機もパッとしない内容だったので覚えていない。

スコールさんエステティシャンやってるし、オータムさんたこ焼き屋になってたし、ともかくあれ以降は特に事件はなかった。

個人的に事件と言えるのはとうとう篠ノ之流免許皆伝して「ブリュンヒルデの正式な直弟子」になったことくらいだ。人間死ぬ気になれば千冬さんについて行けるようになるんだな。学園所属になったから大会には参加できないけど、一応学園の二本刀(千冬さんと俺で)として新たな抑止力になっている。白式も二次移行したし。

白式の中の人はあの後出番が無さ過ぎて俺の夢に出るようになったとか・・・クロエちゃんとの文通が続いてるとか・・・男性IS操縦者がちょっとずつ増えているけど相変わらず条件が謎とか・・・一夏が努力の甲斐あって日本代表になったとか・・・あとはデュノア社日本支部が出来て黒兎隊の面々と友達になったくらいか。

本当、特に何もなかった。お鈴と同居している件?・・・だって、悪さするわけでもない猫を追い返すのって気が引けるじゃん。にゃんこを止める権利は人間にはないのだ。めうめう。ちなみにめうめうってのは猫の鳴き声の「Mew」のことだ。ホントは発音「ミュー」だけど。めうめう、いい響きだ。にくきゅーハンコをペッタンタンしたくなる。

え、更識姉妹?両方一夏戦争に参加しました。束さん?たまに会うけど、俺の方を見て「深夜テンションってやっぱり怖いね」と毎回言い残していくのがよく分からない。まさか白式を一夏じゃなくて俺に与えたのって深夜テンションの思いつきだったなんて言わないよな?

「あ、そういえば千冬さんに聞いたんだが・・・なんか昔行方不明になった妹が見つかったから一緒に暮らすんだって」
「ふぅん・・・・・・上手くやっていけるといいな」
「お前ん所の家族みたいにな。明日一緒にご飯食べに行くんだろ?」

こやつの両親は離婚している。説明省いたけどそれが原因で一度中国に帰ったし。だがやっぱり2人に和解して欲しかった鈴は頑張って、どうにか家族集合にこじつけたのだ。

「あ、それなんだけどさ・・・アトム、改めて”紹介”したいから一緒に来てくれない・・・かな?」
「・・・・・・」
「・・・・・・にゃあ」

招き猫みたいに手をこまねいた。いい歳して甘えるネコそのものだ。

「お前最近それやれば俺が言うこと聞いてくれると思ってないか?」
「・・・・・・みぃ」

舌をちろっと出してこっちを見上げてきた。かわゆい・・・・・・しかも憎めない。


――ちなみに言い忘れたが、どうやらお鈴は俺が前世で死ぬ前に助けたにゃんこの生まれ変わりだったらしい。道理で猫のマネが上手いわけだよ畜生。

とっぴんぱらりのぷう(メ デ タ シ メ デ タ シ)
  
 

 
後書き
 

「・・・・・・あいつ、もしやチートの存在忘れとらんか?」

御茶ノ水(おちゃのみず)与夢(あとむ)。与えられたチート能力・・・「再会の才」。 
< 前ページ 次ページ > 目次
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧