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ドリトル先生と伊予のカワウソ

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第五幕その十

「確かにそうした話が多いね」
「そうですよね」
「日本はこうしたことも独特かな」
 様々な動物達が化けられることもというのです。
「それに動物達も人間の世界にいても」
「何か自然だね」
「僕達も最初は少し驚かれたけれどね」
「それでもね」
「今は普通だからね」
「普通に町で先生と一緒にいるしね」
 八条町でもです、確かに最初こそ先生といつも一緒にいて驚かれましたがそれでも今は普通に見られています。
「何か動物に対する垣根がない?」
「普通に家族として皆受け入れてるよね」
「人間は人間、動物は動物じゃなくて」
「あまりその垣根がない」
「そうよね」
「日本だと」
「どうも日本の考えがあるね」
 そこにと言う先生でした。
「日本は神様があらゆるところにいるからね」
「八百万の神ね」
 トートーが言ってきました。
「それね」
「そう、日本の宗教だよ」
「神道ね」
「日本の神道では神様が凄く多いんだ」
「それで八百万ね」
「やおろずのね」
 とにかく数が多いという意味での言葉です。
「それだけ多いんだよ」
「だから動物達にも」
「神様がいてね」
「何か自然と人間が」
「一体になっているね」
「イギリスよりもずっとね」
「言うならばイギリスの妖精達も神様になるのかな」
 先生はこれまで日本について勉強したことをここで思いだしながら皆にお話しました。
「ありとあらゆるものに神様が宿っていて自然と人間が一体化していてね」
「人間と動物もなんだ」
「普通に一緒にいるんだ」
「そこも独特かな」
 先生は考えるお顔で言うのでした。
「だから僕みたいに普通に君達と一緒にいてもね」
「周りの人も慣れてきたんだ」
「そうなんだね」
「そうじゃないかな、日本は本当に独特の国だね」
 先生もそのことを痛感するのでした。
「あらゆる動物、人間も含めて一緒にいるからね」
「僕達も自然に受け入れてもらえて」
「仲良く出来るからね」
「日本のことをもっと知りたくなったよ」
 先生の笑顔が変わりました、知的なものを求めるお顔にです。
「ずっと日本にいてね」
「日本についてはです」
 加藤さんも先生に言ってきました。
「外国から来られた方の中には先生の様に」
「言う人がですね」
「おられます」
「独特な国だと」
「そしてその独特な部分にです」
「魅力を感じてですね」
「好きになってくれる方がおられます」
 まさに先生の様にというのです。
「そうなってくれます」
「そうですか」
「はい、そうなってくれます」
「それはそれだけ日本のその独特さにです」
「魅力があるというのですね」
「はい、そうです」
 先生もこう加藤さんに答えます。
「ですから余計に日本にいたくなりました」
「それは何よりですね」
「国籍は本当に考えさせてもらいます」
「日本人にですね」
「なりたいと思えてきました」
 これまで以上にというのです。 
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