転生者の珍妙な冒険
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チートじゃない、ソレ・・・?
前書き
さて、前回から戦闘が始まっているカゲツグのデータを紹介。
カゲツグ
身長180cm
体重65kg
ギルドランク:脱退したため無し(脱退前はA-)
所持金不明
魔法適性『強化』
ジョブ:脱退したため無し(脱退前はアサシン)
スキル:スタンド「エジプト九栄神」
大地の神が暗示する『ゲブ神』
「なっ・・・・、タロット、大アルカナは0番『愚者』の暗示するスタンド、愚者!!!」
咄嗟に足元の砂を愚者に変え、砂の壁を形成し槍を防ぐ。
槍はドームを少し貫き、刃先を出して止まった。
「ネーナさんや、さっきまでアイツこんな量の槍持ってたっけ・・・?」
「いえ、いくらアサシンが暗器を多用すると言っても、この量は多すぎます。それに、これは彼からではなく馬車の下から・・・・。」
ネーナさんの返事でさらに混乱する。
馬車の下から?
アイツが馬車に何か仕込んでるのは見てない。ゲブ神で何かしたのか・・・?
「お悩みですかね、お2人さん?」
「「ッ!!!!?」」
唐突に背後から聞こえる声。
飛び退って逃げようにも、背後は砂の壁で逃げられない。
そうだ、この感覚はコイツと始めて会った時と同じだ。
あの時もアイツはいきなり後ろから声をかけてきた。
「ん~、俺の能力の考察してるのは結構だけど、アンタらはミスを犯してるよ~。」
完全に背後を取り、それでも攻撃せずに呑気に話すカゲツグ。
「何を呑気に・・・・・ッ・・・?」
その隙をついて攻撃しようとした時、異変に気付いた。
体が動かない。
どうやら、俺の隣にいるネーナさんもそうみたいだ。弓を引こうとしたまま固まってる。
「アンタらのミス、それは・・・・。」
カゲツグが短刀を持ち、その腕を振り上げる。ヤバい、これは死ぬ・・・・!!!
「アサシン相手に隙を見せたってこt「金剛棒・豪風ぇぇぇぇ!!!!」ゴフッ!!?」
振り下ろす直前に、胴に棍棒がぶち当たって吹っ飛ぶカゲツグ。
「どうやら、いいタイミングだったみてぇだな。」
「お2人とも、怪我はありませんかっ!?」
そこには、不敵に笑うオッサンと心配そうな顔をするサリナの姿があった。
「いいタイミングじゃねぇよ、遅いわ。それに、まだだぜ!!」
「あぁ? ・・・・ッ!?」
俺に訝しそうな顔を向けてたオッサンだが、次の瞬間には拘束されたみてぇだ。
今度は、アイツどこから来やがるんだ・・・!!
「う~ん、やっぱり鎧からじゃあパンツなんて見えんなぁ・・・・・。」
「え? ・・・・きゃあぁぁ!!!!」
「サリナ!?」
突然の声とサリナの悲鳴にソッチを向くと、サリナの足元の影からカゲツグの顔が出てた。
「なっ!?」
「ハッハー驚いてるねぇ!! だけどそこで固まってていいのかなぁっと!!!」
そう言いながら影から飛び出し・・・・、奴は腕を振った。
特に何って無い動作だった。
だが・・・・
ザクッ・・・・・
そんな音と共に、サリナの影の胴体の部分が袈裟がけに裂け、そして・・・・・・
「・・・・・・え・・・・・・?」
サリナの胴も、同じように裂けて、サリナは血を吹きながら倒れた。
「サリナぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」
サリナの所へ行こうにも、体は未だ動かん。
コイツ、何しやがったんだ!!!
「おい若造ぉぉ!! テメェ、サリナに何しやがったぁぁぁぁ!!!!」
怒りに満ちたオッサンの大音声。だがカゲツグは涼しげに、事もなげに返した。
「ハハッ、驚いただろう? 今のが『操影の術』の秘技・影斬りだよ。」
だが、言ってることは意味が分からない。
操影? 影斬り?
まさかコイツ、影を自在に操れるってのか・・・?
「・・・・・先程の『ゲブ神』とかいう水のスキルもそうですが・・・・、貴方のそれは、まさか・・・・・!?」
「おぉ、そこのアーチャーのお嬢ちゃんは察しが良いねぇ。そうだ、コレは俺の固有技だよ。」
固有技
それは時折、少数の(1~3人、多くても10人まで)人しか持っていないスキルが発見される。その時の呼び名だ。
色んな種類があるが、共通認識として大抵の場合はジョブで得られるスキルより強力だとされている。
以前、ネーナさんに俺のスタンドはそうなんじゃないかと訊かれて、適当にそうだと返した。
その、固有技をアイツも持ってたって訳か・・・。
参ったな、通りで強いはずだよ。
「俺のこの『操影の術』は、俺と、無機物と、それと俺が的付けした他者1人の影を自在に操れる俺の切り札だ。コレを出させたアンタらは自慢していいぜ、あの世で。」
そう言って自慢げに笑うカゲツグ。
成程、さっきサリナの影から出た時に的付けしたのか・・・。
それで、操れるようになったサリナの影を切裂いた、と。
某海賊マンガ曰く、影はその主人と一蓮托生らしいからな、影が斬れたら本体も斬れるんだろう。
納得はいった。
だが、許せん。コイツはサリナに手をあげやがった・・・・!!
今動けるのはアイツだけ、俺もネーナさんもオッサンも束縛されてる。
理由は分からん、アイツが的付けしたのはサリナで、俺らでは無いハズだ・・・・。
兎に角、俺らが動けないと思って油断してるアイツに攻撃するか・・・。
「行け、愚者!!!」
「何ッ!?」
壁になってた愚者が元の姿に戻ってカゲツグに襲い掛かる。
「チッ、『ゲブ神』!!!」
が、地面から湧き出てきた水の手に攻撃を阻まれた。
「クソ、外したか・・・。だが、甘かったなぁ、俺のスタンドは俺の意識が消えない限りは自由に動かせるんだよ!!」
そう叫んだ拍子に、前のめりになったのか体がよろけた。
「ん?」
「ッ!!!」
カゲツグが焦ってる。つまりは俺にかかってた束縛は解けたんだろう。
・・・成程。
「愚者の砂の壁でできた影を利用して、その影を縄か何かにでもして俺らを縛ったって訳か。」
それが分かれば怖くない、一気に加速してカゲツグに近寄り、焦ってて反応が遅れたコイツがゲブ神を出す前に・・・
「波紋疾走!!!」
「うはっ!?」
拳を減り込ませて吹っ飛ばし、さらに追撃を
「危ねぇな~。」
「なっ!?」
マズイ、またいきなり後ろに!! 影を潜ったのか? それにしても何であのパンチ喰らって・・・!
振り下ろされた短刀を紙一重で躱す。と同時にネーナさんの撃った矢が胴に命中してカゲツグがよろけた。
「ナイスフォロー!!」
「拘束を解いてくれたヨシュアさんのおかげです!」
そう言葉を交わしてる内にも、体勢を立て直したカゲツグが短刀を持って凄い速さで突貫してくる。考えなしかと思ったらちゃんと両脇には影で作った槍。逃げ場はない。
「ヨシュアさん右から来ます!!」
「了解、ネーナさんは黒い槍を抑えといて!!」
「はい!」
ネーナさんが先刻の魔導弓の準備をするのを後目にカゲツグの突貫に合わせて突撃。格闘家とアサシンじゃあパワーで差が出るし押し勝てるだろ。
「甘いね、ゲブ神!!!」
「っと!」
俺の足元から飛び出てきたゲブ神を跳んで躱す。俺だって伊達にジョジョ読んでた訳じゃねぇんだ、スタンド攻撃の予測はつく。
そしてそのまま脚で空中蹴りを出し、「ワザと」短刀の刃に当てる。
「金属を伝わる波紋、銀色の波紋疾走!!!」
「はっ、その技は知ってるよ!」
チッ、短刀を捨てやがったか。だがまだだ!
「突っ込め愚者!!」
「なっ、ぐはっ!?」
弾丸のように突撃した愚者がカゲツグに突っ込み、カゲツグは豪快に吹き飛ぶ。
その先には・・・・。
「頼むぜオッサン!」
「おぅ、任せなぁ!!!」
やたらと太くて長い頑丈そうな鎖を武器庫空間から出したオッサンがいた。
空中で上手く方向転換が出来ないカゲツグはそのままオッサンの方へ飛んでいく。
「さぁ、遠慮せずに喰らいなぁ・・・!! 双龍の鎖!!」
そう言って鎖の先端に付いた枷に自分の手首をはめ、もう片方の先端をカゲツグに投擲、分銅の付いたその鎖は見事にカゲツグの首に巻きついた。
「しまっ・・・!!」
「もう遅い! コレが俺の切り札、チェーンデスマッチだ!!!」
そう言って満身の力を込めて鎖を引き絞るオッサン。
ギリギリと鎖が引き締まり、そして
ボキィッ・・・・・!!
鈍い音を立てて首の骨が圧し折れた。
「よっしゃ、ぶっ殺したぜ!!」
「ナイスだオッサン!! 早くサリナを街に運ぶぞ!!」
そう言ってサリナの元へ駆け寄ろうとした時。
「おっと、行かせないよぉぉぉぉ!?」
サリナの影から、カゲツグが這い出てきた。
その首は骨が折れた形跡等どこにもない。
まだ、戦いは終わらない・・・・。
後書き
夜集阿 聖斗
身長175cm
体重60kg
ギルドランク:A+
所持金500万ペリ
魔法適性『適性なし』
ジョブ『格闘家』『奇術師』
スキル:波紋の呼吸法(常時発動)
《派生》波紋カッター
波紋ズームパンチ
波紋疾走
仙道・波紋疾走
銀色の波紋疾走
山吹色の波紋疾走
クラッカーボレイ
スタンド「タロット大アルカナ」
【0番「愚者」の暗示する『 愚者』】
【1番「魔術師」の暗示する『魔術師の赤』】
【4番「皇帝」の暗示する『 皇帝』】
【7番「戦車」の暗示する『 銀の戦車』】
【8番「正義」の暗示する『正義』】
【10番「運命の車輪」の暗示する『運命の車輪』】
【21番「世界」の暗示する『世界』】
サリナ・テッド
身長160cm
体重50kg
ギルドランク:C
所持金5万ペリ
魔法適性『回復』
ジョブ『騎士』
スキル不明
タルタス・フォード
身長200cm
体重100kg
ギルドランク:A
所持金1000万ペリ
魔法適性『強化』
ジョブ『重戦士』『★:ソードマスター』
スキル:武器庫空間
金剛両断
金剛棒・豪風
双龍の鎖
チェーンデスマッチ
ネーナ・チュミン
身長165cm
体重55kg
ギルドランク:C+
所持金100万ペリ
魔法適性『強化』
ジョブ『アーチャー』
スキル:魔導弓
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