赤龍帝の兄の日記
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兄の日記:一ページ目
○月×日
ついにイッセーに彼女が出来たらしい!!
天野夕麻という子で巨乳らしい……胸だけで選んでないかいないかすごく心配だ……
まあ本人は大切にしたいと言っていたから心配する必要はないか
なんだかんだで一途なやつだ、相手を悪いようにはしないだろう
それにしても……何だろうか?
この、胸に残るモヤモヤは、弟の成長が嬉しいようで悲しいからだろうか?
きっとそうだろう、さあ明日も早いしここら辺で終わるとしよう
○月%日
くそ!!俺がもっとしっかりとしていれば……っ!!
俺がもっとこいつの身の回りのことに気を配っていれば!!!
イッセーの彼女、天野夕麻はイッセーの神器を狙った堕天使だった
そいつはイッセーをデートに誘った後であざ笑うようにイッセーを殺した
そのことをイッセーを悪魔として転生させたと言うリアス・グレモリーから聞いたとき
怒りではらわたが煮えくり返り、今すぐにでもそいつを殺してやろうと思ったが
イッセーの容体がまだ悪い事もあり看病に専念することした
リアス・グレモリーが自分も手伝おうかと言ったが
まともな対応が出来る気がしなかったので断って帰ってもらった
……まさかこんな形でイッセーが裏の世界に関わることになるなんて……
いや、そんなことよりも俺は危うく弟を失うところだったんだ……
イッセーの額を触って熱がないかを確認しながらその温かさにホッと胸を撫で下ろす
正直、この温かさが失われていたかと思うとゾッとする
悪魔とはいえイッセーを生きながらえさせてくれた
リアス・グレモリーには感謝してもしてきれないな……
しかし、もしイッセーに残酷な仕打ちをするようなら……俺は奴を――
(字が汚くて読めない)
とにかく今はイッセーの無事を祈ろう、全てはイッセーが目を覚ましてからだ
○月&日
イッセーが目を覚ました……本当によかった……
まだ昨日のことが夢だったのか現実だったのか分からず混乱しているようだが
体には特に問題がなさそうだったので一安心だ
ひとまずいつものように弁当を持たせて学校に行かせたのだが
やはり心配なのでこっそりと後をつけることにした
しかし懐かしいな、イッセーの登校を見守るなんて小学校以来だ
そういえばあの時は不審者扱いされて大変な目にあったな……
やはり隠れながらカメラで撮影は怪しかったか……
まあ、今回は誰にも見つからないように尾行しているからあの時みたいにはならないだろう
カメラ?そんな物常備してるに決まってるだろ
ともかくイッセーはそのまま何事もなく学校に到着したのでひとまず安心だ
しかし、授業中にまた堕天使が襲ってくるかもしれないのでしっかりと授業中も見守った
……ただ単にイッセーの授業風景を見たかったわけじゃないぞ?
俺は兄としての当然の役目を全うしただけだからな
それはともかくイッセーは若干混乱しながらも無事に一日の授業を終え
松田君と元浜君の誘いも断り真っ直ぐに家に帰っていく
その後を追っていると堕天使の気配に気づく
……もし天野夕麻という堕天使だったら問答無用で殴りころ――飛ばすとしよう
残念ながらその堕天使は男で天野夕麻ではなかったが
イッセーに光の槍を投げつけてきたので槍を拳で砕き
突如現れた俺に驚いている間に
ボディブローを三発程入れてダウンさせた(一発でダウンしたが残りの二発はおまけだ)
「俺の弟を傷つけようとした報いだ!!!」
そう大声で言い放った俺は最高にカッコいい兄貴だったと思う
イッセーだけでなく途中から現れたリアス・グレモリー達も俺に見入っていたしな
その後事情説明を求めてきたイッセーには悪いが今日は遅いからという理由で
明日リアス・グレモリー達と共に説明することにした
夜更かししてイッセーが風邪を引いたらいけないからな
そのさいリアス・グレモリーから俺の事も説明しろと言われてしまった
……弱ったな、イッセーに嘘をついていたのがばれるな
はあ……今から気が重いよ
○月*日
夕方になりそろそろ事情説明のために駈王学園に行こうとしたときふと
どこに行けばいいか聞いていなかったことを思い出して悩んでいると
やたら強く扉を叩く音がしたので不思議に思いながらも出てみると小柄な女の子が
何やら不満げな顔をして玄関に立っていた
ああ……インターホンのボタンまで手が届かなかったのか
経費をケチるために自分で付けたものだから前から少し高いなとは思っていたんだが……
今度もう少し下に降ろすとしよう
そんなことを考えていると女の子がグレモリーの使いだと言ってきたので
ありがたく案内してもらうことにした
案内された場所は何でもリアス・グレモリーが部長を務めるオカルト研究部の部室らしい
イッセーも既に来ていたようでこちらを見て少し羨ましそうな表情をしていた
大方女の子と一緒に来たのを羨ましがっているのだろうが
そんなに楽しいものでもなかったぞ?
背が足らなかったことが余程気に入らなかったのか
移動中はユニバーサルデザインの重要性を力説されたからな
中々に耳が痛かったよ……
それはともかくグレモリーが来たことで事情説明が始まった
悪魔だと言われて最初は半信半疑だったイッセーも悪魔の羽や雷を見せられて信じるようになっていた
それにしても……まだハーレムを諦めてなかったのか……
目標を持つことはいいんだが……もう少し…なあ?
そう思って溜息をついている俺に気を使ったのかお茶を出してくれた姫島朱乃が
俺のことに話を逸らしてくれた…感謝するよ
簡単にだが自分が魔物狩りをメインとした何でも屋ということを教える
イッセーが驚いていたことに多少の罪悪感を感じながらも話終える
するとグレモリーが俺があの『銀眼の鬼神』なのかと聞いてきた
……確かにそう言った風に呼ばれることもたまにはあるが俺はただ単に早く帰って
イッセーと過ごすために敵を殲滅していただけだ
そう言うと何やら微妙な顔をする一同
なぜだ?弟を大切にして何が悪い!!!
そう叫んだ俺は何も悪くないはずだ
それとあの小柄な女の子は塔城子猫と言うらしい
後一緒にいた男の子は木場祐斗君という名前らしい
イッセーと仲良くしてもらいたいものだ
○月▽日
グレモリー、リアスでいいと言われたんだったな
リアスがオカルト研究部の顧問にならないかと言ってきたが
俺にも仕事があるので断らせてもらった
まあ、イッセーに何かあったらいけないのでちょくちょく顔は出すつもりだが
そういうと外部コーチなら好きな時に学校に来ることが出来ると言われたので
そちらは受けさせてもらった
○月□日
イッセーの足の筋肉が崩壊した
何が言いたいかというとイッセーが悪魔のチラシを配るために全速力で
自転車をこいだ結果、筋肉痛になったということだ
寝ている間に足がつると可哀想なのでマッサージをしてやった
イッセーには悪いが久しぶりに兄弟でのコミュニケーションが出来たので
密かに筋肉痛に感謝していた
それとイッセーが俺にもチラシをくれた、今度インターホンの修理でも頼むとするか
○月☆日
失敗した……まさかインターホンの修理に来たのが塔城さんだとは……
呼び出した塔城さんに要件を伝えると『嫌味ですか?』とばかりに睨まれた
実際にそう言われたわけじゃないが塔城さんの目がそう雄弁に語っていた
このまま修理に入るのも気まずいので一先ずお茶とお菓子を出して塔上さんの機嫌をとった
何でも和菓子が好きらしいので今度から呼び出すときは用意しておこう
お菓子も食べ終え、塔城さんの機嫌も大分直った所を見計らい修理を始める
塔城さんには工具を渡してもらったり、掃除や後片付けをしてもらった
身長が足りないことには修理が出来ないからな……
修理も終わり無事、塔城さんでも楽に押せる位置になったので
対価の羊羹を渡すと塔城さんは帰っていった
それにしても……我が家のお菓子のほとんどを食べつくしていった塔城さんの胃袋はどうなっているのだろうか?
○月△日
家に帰ってきたイッセーが大いにへこんでいた
訳を聞いてみると魔力が子供程度しかなく魔法陣を使ってジャンプが出来なかったらしい
イッセーには俺も魔力はほとんどなかったが体を鍛えてるうちに上がってきたと言って慰めた
第一あいつの神器は『赤龍帝の籠手』のはずだ
まだ神器が覚醒してはいないが本来なら多少の魔力さえあれば山すら砕ける代物だ
魔力がなくても特に問題はないだろう
それにしても……イッセーの初仕事、見たかったものだな……はあ
○月D日
リアスから呼び出された、何でもイッセーの神器について聞きたいらしい
イッセーが兵士を八個も使ったのは神器がかなり強いものだと睨んでいたのが
『龍の籠手』だったので不思議になったらしい
リアスにはあいつの神器は『龍の籠手』ではなく『赤龍帝の籠手』だと教えてやった
かなり驚いてはいたが同時に納得もしていた、確かに神滅具でもないと
兵士八個などあり得ないからな
リアスはそのことをイッセーに教えようとしていたが止めておいた
あいつには自分で神器を覚醒させて気づいてほしいからな
そう言うとリアスに驚かれた
俺のことだからイッセーに教えて覚醒まで手ほどきすることだろうと思っていたそうだ
確かに俺が教える事は出来るがそれだとイッセーが成長しない
……俺がずっと見守ってあげれるわけじゃないからな……
○月Y日
ついにイッセーが契約を結べたそうだ
そう嬉しそうに俺に報告するイッセーを見て俺も嬉しくなり今日は久しぶりに酒を飲んだ
ああ……今日はもう眠いから寝よう
○月Z日
二日酔いで頭が痛い……
酒に強くないのに結構飲んでしまったからか……
何とかイッセーの弁当は作ったんだが……動くのが辛い
自分の昼飯はいいとしてもイッセーの晩御飯をなんとか用意しないと……
またあのチラシを使うか……
チラシを使い姫島さんに来てもらい晩御飯を作ってもらった
二日酔いの理由を聞かれたときは笑われたが言い返す気力もなかったので無視させてもらった……
決して仕返しがしたかったからじゃないぞ?
○月L日
今日は仕事もなかったので久しぶりに町をブラブラと散歩していると
イッセーが金髪のシスターと仲睦まじく歩いていた……
イッセー……お前は仮にも悪魔だろう……シスターと歩いていていいのか?
リアスに怒られても知らないぞ
そんなことを考えているとこちらに気づいたイッセーが手を振ってきた
はあ……本当にあいつは俺の扱い方が上手いよ
無意識に俺の心を癒してくれるんだからな
「アーシア・アルジェントです、よろしくお願いします!!」
シスターの子が俺に挨拶してくれる……これは英語か?
イッセーが俺が分からないと思って慌てて通訳しようとするがそれを遮り――
「兵藤聖一だ、一誠の兄貴だ、よろしく頼むよ」
自己紹介をする、俺は全部で八ヶ国語を話せるからな
イッセーに尊敬される兄であろうと思いありとあらゆる分野を勉強してきたからな
このぐらいは朝飯前だ!!
アーシアに話を聞くと町はずれの教会に案内してもらっている最中らしい
教会……イッセー…死ぬ気か?
まあ、まだ悪魔になり立てだから知らなくても仕方ないだろう
それに教会の近くまでなら問題はないだろう
何はともあれ俺達はアーシアを無事教会まで送り届けることに成功はした
……ただ、あの教会、妙な予感がするな……今度調べてみるとしよう
それとイッセーには今後二度と教会に近づかないように良く言い聞かせておいた
後書き
主人公の戦闘スタイルは素手です。
行動原理は全て弟のためです。
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