万華鏡
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第八十四話 リハーサルその一
第八十四話 リハーサル
卒業式まであと僅かになっていた、それこそ。
部長がだ、左右に副部長と書記を置いてそのうえで部員達に言った。
「いい?明後日よ」
「いよいよよね」
「卒業式よね」
「そう、その時にだから」
ライブがあるとだ、部長はいつもの不敵な感じの笑顔で言うのだった。
「今日はリハーサルよ」
「各学科共同の」
「衣装合わせもした」
「そう、それだからね」
だからだというのだ。
「気合を入れてリラックスしてやっていくわよ」
「そうね、じゃあ」
「いよいよ」
「明日は軽くランニングとかだけだから」
楽器を手にせずに、というのだ。
「ゆっくりと休んでね、本番前に」
「それで今日は」
「思いきりよね」
「そう、リハーサルよ」
それをするとだ、部長は二年生つまり自分と同学年の部員達にその笑顔で話していく。
「リハーサル頑張ってね」
「ええ、本番と思って」
「そのつもりで」
「若し失敗してもね」
人だからこれは当然ある、しかしそれでもだというのだ。
「引きずらないことよ」
「本番でもね」
「そうしてね」
副部長と書記もこう部員達に言う。
「私達だってよく失敗するしね」
「だからといってそこで終わりじゃないから」
「すぐに気を取り直して」
「続けてね」
「失敗はしないようにする、けれどそれで立ち止まらない」
それが重要だというのだ。
「だからいいわね」
「そうね、いつも通り」
「そうしていこうね」
二年生達が笑顔で応えてだ、そしてだった。
女子軽音楽部の面々はそれぞれのステージに向かった、既に現場に衣装は用意している。そして彼女達以外にも。
他の学科の軽音楽部の部員達がいた、彼女達がいてそうして言って来た。
「お互い頑張ろうね」
「今度のライブね」
「かなり派手になるけれど」
「その派手なライブね」
「成功させようね」
「いいライブにしましょうね」
こう言い合ってだ、お互いにだった。
握手をし合いいいライブにすることを誓い合う、そして。
プラネッツもその中にいた、そしてだった。
美優がだ、五人を代表して他の学科の女子軽音楽部の部員達に言うのだった。
「じゃあやろうな」
「ええ、お互い初対面だけれどね」
「それでもね」
「仲良くね」
「ライブ成功させましょう」
「是非ね」
相手も応える、そうして。
お互いに手を重ね合わせてだ、それから言う言葉は。
「卒業ライブ!」
「成功させようぜ!」
自然とこの言葉が出た、そうしてだった。
衣装を着てリハーサルに入る、琴乃は自分が選んだその衣装を更衣室の中で着ながら四人に対して言った。
「似合う?」
「ええ、いい感じよ」
「可愛いわよ」
四人は琴乃の衣装を着た姿を見て笑顔で答えた。
「その衣装ならね」
「いけるわよ」
「そう、じゃあね」
琴乃はその黒のゴスロリの衣装を自分でも見ながら笑顔になった、そして。
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