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転生者の珍妙な冒険

作者:yasao
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第一部 異世界邂逅編
世界の変わり目
  突然の襲撃。てか、え・・・・・?

 
前書き
以前に、スタンド使いは聖斗以外出ないような事を言いましたが、正確には違います。
理由は、聖斗も言っていた「他の転生者」が持ち込んだ「あるアイテム」です。 

 
馬車に揺られ続け、途中で宿場町を利用する旅を初めて、既に1週間が経った。
金銭的には、宿場町にあるギルド駐屯所って所に道すがら狩った魔物や盗賊を売ってるから問題ないんだが、そろそろ女性陣が感づき始めた。
「セイトさん、1つ訊いてもいいですか・・・?」
「何?」
「この旅って、何処を目指してる旅なんです?」
この質問に、俺は内心で「うわ~・・・・」となった。表情に出さなかった俺は立派だ。
実は、旅の目的なんて決めてない。
何処かいい所があれば永住するかもしれないけど、それまではフラフラと彼方此方を見て回るつもりだ。あの男爵の行動範囲もよく分からんからな。
オッサンはとっくに気付いてて、「俺も若い頃は似たようなもんだった」って言って済ませてくれたけど、女性陣はどうだろうな~・・・。この世界に旅行って概念ないらしいし。
「いや、特に何処って決めてないけど?」
そう言うと、ネーナは「やっぱり・・・」とでも言うかのように溜息を吐き、サリナは驚き3割怒り7割くらいの感じで詰め寄った。
「じゃ、じゃあ・・・・このまま当てもなくブラブラと旅するって言うんですか!?」
「ちょっ、近い近い!! 別に良いじゃんそれだって。色んなところ見るの楽しくない?」
そう言っても、サリナは全然引かない。
「その楽しさも、行先が決まってこそ、永住する本拠地が決まってこそです!! いいですか? 大体・・・・・」
そこから説教が始まった。
長い、超長い。
思わず御者席にいるオッサンに助けを求めたくなる長さだ・・・。

その時、何か嫌な予感がした。

別に確証がある訳じゃない。
だが、何かが襲ってくるかのような、そんな予感がした。
「なぁオッサン、何か来てねえか?」
「あぁ? ・・・・いや、何の気配もねぇから大丈夫だと思うが?」
「そうk「ちょっとセイトさん!! まだ話は終わってませんよ!!?」・・・・はいはい・・・。」
まだ全然怒り納まってねぇなぁ、サリナ・・・。
取りあえずコイツの怒りを鎮めるのが先決だと思い、サリナの方を向いた時、見えた。
サリナのその向こう、馬車の外にある水たまり。
別に昨日も一昨日も、雨なんざ降ってない。あんな場所に水たまりなんてできない。
それに、馬車後方って事は通り過ぎた筈だが、水たまりなんて無かった・・・・・・まさか!!?
「オッサン、御者台代われ!!!」
「あ? 何だよいきなり「いいから!!」っ・・・、分かったよ。」
完全ではないが、一先ず何かを察してくれたオッサンに代わって御者台に乗り込み、馬を切り離す。
戸惑ってる馬の尻を蹴り、取りあえず逃がさせる。
さぁ・・・、間に合ってくれよ!!

「タロット、大アルカナは10番『運命の車輪』の暗示するスタンド、運命の車輪(ホイール・オブ・フォーチュン)!!!」

「ちょっ、セイトさんそれって・・・・。」
何か言いたそうなサリナを無視し、車に変わった馬車をフルスロットルで突っ走らせる。
「やっぱりぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ・・・・・!!!!!!」
この速度が怖いサリナが悲鳴上げてるが、馬車でチンタラ逃げてアレに切裂かれる方がよっぽど怖い!!
「ヨシュアさん止めて下さい!! サリナちゃんが死んじゃいそうです!!!」
「今それどころじゃねぇんだよ!! 馬車の後ろを確認してくれ!!」
文句を言ってきたネーナさんに叫び返して確認に行かせる。勿論その間一切速度を緩めない!!
「よ、ヨシュアさん・・・、水たまりが動いて追いかけてます! それもこの馬車と変わらない速度で!!」
「分かった、何とか逃げ切ろう!!!」
「えぇ、今回だけは出来る限界まで速度上げて下さい!!!」
取りあえず危険性はネーナさんも理解出来たみたいだ。逃げ切れるか・・・・。
馬車の車体が悲鳴を上げてる。サリナも悲鳴を上げてる。危険性が分かってるから我慢してるネーナさんとオッサンも怖そうだ。
ヤバい、限界が近い・・・・・・、そう覚悟した時。

「やった!! ヨシュアさん、水たまりが消えました!!」

後ろを見ていたネーナさんが嬉しそうにそう言った。
オッサンもソレを聞いて安堵の表情を浮かべてるし、サリナも速度にビビりながらも嬉しそうだ。
だが、俺は知ってる。
それ(・・)は危機が去ったんじゃなくて、目前だって事だ。
「皆!! 今すぐ馬車から飛び降りろ!!!!」
馬車を止めて叫ぶ。説明する時間もない、急がないと死ぬ!
「・・・・・・、何かは分からんが、ヤバいんだな?」
ありがとうオッサン、今はアンタの無駄に察しの良い脳味噌が超ありがたい!!
「そうだ。」
「よし、お前ら飛び降りるぞ!!」
そう言って両手に未だ戸惑ってる女性陣を抱えるオッサン、若干羨ましいが今はそれどころじゃねぇしな・・・・。
そして俺らが馬車から飛び降りたその瞬間・・・・


「ザシュ」という音と共に、馬車が両断された。
馬車を両断したのは・・・・


「な、何ですかアレ・・・?」
「水でできた・・・手?」
困惑した表情で女性陣とオッサンが見つめる先にある物。
それは水たまりから伸びる腕だった。
その鋭い爪は何でも切裂けそうだ、実際さっき馬車を斬った。
だが液体が元だからか、うねうね(ぷるぷる?)と少し震えていて何にでも形を変えられそうだ。
あの形状、間違いない。
だが、有り得ない。
混乱してる仲間たちの横で、俺も混乱していた。
神の口ぶりからして、俺以外にスタンド使いはいない筈だ。
なのに、俺の目の前にあるソレは間違いなく・・・・・
「エジプト九栄神の大地の神が暗示するスタンド、『ゲブ神』・・・。」



「せ~いか~い♪」
俺の後ろで、仲間のものではない声がした・・・・・・。 
 

 
後書き
夜集阿 聖斗
身長175cm
体重60kg
ギルドランク:A+
所持金500万ペリ
魔法適性『適性なし』
ジョブ『格闘家』『奇術師』
スキル:波紋の呼吸法(常時発動)
    《派生》波紋カッター
        波紋ズームパンチ
        波紋疾走(波紋オーバードライブ)
        銀色の波紋疾走(メタルシルバーオーバードライブ)
        山吹色の波紋疾走(サンライトイエローオーバードライブ)
        クラッカーボレイ
    スタンド「タロット大アルカナ」
           【0番「愚者」の暗示する『 愚者(ザ・フール)』】
           【1番「魔術師」の暗示する『魔術師の赤(マジシャンズレッド)』】
           【4番「皇帝」の暗示する『 皇帝(エンペラー)』】
           【7番「戦車」の暗示する『 銀の戦車(シルバーチャリオッツ)』】
           【8番「正義」の暗示する『正義(ジャスティス)』】
           【10番「運命の車輪」の暗示する『運命の車輪(ホイール・オブ・フォーチュン)』】
           【21番「世界」の暗示する『世界(ザ・ワールド)』】

           
           
サリナ・テッド
身長160cm
体重50kg
ギルドランク:C
所持金5万ペリ
魔法適性『回復』
ジョブ『騎士』
スキル不明

タルタス・フォード
身長200cm
体重100kg
ギルドランク:A
所持金1000万ペリ
魔法適性『強化』
ジョブ『重戦士』『★:ソードマスター』
スキル:金剛両断
    金剛棒・豪風
    武器庫空間


ネーナ・チュミン
身長165cm
体重55kg
ギルドランク:C+
所持金100万ペリ
魔法適性『強化』
ジョブ『アーチャー』
スキル不明 
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