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東方変形葉

作者:月の部屋
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地底世界は意外と楽しい
第四章 変幻操作の人形師
  東方変形葉49話「ぶらり旧都飛行」

 
前書き
紫「霊夢がなんとなく動き出しそうな感じがするから、少し様子を見てみるわね。」
裕海「ということは、誰がナビしてくれるの?」
紫「萃香に頼もうかしら。もう話は通してあるから、もうすぐここに来るはずよ。」
萃香「やっほ~!裕海のナビをしてやんよ!」
裕海「・・・酒入り?」
萃香「酔ってないよ!」
紫「通信機能として、これをあげるわ。」
裕海「・・・少し大きな水晶?」
紫「あなたのオプションよ。人形たちのどちらかに通信機能をつけてもいいんだけど、それだとめんどくさいでしょ?」
裕海「・・・確かに。」
紫「その水晶はあなたの周りを飛び回ってるから紛失の心配はないわ。まあテレビ付き携帯電話とでも思えばいいわね。」
萃香「紫、けいたいでんわってなに?」
裕海「さてと、じゃあ行ってくるか。萃香、姫雪を頼む。今は寝てるけど。」
萃香「ああ、いいぞ!任せておけ!」
裕海「・・・本当に大丈夫かな?まあいいや、きらちゃんほたるちゃん。行くよ。」
きらちゃん「いこ~!」
ほたるちゃん「しゅっぱ~つ!」
 

 
あるジメジメした穴に入ってきた。う~ん、冬でもこんなにしめっているとは。
「どこまでつづいてんだ?この穴。」
『厳密には風穴だけど。まあもう少しかねぇ。』
少し嫌な風が吹いている気がする。と、気配がした。
「ばぁ~!」
・・・・・・。
桶に入った緑の髪でツインテールの少女が現れた!なんじゃそりゃ。うわっ!?なんかいきなり弾幕を投げつけてきた!?
『おや、釣瓶落としだねぇ。いや~、久しぶりに見たねえ。』
「萃香落ち着きすぎだろ。」
「ぎゃお~!」
とても可愛らしく襲ってきている。しかし、弾幕の量が半端ではない。本気で襲ってる?だったら、

変化「須臾の乱れ」

細かい弾幕を散らばらせる。それをあの少女は至近距離でまともに喰らっている。あ、逃げてった。
「・・・さて、先を急ぐか。」
「あら人間じゃないの。珍しいねぇ、地底に遊びに来たのかい?」
何やら声が聞こえた。振り向くと、蜘蛛のようにお腹のあたりがポッコリしている服を着て、金髪を団子ともポニーテールとも言い難い髪形の少女が現れた。
『おや、土蜘蛛じゃんか。珍しいねぇ。』
「え?私のことが珍しいですって?あなたはいったい何者?」
う~ん、これは例の如くそのまま勝負に流れ着くのか。仕方ない。
「じゃあ俺、急いでるから~!」
人形たちを抱きかかえ、“速度と停滞の変化”で高速でその場を去る。
「あっ!ちょっと待ちなさ・・・あらもういない。」



「はあ、やっと穴から出られた。」
それでも若干湿っぽいけど、このぐらいならすぐになれるか。
『ふぁ~・・・ゆーみしゃま』
「あれ、姫雪。おはよう。」
姫雪が目を覚まし、半分寝ぼけた様子でこちらに話しかけてくる。昨日の夜に一通りみんなに説明した。姫雪はかなり残念そうだったが、異変解決後はその日ずっとそばにいるという条件で承諾してくれた。
『おや、子猫ちゃん起きたのかい。』
よく、なんかチャラい人が女の子を子猫ちゃんって呼ぶけど、今はそれであってるな。うん、しっくりくる。
「ん?もしかして人間?旧都に人間が何の用なの。」
いつの間にか少し長い橋に着いていた。その橋の真ん中に、緑色の目をした少女が立っていた。
『あんたは橋姫かい?』
「私のことを知っているなんて、あなたは誰?もしかして、私たちの呪われた力が目当て?」
呪われた力・・・ねぇ。
『うんにゃ、違うよ。それにしても、嫉妬心に駆られる下賤な妖怪。ここで地底との橋を守ってるのかい?』
「ふん、なめてくれるじゃない。封じた筈の恐怖の妖怪。今一度味わうと良い!」
『はい、後はよろしく』
「まてまてまて」
ケンカ売った後にこっちになすりつけてきやがった。うわっ、もう弾幕を展開してるじゃんか。萃香め、後で覚えてろよ。
ここは、早く片付けよう。正直今日はなんだかいやな予感がする。

神変「無限変幻 閃」

弾幕をよけながら相手の近くまで行く。そして、スキマで移動し背後に回り込む。そして背後でスペカ発動!
「ちいっ!妬ましい!」
ばっと勢いよく避けたので、被弾はしなかったようだ。だったら。

変化「恐怖と幻の夜」

奇妙な目を相手の周りに配置する。そこから細い光線がたくさん出てくる。
「くっ!妬ましい妬ましい!」
・・・さっきから何を妬んでいるんだ?もしかして、そういう妖怪か?嫉妬がどーのこーのみたいな。

花咲爺 「シロの灰」

スペカを使ってきた。大きな弾幕が通ったところには、綺麗な花であふれていた。結構厄介だが、読みやすいのでどうということはない。
「『クランベリーマジック』」
紅い弾幕が相手に飛んでいく。しかしそれを相手はさっとかわした。

恨符 「丑の刻参り七日目」

弾幕が仕切りを作るようにして飛ぶ。そして一定の場所まで飛ぶと、水色の弾幕がめちゃくちゃに入り乱れる。これは結構きつい。読めるけど、いつ当たるかわからない。

幻覚「妖しき火に誘われた妖鳥」

俺の周りに現れた火に向かって弾幕が飛んでくる。
「なっ!?後ろ!?」
相手が気が付いたことにはもう遅かった。結構な数を被弾したようだ。
「いてててて、地上の人間だからって舐めてたわ。」
「まあ、喧嘩を売ったのは地上にいる困った子鬼ちゃんだけどね。おっと、ここは通らせてもらうよ。」
先を急ぐ。



建物がずらりと並ぶこの町は、どうやら地底で最も栄えている町のようだ。たくさんの妖怪達でにぎわっている。
『我々の住む世界はどうだい?』
「なんというか、楽しい場所だな。」
『だろう?』
萃香と雑談していると、額に角が生えた人に出会った。
「あんた、人間かい?おもしろい力を持ってるじゃねぇか。」
『あっ、勇義じゃん。久しぶり~!』
「あん?その酔っぱらった声は萃香かい。なんでそんな男みたいな恰好をしてんだ?」
いやいや違う。
「俺は萃香じゃないよ。萃香は今地上で通信してるんだ。」
「うん?よく聞いたらその水晶から萃香の声がするな。なるほど、そういうことか。で、萃香とも知り合いでしかも力を持った人間。少し戦わせてもらうよ!」

鬼符 「怪力乱神」

弾幕の綱がにょろにょろと仕切りを作るようにして張られ、そしてそれらが動き回る。若干厄介だが、避け易いのでスペカを使う必要はない。
「おや?このスペカをこんなすいすいと避ける人間は初めてだねえ。これならどうだい?」

力業 「大江山颪」

風に流されるようにして、二つの方向から飛んでくる。うわっ、よけづらっ!?

異変「異次元空間の大量発生」

無数のスキマが開き、そこから高速弾が飛ぶ。高速弾が大きな弾幕を打ち消していく。
「おっと、やるねぇ。じゃあこれならどうだい?」

四天王奥義 「三歩必殺」

相手の周りに弾幕が発生する。と、層になるようにしてまた弾幕が発生する。驚いたことに、突然俺の周りに弾幕が発生する。予想はしていたが、なんて力の使い方だ。その三層に発生した弾幕がゆっくりと動きだす。

天変「局地的大彗星豪雨」

それらを全て太い光線で吹き飛ばす。しかし、それでも弾幕が発生してくる。微妙に怖いな。けど、さっきので発生のしかたはもうわかった。
「『威力の変化~鬼~』『恐怖の眼』」
相手の背後に、奇妙な眼を配置する。
「いてっ、いつの間に!?」
「仕上げだ!」

変遷「無限変幻 流」

弾幕の中では最上級の威力を持つ弾幕が、今回は斜め上から流れてくる。その弾幕は、大量発生した弾幕を切り裂いて相手に向かっていく。
「なっ!?私の弾幕の壁を突き破るだと!?」



「ははは、負けちまったよ。」
角が額から生えた人は楽しそうに笑う。よく見ると、なぜかさっきから持っている杯になみなみ入っている酒が一滴もこぼれていない。まさか、俺を試したのか?
『それよりもさ、勇義。最近温泉と一緒に怨霊まで湧いて出てんだけど、どうなってんだ?』
萃香が言う。
「なに?怨霊が地上もくもくなのか。」
『そう、もくもく。』
・・・鬼ってこんな感じの人たちばっかりなのか。
「怨霊があんまり地上に出られると少しまずいんだよね。それで、調査に来たわけ。」
「なるほど、そいつは大変だ。今すぐ地霊殿に案内するよ。」
そういって勇義とやらは歩き始めた。俺はそのあとをついていった。



続く
 
 

 
後書き
49話です。長らくお待たせしてすみません。
お盆で鳥取に行ったり、その鳥取に行っている最中になぜか新しい小説のネタが浮かんだので書いてみたり。紆余曲折ありました。 
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