MUVLUVにチート転生者あらわる!?
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第二十一話
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悠斗side
帝都城の中を真耶と二人で奥へと進む。帝都城の内部は広く、通路のあちらこちらに調度品や書それに日本画等が置いてある。
「広いな」
「それは、そうだろう。将軍の住む場所なのだぞ。それに、斯衛の所属する城内省も有るからな。その関係もあって、ある程度の広さが必要なのだろう」
確かに城内省が帝都城の中に在るとは言え、此れだけの広さが有る廊下は無いと思うぞ。
対人戦闘になったとしても、簡単に防衛陣地くら確保出来るぞ。
まあまず、帝都城の中で対人戦闘になる可能性なんか無いだろうがな。
まず、城門突破から不可能に近いからな。
12・5事件の時のクーデター軍ですら、当時東京にあった帝都城を陥落させることが、出来なかったのだからな。
まあ、城内省が帝都城の中に在るとは言っていたから、多分この世界に居た事になっている自分なら、こんなことを言うだろうな。
「ああ。お前が居なくなって8年たったが、帝都城の中は変わらないよ。変わったとしたら、照明の配置や引退された方々位なものだよ」
月詠大尉が歩みを止めた。俺は、月詠大尉の横に移動して向き合った。
「違うぞ真耶さん。8年たって、真耶さんは昔に比べて美人になったよ」
多分8年前の月詠大尉なら、かなりの美人さんだったと思うんだよな。
具体的な年齢は明かされてないけど、多分今の俺の五歳か六歳位歳上なんだろうな。
「う!そ、そうか。そう言って貰えて嬉しいぞ (やった!悠斗に美人になったと言ってもらった。真那より、一歩すすんだぞ!)」
何やら、月詠大尉の顔が赤くなっている。空調は効いているが、もしかしたら暑いのかも知れないな。
コツ
何やら、物音がした。
素早く俺は気配を辿る。ホルスターに手をかけて、銃を抜く準備をする。警戒を怠らずに廻りを確認する。左前方の柱の後ろから、人の気配を感じる。
「どうした悠斗?」
「真耶さん気をつけろ。誰か物影に居るぞ」
「なに!侵入者か?」
月詠大尉も警戒体制を取る。まさに、一触即発の空気になる。
「ッ!まさか、ワシの存在に気付くとわの」
柱の後ろから、人が出てくる。髪の毛が、左右に3つの突起上になっている、非常に特長的な髪型だ。また、背の高さも二メートルは優にある、赤色の斯衛軍の服装をした、大男が出てきた。
「な!紅蓮醍三郎大将ではありませんか!」
月詠大尉が、驚いた表情になる。口をポカーンと開けている。ちょっと珍しいと思った。
(紅蓮醍三郎?ああ、マブラヴサプリメントに出てくる、冥夜の師匠だったな。確かオルタ本編では、名前すら出なかったけど、まさか帝都に居たんだな)
意外な人が隠れていたもんだな。
「悠斗よ、8年振りじゃのう」
(えーと、俺は紅蓮醍三郎大将と知り合いなんだよな。となると、当たり障りの無い返事をしておくか)
「お久しぶりです、紅蓮閣下」
「なに畏まっておる?昔のように、紅蓮師匠と呼んで構わんぞ」
「では、紅蓮師匠様、お元気そうでなりよりです」
「ハッハハハ!当たり前よ!まだまだ、若いもんには負けんよ。しかし、悠斗よ、貴様はかなり変わったのう」
いきなり豪快に笑い出したかと思いきや、急に真剣な表情になる紅蓮大将。
「服の上からでも見て分かる筋肉。隙の無い動きに、無駄のない足さばき。そして、隠しているがワシが辛うじて感じとれる気の力。かなりの修練をした者だけが扱える、気の力を習得したな」
(おや?隠していた気の気配すら気付く辺りは、流石は斯衛の大将だけは、あるな。生きる伝説と、呼ばれるだけはあるな)
曰く、素手でBETAの装甲を貫くとか。
曰く、嵐を発生させることが、出来るとか。
曰く、雷を操る事が出来る等と、言われているからな。また、衛士としての腕前は、超一流だと言われている。
しかし、この世界だと、俺の師匠もしていたらしいな。とんだ化け物に、鍛えられていたらしいな。良く、この世界の俺は耐えたな。人外レベルの人間に鍛えられたら、普通は死ぬぞ。←お前も充分人外レベルだからな!(神様)
なんか、電波を感じた。
「はい。修行だけは怠りませんでしたから。気については、とある流派に弟子入りして習得しました」
「そうか。なら、弟子入りした師匠が良かったのだろうな。普通の人間では、気を操る事など出来んからな」
まあ、東方不敗マスターアジアに弟子入りしましたからね。普通に、殴るだけでデスアーミーを、粉砕するほどの力を持っているかたですから。
「紅蓮醍三郎大将。そろそろ、お時間がありません」
「おお!もう、そんな時間か」
月詠大尉が、時間が無いことを教えてくれる。そろそろ、謁見の時間に近づいているのだろう。
「悠斗よ。共に着いて参れ」
「はい。分かりました」
紅蓮大将と月詠大尉と共に、歩みを進めるのであった。
悠斗sideout
紅蓮side
ワシは今、帝都城の廊下にある、柱の後ろに隠れておる。
今日8年ぶりに帝都城に顔を出す馬鹿弟子を、驚かすためじゃ。
奴は、無現鬼道流の基礎を叩き込んだ所で、極めて政治的な要因で、日本を去って行ったのじゃ。そんなあ奴が、どれ程強くなったか楽しみじゃった。十五分程待っておると、月詠の気配を感じた。もう一つ、懐かしい気配を感じた。恐らく奴だろうな。
コツ
おや?足が、柱にあたってしまったようじゃな?
「真耶さん気よつけろ。誰か、物影にいるぞ」
「なに!侵入者か?」
ぬお!ワシとしたことが、まさか存在を気取られるとわな。仕方ないから、表に出るかの。
ワシは月詠達の前に姿を表した。
「な!紅蓮醍三郎大将ではありませんか!」
案の定月詠は、大層驚いておるわ。しかし、悠斗の奴は驚いておらんかった。ちょっと、残念じゃな。しかし、対峙して分かったがこやつは昔と比べて、全く隙がなくなったわ。
冥夜と比べる必要も無いほど強くなりおった。
恐らく、相当の修羅場を潜り抜けたのだろう。
本人はが、意図的に隠しておるのだろうが、僅かながらに気の力を感じる。気の使い方も完璧に修得したのだろう。悠斗に聞いたら、修行をつけてくれた師匠がおったそうだ。良い師に恵まれたようじゃな。
今、ワシが悠斗と仮に戦ったとしたら、恐らく負けるであろうな。
それくらい強くなった。しかし、あ奴はこんなにも鈍い男だったか?
月詠が向けている熱視線に、全く気付いておらん。まあ、良いか。当人同士の問題じゃしな。
少しの間、悠斗と話をしておると月詠が腕時計を確認した。
「紅蓮大将。そろそろ、お時間がありません」
「おお!もう、そんな時間か」
月詠がそう言うまで、すっかり忘れておった。悠斗は、煌武院悠陽殿下に呼び出されて、帝都城に来ておるんじゃった。
「悠斗よ。共に着いて参れ」
「はい。分かりました」
悠斗達と共に、歩みを進める。暫く進むと、大きな扉が見えてくるのだった。
紅蓮sideout
悠斗side
紅蓮大将、月詠大尉と共に帝都城を更に進むと、大きな扉が見えてきた。恐らく、あの扉の向こうが謁見の間なのだろう。扉の前まで進み、一旦止まる。
「着いたぞ。此処が、謁見の間じゃ」
「ッ」
流石に緊張するな。オルタ本編では、相当凛々しい感じだったからな。
何せったって、クーデターを起こした沙霧大尉を自分で斬りに行こうとする位の方ですからね。
「武御雷をもて!」て、言うシーンは、マジで驚いたよ。
「悠斗、余り緊張するでないぞ。自然体で行くのじゃぞ」
紅蓮大将に、気を使われてしまった様だ。
(確りしろ!帝都城の雰囲気に飲まれて、どうする!)
危うく、ガチガチになるところだった。
「ありがとうごさいます。大丈夫です」
「行くぞ」
大きく扉が開け放たれる。謁見の間に入ると、奥の方に階段が有り、その一番上に大きな椅子がある。その椅子の上に、原作通りクーデター終了後にしていた簪(かんざし)を、頭に着けた正装で座って居る、煌武院悠陽殿下が居た。煌武院悠陽殿下の元まで進み、方膝を着いて臣下の礼をとる。因みに、月詠大尉と紅蓮大将は、階段の前で左右に立っています。中に入るときは、一緒でしたが入ったら護衛の為に、左右に立って待機しています。
「煌武院悠陽殿下。此度の拝謁の栄誉を賜り、真に恐悦至極にございます」
「面を上げてよい」
「はっ」
煌武院殿下に言われた通り、顔を上げる。殿下の隣に、原作に居た従順長が立っていた。
「不動悠斗准将。此度は鉄原ハイブの間引き作戦に向けて、準備がお忙しい所をお呼び出しして申し訳ありません」
「殿下。その様なお言葉私めには、勿体ないお言葉であります」
「不動准将。その様な、堅苦しい言葉使いをせずに、昔のように悠陽と呼んでくださいませ」
そう言えば、煌武院殿下は幼なじみだったな。しかし、馴染みが無いとはいえ政威大将軍は、この世界では日本帝国の国務全権代行だったはず。安易に呼び捨てして良いのか判断に悩む。
「殿下、戯れは其ほどに。私めは今、国連に属する者です。その様な者が殿下を呼び捨てして、良いわけがありませんか」
流石に国連所属の人間が、日本帝国全権代行である政威大将軍を呼び捨てしたら、怒られるじゃすまないだろう。
「悠斗殿。どうか殿下の言われた様に、呼び捨てしてもらえませんか?」
横に居る、従順長までそう言ってきたよ。
(あれ~?確か、クーデターの時には呼び捨てした白銀に、無礼者扱いしたのに何で今は良いんだ?)
「悠斗よ。今はワシと殿下と従順長と月詠しかおらん。安心せい」
紅蓮大将からも、擁護するような発言を受けた。
(ああ。俺が国連所属であることに、気をつかっていると思われているのか。なら、お言葉に甘えますか)
下手に拗らせて外交問題になったら、それこそ大変だからな。だから、ネズミ掃除はしないとな。
「分かりました。ですが、その前に確認したいのですが、今この部屋には私を含めて、5名ですよね紅蓮大将?」
「うむ。5名だけだ」
良し。言質は取った。ならば、掃除をするか。
俺は臣下の礼を解き立ち上がる。左手の中に短刀を、創造する。無論皆に見えない様にする
「どうされました?」
殿下の問いに答えずに、短刀を壁に向かって投げる。
ヒューン
カツ
「ッ!」
短刀が刺さった壁が捲れて、トレンチコートを着た男が現れた。
「こう言うことです」
「まさか、私の存在に気付くとは流石だね」
「「「「な?!、よ、鎧衣課長!!」」」」
帝国情報省外務二課長鎧衣左近さんです。神出鬼没で有名でマイペースな性格なんだよな~。こう言う渋い大人になりたいもんだね。
「しかし、何故私の存在に気が付いたんだい?」
「この部屋に入ってから、視線を感じてな。其れで気付いたんだよ」
「ハハハ!まさか、私の視線に気付くとは恐れ入った」
「鎧衣。何故この場に居ったのですか?この謁見は内密に行う予定でしたのに」
「いやはや、偶々廊下を歩いて居たら、偶然聞こえましてな。なら次いでに、不動悠斗准将と言う人間を見ておこうと思いましてね。講して内密に隠れて居ました」
鎧衣課長がこうなった理由を説明するが、全員あり得んなと言った表情だ。
「鎧衣、此処で話す話は、他言無用ですよ」
「分かっております殿下。流石に帝国に害になるような事は話しません」
流石は鎧衣課長。帝国が不利になるような事はしないか。
「申し訳ありません、悠斗兄様。臣下の者が迷惑をかけました」
「良いですよ悠陽。最後に会ってから、9年位になるのか」
いや、実際は知りませんけどエクストラ編の3歳時の冥夜が、あれだけ可愛いのだから、六歳時の悠陽殿下だって可愛いに決まってる。
「そうですね。悠斗兄様がまだ日本に居られた時に、煌武院家でお会いして以来ですから」
「あの頃の悠陽は小さくて可愛かったが、今の悠陽は大きくなって、美人になったね」
「嫌ですわ悠斗兄様。そんな事など言っては、真耶さんに怒られますよ」
「いやいや、悠陽が美人になった事を誉めただけで、真耶さんが怒るとは」
「悠斗?貴様は私の婿になる男なのに、殿下まで口説くのか?」
黒いオーラを全身から発生させて、とても良い笑顔を真耶さんが居た。
他の男たちは震えていた。
「おいおい。妹みたいな悠陽の成長を誉めただけで、口説いてなんかいないぞ」
いくらなんでも言いがかりだ!煌武院悠陽殿下に失礼だろ。大体悠陽は、白銀ハーレムの一員だから守る対象であって、恋愛の対象にならないからな!
「あら、残念ですわ。私こう見えても一途な女ですのに、悠斗兄様は私とはお遊びだったのですね?」
行きなり泣き真似をする悠陽。月詠大尉からの黒いオーラが更に増える。
「そこ!勘違いされる様な事を言うな!そして真耶さん!その物騒な物をしまってくれ!」
「何が、物騒な物なのだ?」
いや、真耶さん。貴女の右手に持っている銃は明らかに、物騒な物ですよね?しかも、俺の額に照準が向いてますよね!
いやまあ、避けられますけど殿下の前で、刃傷沙汰はご法度なのでは?
「悠陽殿下、お時間がそろそろ近づいております」
「まあ、もうその様な時間ですか。楽しい時間は過ぎるのが、早いのですね」
どうやら、煌武院悠陽殿下の、次の予定が近づいているようだ。
月詠大尉が銃をしまう。俺は煌武院悠陽殿下の方に向きなおす。
「悠斗兄様。お時間が近づいておりますので、簡単に申し上げます。此度の間引き作戦のご成功を、お祈りしております。作戦の成功が帝国の平和に繋がりますので、どうかご武運を」
「は!ありがたきお言葉を頂戴致しましたので、私のもてる全ての力をもって、必ずや勝利をお届けします」
再び臣下の礼をとる。
「悠斗兄様、また日本に来られる時はどうか、顔を見せに来てください。悠陽めは、たまには悠斗兄様に会いたいと思いますので。では、失礼致します」
煌武院悠陽殿下は脇のドアから退室されて行った。
「では、私も仕事に戻るとしよう。所詮しがない貿易会社の社員だからね」
鎧衣課長も帰るようだ。
「鎧衣課長も気よつけて、帰ってくださいね」
「ハッハハハ。不動准将も、後ろから刺されないようにな」
「いや、刺される理由が分かりませよ?」
ハアーと、鎧衣課長がため息を吐いた。
「君はどうやら、鋼入りの男のようだね。月詠大尉も大変だな」
「ええ。とても大変です」
何やら、二人は分かりあっているようですが、俺は全く分かりません。紅蓮大将は、苦笑いしているだけですしね。
「それでは、また何処かで会おう」
それだけ言って、鎧衣課長は出ていった。
「なら、俺も基地に帰るとしよう」
「なら、基地まで送らせよう。待っていてくれ」
月詠大尉が運転手を、呼びに行こうとします。
「待て月詠よ。ワシが手配しておこう。貴様は悠斗を出口まで連れて行ってくれ」
「よろしいのですか?」
「構わぬ。悠斗よ、また今度来るときはワシと勝負しようぞ」
「分かりました。今度帝都城を訪れるときは、是非とも手合わせ願います」
紅蓮大将とは、一度手合わせしてみたかったんだよね。マスターアジア師匠並に強いはずだから、楽しみだな。
「良い返事じゃ。じゃあワシは失礼する」
紅蓮醍三郎大将も出ていった。残ったのは、俺と月詠大尉の二人になった。
「とりあえず、出口に向かおうか」
「そうだな。そうしようか。ただし」
行きなり真耶さんが、俺の左腕に抱きついた。ふくよかな膨らみが、腕に当たります。
「此れくらいは、良いだろう?」
顔を赤くした真耶さんが居た。真耶さん見たいな美人に抱きついてもらえるなんて、役得ですね。
「良いですよ。では、行きましょう」
そのまま、謁見の間を後にした。俺の腕に抱きついた真耶さんは、出口に着くまで終始ご機嫌だった。なんか、良いことがあったのかな?
悠斗sideout
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