遊戯王 最小の可能性~小さいって言うな!~
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入学試験
とあるスタジアムで大勢の観客の前で二人のデュエリストがデュエルをしていた。
片方は体の大きな大男で見た目もかなり厳つい。
そしてもう片方は全身黒い服の男だった。
「これでとどめだ!俺は手札から おじゃまデルタハリケーンを発動する!俺の場にはおじゃま3兄弟がいるので発動が出来る!このカードは相手のフィールドのカード全てを破壊する!」
「くそ!俺のフィールドのバーバリアンキングと伏せカードが!!」
「更にいくぞ!俺は手札から 右手に盾を左手に剣を 発動する!このカードの効果によりおじゃま3兄弟の攻撃力と守備力は入れ替わる!」
「そしてバトルだ!いけおじゃま3兄弟!ダイレクトアタックだ!これで貴様のライフポイントは0だ!」
「ぐはぁぁぁぁ!!」
LP3000→0
『ついに結果だぁぁぁぁ!!流石は万丈目選手!見事となコンボにより勝負を決めた!!実に見事な勝利でしたね。万丈目さん。』
「おいおい、俺の名前は……1!」
彼がそう言うと周りで彼を見ていた観客は彼の掛け声と共に声を張り上げながら共に彼の代名詞とも言えるセリフを言った。
「「「「10 !! 100 !! 1000!!」」」」
「「「万丈目サンダー!」」」
「万丈目サンダーさん!何か一言お願いします!」
テレビ局のアナウンサーが彼に聞くと彼はアナウンサーが持っていたマイクをひったくって言い始めた。
「実は俺には子供がいましてね。その子供が将来俺を倒すようなプロデュエリストになると言ってましてね。俺はあいつの親父としてもそれまでは胸を張ってアイツに自慢出来るような父親でいたいんですよ!」
「なるほど!そう言う事ですか!今日はいつにもまして気合いが入っていたのもそれでですか?何か子供さんに伝えたい事でもありますか?」
「そうだな。おい!見ているか?俺はプロとしていつまでも活躍して見せる!だから、お前も早くデュエリストとして力をつけて同じ舞台に上がっていこい!俺はいつまでも待っているぞ!」
「ありがとうございました。万丈目サンダーさん」
アナウンサーの言葉を最後に朝のニュースに切り替わった。
私と母は二人で朝食を食べながらテレビを見ていた。
「まったく、あの人は本当にやることが派手なんだから」
「まぁ、それも父さんらしいね」
「そうね。あの人は学生時代からあんな感じだったから変わって無いやね」
「へぇ~。父さんは学生時代もそんなだったんだ」
「そうよ。まぁ、彼とも色々あったけどね。私の兄さんが彼に色々と変な事も教えたりしていたけど」
「へぇ~。そういえばおじさんも強いよね」
「今は世界を渡り歩いているけどね。でも、あなたはそんなにのんきにしているけど大丈夫なの?今日は試験の日なのにデッキの確認とかしなくても大丈夫なの?」
「大丈夫!父さんより強い試験官じゃないければ余裕だよ!」
私はそう言って朝食をすませた。そして、支度を始めた。
私は万丈目 瑞季。
今年の春から高校1年生!
今日は私の夢への第一歩であるデュエルアカデミアの入学試験である。
まぁ、入学試験と言っても今回のは実技試験。前回に行われた筆記試験の成績が良ければ余程の事が無い限り落ちることは無いらしい。
私は長い髪をたなびかせながら、自転車で走ってきた。
「はぁ~。ここが試験会場か!」
私が自転車を必死にこいできたのはデュエルアカデミアの試験会場。
ここでこれから私も試験を受けるらしい。
私は受付も早めに済ませるてデュエルをしているグラウンドの方を見た。
すると、そこでは受験番号が遅い人からデュエルを行われていた。
因みに、この番号は筆記試験の順位らしい。
私は8番だからそこそこによさそうだ。
私がぼんやりとデュエルを眺めていると横に二人の男女が現れた。
「隣で見てもいいかな?」
「私も良いですか?」
「いいよ。ちょっと話もしたいし」
私がそう言うと隣に男の子と女の子は座った。
「えっと。二人ともお名前は?」
「僕は新月 零です。良かれと思って挨拶をさせてもらいます」
「私は芳乃 シャルルです。よろしくね。あなたのお名前は?」
「私は万丈目 瑞季です。よろしくお願いします」
私がそう名乗ると新月君もシャルルさんも驚いていた。
「もしかして!君ってあの万丈目サンダーの関係者?」
新月君は驚きながら聞いてきた。
「そうだよ。私はあの万丈目サンダーの子供だよ。でも、だからって色眼鏡で見ないでよ」
私がそう言うとシャルルさんはニコリと笑って
「分かりました。なら、瑞季さんって呼ぶね」
そんな風にシャルルさんや新月君と話していると遂に私の出番になった。
「じゃあ。やってきますか!」
私が試験用のデュエルフィールドに立つと目の前には先生が立っていた。
おそらく、あの試験官の先生とデュエルをするのだろう。
「さぁ、試験を始めましょう!全力で来なさい」
「「デュエル」」試験官・瑞季LP4000
デュエルディスクには先攻という表示が出たので私の先攻だ。まぁ、私はあまり後攻は好きではないので嬉しいのだが。
「私のターン。私はモンスターをセット。更にカードを1枚伏せてターンエンドです」
最初のターンは王道な当たり障りの無いプレイでいった。
「なるほど。では、私のターン。ドロー!私は手札から サイクロンを発動する!このカードにより君の伏せカードを1枚破壊する」
私の伏せカードであった くず鉄のかかしは破壊せれた。
「なるほど。くず鉄のかかしは良い防御系のカードだな。しかし、私にはその程度では通用しないぞ!私と手札からマジックカード 融合を発動する!」
通常魔法カードの融合。かなりポピュラーなカードであり、それは単純であり協力なカードでもある。
「私は手札のEーHERO フェザーマンとEーHERO バーストレディを融合。現れろ!EーHERO フレイム・ウィングマン!」
「いきなり手札融合か!フレイム・ウィングマンは攻撃力2100!」
「そうだ!しかし、それだけではない!私はフレイム・ウィングマンで君の裏側守備力表示のモンスターを攻撃する!」
私の場にいたモンスターは攻撃を受けて表側表示になり、バトルで破壊された。すると、周りからは驚きの声が出ていた。
「アンサイクラーだと!」
「通常モンスターのしかも攻撃力も守備力も100のカードをデッキに入れるなんて正気かあの女!」
「可愛いモンスターだ!頑張れ瑞季さん!」
などと見ている人間はさまざまな発言をしていた。シャルルさん応援ありがとう。
「君!何故そんなカードを!私を、いや試験をなめているのか!」
その試験官の発言にカチンときた。私は本気でこのモンスターを信用しているのにそんな事を言うとは。
「別になめてはいませんよ!それに先生こそ油断していると足元をすくわれますよ!」
「ふん!言っていろ。デュエルを続けるぞ!私はフレイム・ウィングマンの効果発動!このカードは戦闘で破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを相手に与える。まぁ、100のダメージなのだが。受けてもらおうか!」
瑞季 LP 4000→3900
「そして、私はターンエンドだ」
「では、私のターン。ドロー!私は手札から金華猫を召喚!そしてこのカードの効果発動!私は墓地からアンサイクラーを攻撃表示で特殊召喚する!」
「なるほど!同レベルのモンスターが2体並んだということは、エクシーズ召喚か!」
「はい!その通りですよ先生!私はレベル1の金華猫とアンサイクラーでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚。現れろシャイニート・マジシャン!守備表示ですけどね。そしてカードを2枚伏せてターンエンドです」
「私のターンだ。ドロー。なるほど確かにシャイニート・マジシャンは強力な壁となるモンスターだ。しかし突破する方法が無いわけではない。私は手札から 速攻魔法禁じられた聖杯を発動!このカードはモンスターの攻撃力を800上げる代わりにモンスターの効果を無効にするカード。私はシャイニートなの効果を無効にする!」
「甘いですよ先生!私はシャイニートマジシャンの効果発動!私はオーバーレイユニットを1つ使って効果発動!1ターンに1度このカードを対象にするカードの効果を無効にする!でも先生がそんな事を知らない訳ないからプレイングミスですか?」
「いや、私は無効にされるのも読んでいたさ。私は手札から 地割れを発動する!相手のフィールドにいる攻撃力が一番低いカードを破壊する。君の場にはシャイニート・マジシャンしかい無いためにシャイニート・マジシャンを破壊する」
なるほど、シャイニート・マジシャンの効果は1ターンに1度しか発動出来ないから 禁じられた聖杯を囮にして地割れを発動したか。
流石は先生だな。
「更に、私は手札からEーHEROスパークマンを召喚する!そして、ダイレクトアタックだ!」
「くっ!」
瑞季 LP 3900→1800→200
「これで私はターンエンドだ。さぁ、君もいい加減に本気を出したらどうなんだ!さっきからレベル1のモンスターしか出していなが少しはマトモなモンスターを召喚したらどうだね?」
「先生、それは無理な相談ですね。何故なら私のデッキにはレベル1のモンスターしか入ってませんから」
私のその発言に周りではざわざわとしていた。
相変わらずシャルルさんと新月君はこちらを応援してくれていた。
まぁ、対戦相手の先生はかなり怒っていた。これは試験に響くかな?しかし、ここまで来たのだから全力で勝ちにいこう。
「さぁ、ここからは私のファンサービスの始まりです。私のターン。ドロー!私はバットを召喚!」
『攻撃力300のモンスターを攻撃表示で召喚だと!』
『あの女狂ってるのか!』
『勝負を捨てたのか!』
などと散々に言われていた。一部気になる発言もあったがスルーして………。
「私は更に永続トラップ リミットリバースを発動!このカードは攻撃力1000以下のモンスターを1体墓地より特殊召喚する!再び現れろアンサイクラー!」
「2体のレベル1のモンスターを呼びだしたか
。またシャイニート・マジシャンをエクシーズ召喚して守りに徹するつもりか!」
「いいえ、先生。このターンで決めにいきますよ!私はトラップ発動!同姓同名同盟。このカードはフィールドのレベル2以下の通常モンスター1体を選んで発動!そのモンスターと同名モンスターをデッキから可能な限り特殊召喚する!現れろ2体のアンサイクラー!」
私の場には4体のモンスターが並んだが先生はまったく動じていない。まぁ、レベル1のモンスターだとなめているのだろ。
それが敗因になるとも知らずに。
「そして私は手札から トライアングルパワーを発動!このカードは全てのレベル1通常モンスターの攻撃力を2000ポイント上げるカード!これでバットの攻撃力はフレイム・ウィングマンを上回る!」
アンサイクラー 100→2100
バット 300→2300
「バトルです!バットでフレイムウィングマンに攻撃!」
フレイム・ウィングマンはバットにより破壊されていった。
試験官 LP4000→3800
「更にアンサイクラーでスパークマンを攻撃!」
スパークマンもアンサイクラーによって戦闘破壊された。
「くっ、私のHERO達が!負けるだと!」
試験官LP 3800→ 2200
「これで止めだ!2体のアンサイクラーでダイレクトアタック!」
「ぐわぁぁぁぁぁ!!」
試験官 LP 2200→0
デュエルが終わると私のところまで試験官の先生が歩いて来ていた。
「先程はすまなかった。失礼な事をした。素晴らしいデュエルだったよ。試験結果までは規定で教えられないが合格の可能性は高いだろう。ぜひ、我が高に来てデュエルの腕を高めてくれ」
そう言って試験官が握手を求めてきたので私はそれに応じて握手をした。そして試験官かま立ち去ると私の体から力が抜けていった。
しまった………、忘れていた。私は握手したらダメなんだった。
私はその場に倒れて気を失った。
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