転生とらぶる
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マクロスF
0701話
娘娘での歓迎会の翌日、俺の姿はS.M.Sの宿舎にあった。
何だかんだで昨日は……より正確には今日の朝方まで騒いでいたので、微妙に眠気を感じている。アルト達は大人しく学校に向かったが……居眠りとかしなければいいんだけどな。いやまぁ、居眠り程度しても既に就職先が決まっている以上は、特に意味はないのかもしれないが。
まぁ、とにかく。そんな学生組とは違い、幸い外見が15歳であっても俺は学校に行く必要は無いので、自分の部屋で十分に睡眠を取れるのだった。
……そう、取れる筈だったのだ。眠っている時に携帯が着信音を鳴らさなければ。半ば寝ぼけたままで携帯へと手を伸ばす。
「ったく、誰だよこんなに朝早くに……」
自分でも分かる程の不機嫌な声。だが、電話の向こうから返ってきたのは、そんなのは全く関係無いと言うような声だった。
『あら、あたしが電話してあげたんだから、男なら喜びなさいよ』
「あー……誰だ……?」
頭が働いていない状態だったのでそう返したのだが、何故か電話の相手はそれが気に食わなかったらしい。
『ちょっと、あたしよあたし! あんたねぇ、あたしが誰か本当に分からないの!? あたしの胸を生で見ただけじゃなくて色々と悪戯した癖に』
「あー……ああ、ああ、ああ。……シェリルか。お休み」
電話の相手が誰か分かった瞬間、そう告げてそのまま通話を終了してベッドに横になり……
ピピピピピピ、と再び携帯から着信の音が聞こえてくる。
どうせシェリルだろ。今はとにかく眠いからまた後でな。
そう思って無視していたのだが、携帯の音が止む気配は一向にない。いっそのことマナーモードにしようかと思って手を伸ばすが、間違って通話ボタンに触ってしまったのが運の尽きだった。
『ちょっと! あたしからの電話を無視するとか何考えてるのよ!』
「悪いが、今日はちょっと眠いんだよ」
『いいの? 電話で連絡が取れないようなら、あたしが直接S.M.Sに出向く事になるんだけど』
……それは拙い。さすがに俺でもシェリルの人気がどれ程のものかは理解している。そんな状況でS.M.Sに銀河の妖精が来ようものなら、色々な意味で拙い事態になるのは間違い無い。
しょうがないので、溜息を吐きながら相手をする事にする。
「分かった、分かったよ。……大体、何で俺の連絡先を知ってるんだ? 教えた覚えは無いんだがな」
『ふふんっ、グレイスに調べられない事はないのよ』
得意気にそう告げてくるシェリルだが、もしかしてS.M.Sのコンピュータに侵入したりはしてないだろうな?
「まぁ、とにかく。色々と忙しい銀河の妖精が、俺に何の用件だ?」
『あ、そうそう。ちょっと表に出て来なさいよ。話したい事があるから』
「話したい事? 別に電話ででもいだろ?」
『直接会って話したいのよ。それにほら、あたしと会えるんだからもっと喜びなさいね。こんな事、滅多に無いんだからね』
ふふんっ、と笑っている声が電話越しに聞こえてきて思わず溜息を吐く。
部屋の時計へと目を向けると、何だかんだで3時間程度は眠っていたみたいだし……ま、起きるとするか。
「分かったよ。で、どこに行けばいいんだ? まさか本当にS.M.Sに直接来るとか言わないだろうな?」
『分かればいいのよ。そうね、渋谷エリアの駅で待ち合わせにしましょ。時間は……そうね、今すぐよ』
「あー、分かった分かった。すぐだな、すぐ」
『そうよ。あまり待たせて、変なナンパとかに引っ掛かったら許さないんだからね!』
その言葉と共に通話が切れる。
溜息を吐きながら出掛ける準備を整え、外へと向かう。
さすがにまだ朝も早いらしく、遊びに出掛けているような者達は少ない。
とは言っても、渋谷エリアまで行けば当然その手の連中もいるんだろうが。
にしても、何だって銀河の妖精ともあろう者が俺なんかに連絡してくるかね。遊ぶ相手が欲しいなら、幾らでもいるだろうに。
「ま、悪い気分はしないけどな」
食堂でおにぎり数個を詰め込むようにして口の中に入れ、お茶で流し込む。
色々と物足りないが、それに関しては買い食いでもすれば問題無いだろう。
「じゃ、行くとしますか」
呟き、S.M.Sの宿舎を出るのだった。
「えっと、シェリルは……」
渋谷エリアの駅に降り立って周囲を見回すが、当然あの特徴的なストロベリーブロンドは見えない。と言うか、さすがにシェリル程の有名人が変装もしないで来る事はないだろう。実際、何度か街中で会った時は変装してたんだし。
そう思っていると……
「だーれ……きゃっ!」
突然背後から近づいて来た気配に、思わず振り向く。するとそこには、今にも俺の目を背後から覆い隠そうとしていた1人の姿があった。
以前にも何度か見たように大きめのサングラスで目元を隠し、髪を帽子の中に収めて見えないようにしている。
「ちょっと、何でいきなり後ろから迫ってるあたしに気がつけるのよ!」
「いや、さすがに後ろから俺の背中に意識を向けて迫ってきていれば気がつくさ。これでも軍人……いや、PMCだから傭兵なんだしな」
「そうなの? 傭兵って凄いわね。……ま、いいわ。取りあえずどこかでお茶でもしながら話しましょ。あたしとしても是非聞いておきたい事があるし」
「聞いておきたい事?」
シェリルの言葉に首を傾げつつも、朝食はおにぎり数個程度だったので何か軽く食べるというのは問題無い。と言うか、逆に願ったり叶ったりだ。
「じゃ、そうだな……あそこの喫茶店にでもするか?」
駅のすぐ側にある喫茶店を眺めながら尋ねるが、どうやらシェリルにはお気に召さなかったらしい。
「やーよ。あんな人の多いところじゃすぐにあたしの正体がバレそうじゃない」
……まぁ、確かに。
シェリルの言葉に思わず納得するも、俺が知っているアイランド1内の施設なんてギリアムに案内して貰った所や、シェリルのライブチケットを入手するべく走り回っている時に寄ったチケット売り場くらいだ。チェーン店の喫茶店とかならともかく、それ以外のきちんとした店とかはあまり詳しくはない。
だが、そんな俺の様子を見たシェリルは口元に小さく笑みを浮かべ、俺の手を引っ張る。
「安心して。別にアクセルにエスコートなんかは期待してないわよ。それにいいお店はグレイスに頼んで調べて貰っておいたしね。ほら、こっちよ」
そう告げ俺を引っ張って行ったのは、渋谷エリアの裏通りにある少し見つけにくくなっている店だった。いわゆる、隠れ家的な店って奴だな。
「ほら、あそこのお店が色々と美味しいし、落ち着いて話せるらしいわよ」
「まあ、シェリルがいいならいいんだが」
店の中は落ち着いた雰囲気を醸し出す佇まいであり、同時に今の俺のような外見の者が入るのは多少気後れするような感じの喫茶店だ。
「いらっしゃい。席の方へどうぞ」
50代程の初老の男に案内されて、席へと案内される。
さすがにまだ朝も早い――午前9時前後――だけあり、喫茶店に客の姿は殆ど無い。いや、普通なら仕事関係の待ち合わせやら、あるいは少し遅めの朝食を取っている客やらがいるんだろうが、ここは幸いシェリルのマネージャーでもあるグレイスがお薦めの店だ。そんな者達が来る事は無いんだろう。
……まぁ、そのグレイスとやらが妙にこっちの不安を掻き立てる相手ではあるのだが。
「さ、好きな物を注文していいわよ」
そう告げ、サングラスと帽子を取るシェリル。すると、帽子の中に収められていたストロベリーブロンドの髪がさらりと零れ落ちる。
って、おいおい。
「いいのか?」
「大丈夫よ。ここのマスターは一流だって話ですもの。……ですわよね?」
「ほっほっほ。確かにお客様が誰であろうと変わりません。銀河の妖精に訪れて貰えるとは光栄の極みですが」
コップに入った水を持ってきたマスターが、小さく笑みを浮かべながらメニューを差し出しながらそう告げる。
「そうね、このお店は雰囲気もいいし、また機会があったら寄らせて貰うかもしれないわ。ほら、アクセル。取りあえず何でもいいから頼みなさい。お姉さんの私が奢ってあげるわ」
「そうか? なら、クラブハウスサンドと、ピザトースト、デザートにイチゴパフェを頼む」
「……そんなに食べられるの? あたしはマスターのお勧めの紅茶をお願い」
「畏まりました。少々お待ち下さい」
小さく頭を下げて去って行くマスターを見送り、早速とばかりにシェリルが俺の方へと視線を向けて来る。
「ねぇ、アクセル。今日呼んだ理由なんだけど……」
そう言いながら、右側の髪を掻き上げるシェリル。その耳にはイヤリングが付けられている。これは……どこかで見た覚えがあるな。
「見覚え、あるでしょ?」
「確かに見覚えはあるけど……どこで見たんだったか」
シェリルの顔を見ながら記憶を辿り……
「ちょっと、間違い無く見覚えはある筈よ。実際グレイスの視覚には残ってたんだから」
「視覚? えっと、ちょっと待ってくれ。んー……ああ、そう言えば。うん、あったあった」
そう、シェリルのコンサートでバジュラが襲ってきた時の戦闘終了後に、俺の機体を整備していたルカからコックピットの中にあったってのがこのイヤリングだった筈だ。なるほど、EX-ギアを使ったアクロバット飛行でシェリルが落ちそうなって拾い上げた時にイヤリングが外れて引っ掛かってたのか。
……それを考えれば、よく無事だったよな。あの時は機体に乗り込むまでは色々とEX-ギアで動いていたってのに。
「どうやら思い出したようね。それで、あたしのイヤリングはどこにあるのかしら?」
「あー、確か落とし物としてS.M.Sの部署に預けたと思うから、恐らくそっちじゃないか?」
「……じゃあ、早速電話して確認して頂戴」
「今からか? いや、まぁ、いいけどよ」
シェリルの必死な様子に首を傾げながらも携帯を取り出してS.M.Sへと連絡を入れる。だが……
「悪い、担当が今日は休みみたいだ」
「ちょっと! それは無いでしょ! そこにあるって分かってるんなら、取りに……いえ、いいわ。あたしが直接出向くから」
「待て待て待て。何だってそんなに急いでるんだ? 明日には出社してくるんだろうから、その時に俺が受け取ってお前に返すよ」
「……時間が無いのよ」
俺の言葉に、物憂げな溜息を吐きながらそう告げる。どうやら訳ありらしいな。
「お待たせしました」
その言葉と共に、サンドイッチとピザトーストが俺の前に、シェリルの前には紅茶がそっと差し出される。
「イチゴパフェに関しては、食後にお待ちしますがよろしいですか?」
「ああ、そうしてくれ」
「では、ごゆっくりどうぞ」
優雅に一礼して去って行くマスターを見送り、サンドイッチに手を付けながらシェリルに話の続きを促す。
「で、時間が無いってのは?」
「……来週には、ギャラクシー船団に帰らなきゃいけないのよ」
「……なるほど」
考えて見れば、ライブツアーとしてフロンティア船団に来た以上は自分の故郷であるギャラクシー船団に戻るのは当然なんだよな。何だかんだでシェリルとは妙に遭遇する事が多かった為、そういうのをすっかり忘れてた。
だが、なるほど。確かに来週帰るとすれば自分のイヤリングは早い内に返して貰いたいと思うのは当然か。
「それに……あのイヤリング、大事な物なのよ。そう、とても大事な……」
「ふぅ、分かったよ。お前が帰るまでには何とかしてイヤリングを返しにいくから、今日は何とかそれで納得してくれ。俺に出来る事なら何でもするから」
「……」
俺の言葉を聞きながらも、物憂げな表情で紅茶を口へと運ぶシェリル。そのままカップをテーブルの上へと置き……
「何でも言う事を聞くって言ったわね?」
口元に、まるでしてやったりとでも表現出来そうな笑みを浮かべて俺へと悪戯っぽい視線を向けていた。
「……おい、もしかして今までのは全部嘘か!?」
「まさか。本当よ? このイヤリングが大事なのも。けど、アクセルがそう言うんなら嘘は吐かないでしょ。きちんと私の手元にイヤリングが戻って来るのは間違い無いでしょうしね」
「何でそこまで俺を信用出来る? 実際に会ったのは殆ど無いってのに」
「それでも、私の直感はアクセルを信用出来るって告げてるのよ。さて、それよりも……折角だし、どこか面白い場所に連れて行って貰おうかしら。この前アクセルと一緒に行動した時はアイランド1の中だけだったから、別の場所がいいわね。案内、期待してるわよ?」
綺麗な笑みを浮かべてそう告げるシェリルに、思わず見惚れてしまうのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:41
PP:425
格闘:274
射撃:294
技量:284
防御:284
回避:314
命中:334
SP:734
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
???
撃墜数:594
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