美しき異形達
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第十七話 最後の少女その一
美しき異形達
第十七話 最後の少女
白い、純白のブレザーにプリーツスカート。ハイソックスもネクタイも白だ。まさに一面白尽くめの服だった。
その白い服とは対象的に黒く長い、絹を思わせる髪を腰まで伸ばしている。
その黒髪はゴージャスな感じでセットされている。睫毛の長い大きな瞳は二重だ。唇は小さく深紅の色だ。
白く細長い顔は整い大人びた美貌を見せている、一六七程の背で胸の大きさが目立つ。手足、特に足が長い。
その少女がだ、高い硬質の声で言ってきた。
「来ると思っていたわ」
「予想していたんだな」
「ええ、貴女達が来ることはね」
少女は微笑んでだ、薊に告げた。
「黒蘭から聞いてたわ」
「あたしも黒蘭ちゃんから聞いたよ」
「私のことをなのね」
「姉ちゃんがいるってな」
「それだけだったのね」
「ああ、それでな」
薊は笑って少女に言った。
「開陽鈴蘭ちゃんだよな」
「そうよ」
その通りだとだ、少女は答えた。
「私が開陽鈴蘭よ」
「そうだよな、黒蘭ちゃんの双子の姉ちゃんで」
「ええ、そして貴女は天枢薊さん」
「そうだよ」
薊は鈴蘭の問いに明るい笑顔で答えた。
「宜しくな」
「拳法部とモトクロス部にいるのね」
「そうだよ、何なら手合わせするかい?」
「それも面白いわね。ただ」
「あんたは剣道部だよな」
「ええ、ジャンルが違うわね」
「まあ異種格闘技も面白いよな」
薊は鈴蘭に何気に手合わせも提案した。
「それも」
「そうね、ただ」
「ただ?」
「私も貴女達とお話したかったけれど」
それでもだとだ、鈴蘭は自分がいるクラスの中を見回してから薊に言った。
「ここではね」
「ああ、ちょっとな」
「人がいるとね」
「話せないことだしな」
「場所を変えましょう」
「そうだよな、何処にするんだい?」
「時間はお昼休み、場所は喫茶店にしましょう」
「じゃあお茶を飲みながらか」
「ええ、そうしましょう」
「ではお昼にまた」
「会おうな」
薊は明るく応えてだ、そしてだった。
昼休みにまた話をすることになった、ただ別れる時に。
薊からだ、鈴蘭にこう提案した。
「ちょっといいかい?」
「今度は何かしら」
「ああ、鈴蘭ちゃん携帯持ってるよな」
「ええ」
薊の言葉に応えてだ、そしてだった。
鈴蘭は実際の制服のポケットから携帯を取り出して来た、カラーリングは白で雪の様だ。
「ここにあるわ」
「そうか、じゃあメアド交換したいけれどいいかい?」
「お昼に連絡を取る為だけではないわね」
「ああ、ついでに言えば携帯の番号も交換してな」
そして、というのだ。
「これからも連絡取らないかい?」
「いいわね」
鈴蘭はj微笑んで薊のその言葉に答えた。
「連絡が取り合うことが出来ることはいいことだから」
「そうだよな、じゃあな」
「お互いに」
「私も」
裕香もここで名乗り出た、そしてだった。
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