| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

『曹徳の奮闘記』改訂版

作者:零戦
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第三十二話

 
前書き
つぶやきにて緊急アンケート中です。 

 






 洛陽に向かう袁術軍は約十二万八千人だ。

「隊長。『例』のあれも輸送してるで」

 真桜が言ってくる。

「分かった。作業場は解体したんやろな?」

「うん。ちゃんと解体しといたで」

「それならええわ」

 もし、解体せずにあのまま放置してたらかなりのチート軍になるからな。

「……長門さん。あれは役に立つのですか?」

 同じく馬に乗っている雪風が聞いてきた。

「あぁ。防衛線にはうってつけだと思うからな」

 あれで連合軍を撃退出来たらいいけどな。

 まぁ、人海戦術で攻められたら分からんけどな。

「隊長。街は無防備にしてよかったんか?」

「仕方ないわ真桜。一応、街は警備隊がいるけどな」

 警備隊の兵士は民間人中心なため、暴動は起きないと思うが攻められたら一たまりもない。

 まぁ南陽は無防備宣言をしているからわざわざ力押しで来ないだろう。

「まぁ洛陽に着いたら防衛線の建築をしないとな」

「そうやなぁ」

 俺達は洛陽へ向かう。







 一方、無防備宣言をしている南陽に徐州から劉備達が到着した。

「……荒れ果ている光景じゃないな」

「はわわわ。袁術はそれ程暴君ではないみたいですね」

 天の御使いである北郷一刀と劉備軍の軍師である諸葛孔明が呟く。

 南陽の街は劉備達が思っていたよりかなり栄えていた。

「でも御主人様、袁術は妖術を使うと書いてたよ」

「そうだな。とりあえず、街に入って兵士を募集してみよう」

 ちなみに劉備軍は約七千しかいなかったので、出来れば兵士が欲しかったのだ。

 しかし、募集をしても兵士は誰一人志願しようとしなかった。






―――劉備軍陣営―――

「何故だッ!! 何故誰も志願に来ないんだッ!!」

「愛紗落ち着くのだ」

 激昂する関羽を張飛が落ち着かせる。

「あわわわ。街の皆さんは袁術さんにはかなり良い印象をお持ちのようです」

 同じく軍師のホウ統が言う。

「……これだと兵士の募集は無理なようだな……」

「はい………」

 こうして劉備軍は、兵士の募集を行わずに定められた集合場所に向かった。





―――洛陽―――

「袁術さん。急な同盟を締結してくれてありがとうございます」

「いや、妾らも後は引けぬのじゃ。なら味方は一人でも多い方がいいからのぅ」

 董卓と美羽は洛陽のとある屋敷で会合していた。

「早速、軍の編成だけど………」

 董卓軍の軍師をしている賈クが言う。

「前線の指揮官は王双さんがいいと思います」

 七乃が長門を押した。

「確か以前に私達の軍の張遼隊にいた副官ね。指揮官としての能力は高いのかしら?」

「王双さんは軍を率いて黄巾軍の鎮圧を指揮したりしていますので臨機応変の戦いが出来ると思います。……それに王双さんは何か切り札があるみたいで」

「切り札……ですか?」

 董卓が首を傾げる。

「はい。ですので負ける事はないと思います」

「……やけに王双を押すわね?」

「王双さんは私達を助けてくれましたから」

 七乃は賈クにそう言った。





―――シ水関―――

「長門、何だそれは?」

 防衛線の準備中に桜花が聞いてくる。

「まぁ秘密兵器だな。悔し涙をする袁紹が目に浮かぶわ。ハッハッハ」

 俺は笑う。

 その秘密兵器は青銅製と鋼鉄製だった。

「真桜。あれは作っているか?」

「はいな。現在、工作隊を総動員して作ってるで」

「よし。ならええわ」

「……何を作らせてるんや?」

 霞が聞いてきた。

「ん~、まぁ負け戦になる時に備えてな」

 俺は霞にそう言えるしか出来なかった。

 何しろ、最悪の場合は国を捨てるかもしれないんだからな。






「華琳様、連合軍集合地点に劉備、孫策などの部隊が集結しています」

 夏侯淵が曹操に報告する。

「そう……なら私達も行くわよ」

「は」

 夏侯淵が頷いた。

「……これも巡り会わせなのかしら?」

 一人になった天幕で曹操が呟く。

「まぁいいわ。そろそろ熟した果実を狩るべきね」

 曹操はペロリと唇を舐めた。

「待っていなさい曹徳……いえ、王双」

 曹操はそう呟いた。







 
 

 
後書き
御意見や御感想等お待ちしていますm(__)m 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧