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DQ4 導かれちゃった者達…(リュカ伝その3)

作者:あちゃ
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第7章:過去から未来への歴史
  第11話:テヘッ、ヤっちゃったらデキちゃった♥

(天空城)
ブライSIDE

「さぁて……もうここに居る必要って無いんだよね、僕達」
自分の用事が終わるとマスタードラゴン様達を蔑ろにする様な事を言い出すリュカ。
まぁ確かに、先程までの雑談で今回の事を語り尽くしたけど……

「みんな家に帰るんでしょ? どうせなら僕等の最後の旅として、気球で各々を送り届けようよ、順番に」
「わぁステキですリュカさん♥」
珍しく気の利いた提案をしてきたな……色ボケ中のミネアで無くとも好感度上昇するぞ。

「では……俺達はここで別れさせてもらおう」
「何でデスピー? 一緒に行こうよ。きっと楽しいよ」
もうリュカと離れたいのか、デスピーは別行動を望んでる様だ。

「お前と一緒に居たくないだけだ! それに……魔族と一緒では何かと不都合があるだろ、正義の勇者一行には」
それも一理あるな。世界を平和にした大冒険を、自作自演と疑われるのは面白くない。

「大丈夫だよ。『魔族で~す!』って言わなきゃ誰も気付かない。それに最初に赴くのはサントハイムだし……あそこはデスピーが魔族だって知ってるし。良い奴だって事も知ってるし! なにより面白い事が起きると思うからね、サントハイムでは(ニヤリ)」

「ちょっとリュカ! サントハイムで……私達の故郷で、何が起きるって言うのよ!? 世界は平和になったのよ。みんな目出度くハッピーエンドじゃない」
いや……重大な事柄が残っておる。

「アリーナちゃ~ん……君ぃ~、言ってないだろ。お父様に彼氏の事を報告してないだろ。もう○○○やりまくってま~すって伝えてないだろう(笑)」
「あっ!」
リュカが楽しそうに笑みを浮かべる中、本気で忘れてた姫様はクリフトと共に狼狽えだした。

「どうしよう……なんて言おう。何て言えば良いの? どう言えば認めてもらえるの??」
「ア、アリーナ様……しょ、正直に話しましょう。そうすれば……」
「どうかのう? 親心としては、手を付ける前に報告があったのなら納得する事も出来るだろうが、ヤっちゃったあとでは……」

「ブ、ブライ様……脅かさないで下さいよ……助けて下さいよ!」
情けない声で助けを求めるクリフト。
しかしワシは助けない。あの時、サランの宿屋で受けたワシの衝撃は計り知れないのだからな。

「そ、そうだリュカ! 助けてよリュカ! こういう事はお手のもんでしょ? こういう事の言い訳ばかりの人生なんでしょ!?」
「なんだその人生は? つーか言い訳した事ないんだけど……何時も『テヘッ、ヤっちゃったらデキちゃった♥』って言ってるから、言い訳が思い付かないんだけど」
それも如何なものかなぁ……

「言える訳ないでしょ! つーかデキてないですよ、まだ!」
出来たかどうかの問題ではないだろうに……狼狽えてるのうクリフト(笑)
そんな事を思いつつ、困惑する二人を楽しんでると……

「いや、デキてるよ。アリーナは薄々感づいてるんじゃね?」
リュカが爆弾発言投下した。
ワイワイガヤガヤざわついてた玉座の間が、一瞬で沈黙に包まれる。

「ねぇアリーナ。何となく気付いてたよね」
静寂の中、リュカに語りかけられ頬を染める姫様は、チラリとクリフトに視線を向けると腹部を擦りながら頷いた。

「ごめんクリフト、黙ってて……」
今まで見た事のない、はにかんだ表情を浮かべる姫様……
そんな可愛らしい顔を見たクリフトは、青ざめながらも笑顔で返答する。引き攣った笑顔で……

「……確かに面白そうだな。やっぱり俺達も一緒に最後の旅をさせてもらおう(笑)」
「お、デスピーも乗り気になってきたねぇ……じゃぁどっちに付く?」
(クリフト)の立場が哀れに感じたのか、場を和まそうとデスピーが話に割って入ってきた。そして、それに乗っかる様にリュカも場を盛り上げる。……しかし、『どっちに付く』とは?

「王様が『娘を傷物にしおって! こんな男は死刑だ!』とか言ってきたら、きっとクリフトもアリーナも抵抗すると思うんだよね。となると、サントハイムは内乱状態になると思うんだよね。……さて、どっちに与する?」
何だその勝手な妄想は……極端すぎるだろ!

「そ、そんな事に「私は『俺の恋路を邪魔する者は全て敵だ! キサマを殺して俺がサントハイムの王に君臨してやる!』って言うんなら、恋に生きる男っぽくてクリフト・アリーナ陣営に付くわ」
「私もマリーの意見に賛成……って事でウルフも一緒よね?」

「えぇ……俺はリュカさんと同じ陣営に付くぅ。だって敵対したくないもん、死にたくないもん!」
「じゃぁリュカがクリフト・アリーナ陣営に付けば問題ないわね……って事で私は娘と同じ陣営側よ」
「じゃぁ僕は(ビアンカ)と同じ陣営へ……で、デスピーは?」

「う~ん……そうだな「いい加減にしろ! 内乱なんて起きないわよ。お父様がそんな事言うわけないでしょ!」
「そう思うのだったら最初から正直に話せよ。何で言い訳しようと考えるんだ? 優しいお父様なら、大切な娘の穴という穴を犯されても、『愛し合った結果で~す』って言えば笑顔で許してくれるんだろ!? 僕に助けを求めるなよ」

「そ、そうよね……きっと大丈夫よね?」
一見ふざけた遣り取りの中から、親子の真理に基づく様な結論を導き出すリュカ。
その説得力に姫様も不安ながら納得する。

「だがどうかな? 俺に娘が出来たとして、例え愛し合った結果の事でも、勝手に純血を奪った奴を許すわけにはいかないが……なぁ、シン」
「そうですね……大切な娘ですからね。順序を踏んでほしいですよ! 何より“お付き合いします”って報告が先決ですね」

姫様とクリフトの表情に安堵の色が少し浮かんだのに、デスピーとシンが揃って不安を煽る事を言う。
何だかんだ言って仲が良い2人だ。

「じゃぁなんだ……お前等は事前に報告してから犯したのか? 各々の彼女の父親に、『これから娘さんを犯しま~す♥』と言ってから、思う存分中出ししてるのか?」
リュカの言いたい事は解るけど、もっとオブラートに包んだ表現にしてほしい。

「い、言ってませんよ……だって、シンシアの両親に会った事ないですから」
「俺もロザリーの親には会った事ない」
「会わなきゃいいのかよ、勝手な事をして!?」

「勝手じゃない! 会えないのだから、本人の意思を確認して了承を得たんだ」
「結局は本人(彼女)の意思が尊重されるんだろ!? 父親といえど娘を所有物と化す事は出来ない。だったら結局、父親の許しなんて事後承諾で良いんだよ! 同じ娘を持つ父親としては、事前に犯される事を聞きたくなんかない! 『テヘッ、娘さんとヤっちゃいました♥』で良いんだ……1発殴らせろとは思うが、それ以上でも以下でもない」

「で、ですが……親御さんがご存命であれば『ヤります』は兎も角、『真剣にお付き合いさせてもらいます』くらいの断りは必要ではないのですか!? 男の気配がしなかった娘から『はいお祖父ちゃん、孫ですよー』なんって報告は悪夢でしょ」

「それは仕方ないだろ……だってアリーナとクリフトが初○○○した時、親父は異空間に閉じ込められてたんだから。この世に居なかったんだよ? お前等と立場は同じだろ! それに僕としては娘の事を信頼してるから、テキちゃった報告でも受け入れる事が出来ると思う……ラダトームの王みたいに、出来ちゃった報告で取り乱す父親の格好悪さを見てるからね」

「何処だよ、その国……」と、シンの不満そうな声を無視して、リュカは優しく姫様に微笑む。
その微笑みは何よりも勇気になったのだろう。力強く頷いてクリフトと見詰め合っている。
……つーか、最初にこの問題を浮き彫りにしたのはリュカなのに!!

「だからさアリーナ・クリフト……王様には『テヘッ、ヤっちゃったらデキちゃった♥』って報告しなよ。反対はしないだろうけど、血圧急上昇でポックリいくのを見てみたい(笑)」
「な、何よ……折角いい話で落ち着こうとしたのに、不安を蘇らせないでよ!」

「そうですよ! 貴方の様にそんな事を平然と言える人間は居ませんよ。自分をスタンダードに考えないで下さい!」
とんでもない状況なのだが、リュカの発言がそれを上回る為、姫様もクリフトも冷静さを保持する事が出来ている。

「でもさ……(いず)れは言わなきゃならない事なのだから、先制攻撃は基本じゃね? 悪い事した訳じゃないんだから、正当性を主張する為に先制攻撃がベストじゃね?」
「そうだな……リュカの言う通り「リュカピーって呼べ!」……リュ、リュカピーの言う通り、主導権を握る為にも下手(したて)に出ない方が良い。と言うか、その方が面白そうだ!」

リュカの横やりにイラッとしながらも、真面目なデスピーらしからぬ提案をする。
その二人に対しクリフトは「悪魔かお前等は!?」と怒鳴り頭を抱える。
だが、二人は……

「魔族です」
「その子孫です」
と悪びれる様子も無く言い、我々を気球の下へ移転する様マスタードラゴンへテキパキと指示を出す。

「何か、そっちは面白そうだな……」
と、マスタードラゴンの呟きを耳にしながら、天空城から去る我ら……
我がサントハイムはどうなってしまうのだろうか?

ブライSIDE END



 
 

 
後書き
遂にきました190話。
前作「リュカ伝その2」の193話まで、あと少し。
大台の200話まで、あと10話ですぜ!
でももう冒険は終わっちゃったし、200話は無理かな~?
頑張ればいけるかな~?

うん。つー訳でラストスパートいきますよ! 
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