転生とらぶる
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マクロスF
0694話
「アラームだとっ!」
オズマが突然格納庫の中に鳴り響いたアラームに声を上げるが、次の瞬間には格納庫中に……否、恐らくS.M.Sの施設全てに通信が流れる。
『コードビクター。繰り返す、コードビクター発生。戦闘要員は直ちに出撃準備を整えて下さい。敵は昨日の残党でアイランド3からアイランド1に向かって来ているとの事です』
その放送を聞くや否や、格納庫に残っていた他の小隊のパイロット達は自分の機体へと、そして整備員達もまた同様に機体の出撃準備を整えるべく散っていく。
そんな中、俺もVF-25Sに向かおうとして……先程ルカに言われた事を思い出す。
「ルカ、俺の機体は……」
「駄目です。出撃出来ません。損耗度の高いパーツを優先して交換していきましたが、それでもまだ半分も終了してません。……損耗が大きかったという関係で他の機体よりも後回しにしたせいですね」
申し訳なさそうに頭を下げるルカだったが、今回の件に関して言えば別にルカが悪い訳じゃ無い。
「オズマ、代替機は……」
近くにいるオズマへとそう声を掛けたその瞬間。
「ノリでほざいてんじゃねえっ!」
そんな怒声と共に、アルトの頬を殴りつけるオズマ。
アルトが出撃させろとでも言ったのか? いやまぁ、直情気味な性格のアルトならそう言ってもおかしくは無いと思うが。……じゃなくて。
「おい、オズマ。俺の機体は出撃出来ない。どうする?」
「代替機は……いや、そんな余裕は無いか。しょうがない、今回は出撃するな。慣れていない機体で出撃するのはお前にとっても危険だろうし、貴重なVF-25をこれ以上損傷させるのも嬉しくない。……そうだな、アクセル。お前はこのお客さんを外に連れて行ってどこかのシェルターにでも案内してやれ」
「俺はっ!」
そんなオズマの言葉に言い募ろうとするアルトだったが、再びそこにオズマの怒声が響く。
「黙れ素人! お前の勝手な行動でこっちに迷惑が掛かるって言ってるんだよ! 悲劇の主人公を演じるのも大概にしろ!」
「ぐっ!」
オズマの言葉に、それ以上何を言うでもなく黙り込むアルト。実際にVFを操縦出来たからこそそんな風に拘るんだろうな。
「ほら、行くぞ。とにかくここにいても邪魔になるだけだ。今日のところは大人しくオズマの言葉に従っておけ」
実際にアルトの事だからオズマが言うようにノリでVFに乗せろと言っている感じが強いんだよな。S.M.Sに所属するという事がどういう意味なのかを理解した上での行動なら、俺としては文句は無いんだが……
「分かったよ。外に行けばいいんだろ。アクセル、別にお前が一緒に来る必要は無い。俺に構わないでいいから、あの虫共に対処しろよ」
差し出した俺の手を取らずに立ち上がったアルトは俺にそう言ってくるが……
「さっきのルカの言葉を聞いてなかったのか? 残念ながら俺の機体はオーバーホール中だ。どんなに頑張っても今からじゃ出撃出来ないんだよ」
「はぁ? 新型機のVF-25だってのに、何でオーバーホールなんか」
信じられない、といった風に俺を見てくるのだが……
「アクセル! とっととそいつを外に連れて行け! 格納庫の中を素人がウロウロしてたんじゃ、危なくてしょうがないからな!」
オズマにそう怒鳴られ、俺は溜息を吐いてアルトに視線を向ける。
「って事だ。色々と言いたい事はあるだろうが、取りあえずは外に行くぞ。ここにいて他の奴等の邪魔になるのは本意じゃないだろう? お前が出撃を邪魔したせいでフロンティア船団の住民に被害が出ました、なんて洒落にならないだろうし」
「……分かったよ。今はお前の言う事に従っておく。ったく、俺よりも年下の癖に随分と場慣れしてるんだな、お前は」
小さく溜息を吐くアルト。
まぁ、実際オズマがここまでアルトにきつく当たるってのは覚悟云々、ノリ云々ってのもあるんだろうが、間違い無く妹を巻き込んでしまった事に対する怒りみたいなものも少なからずある筈で……そんな状態なだけに、俺が多少フォローしておいた方がいいのは事実だろう。特に、もしアルトがこのマクロスフロンティア(仮)の主人公である場合、間違い無く俺達に関わってくるんだろうし。
「それに、実際オズマの言ってる事も正しいのは自分でも分かるだろ? お前が碌に訓練をしていないのは事実だ」
アルトを格納庫の外へと連れていき、通路を歩きながらそう告げる。
「けど、俺はきちんと学校でも……」
「それが甘いんだよ。確かに学校の勉強は大事だろう。基本的な事は大概学べるしな」
「なら!」
俺の言葉に言い募ろうとしたアルトだったが、そこに手を出して言葉を止める。
「思い出せ。昨日戦った相手が、そんな基本でどうにか出来る相手だったか?」
「ぐっ、そ、それは……」
「お前が習ってきたのは、あくまでも基本に過ぎない。同じ人間や、あるいははぐれゼントラーディ相手なら渡り合う事も可能かもしれないが、あんな生物兵器か宇宙怪獣のような相手に基本だけでどうにか出来る訳がないだろ? 実際、その基本を修めた新統合軍のパイロットはかなりの被害を受けたようだしな」
「……ちっ、分かったよ」
「もしそれでも戦いたい、戦える、そんな気持ちになったんだったら……改めてS.M.Sに入るというのはありかもしれないがな。そうなればミハエル辺りが喜んで訓練メニューを考えてくれるだろうさ」
「ミハエルの奴にか。……とんでもないメニューを作られそうだな」
うんざりとした表情で溜息を吐くアルト。そんなアルトの様子を見ながら、ふと何で自分が偉そうに説教をしているのかを思う。
そもそも、純粋にVFについての知識という面で考えれば俺は1月弱しか経験していないのだ。アルトよりも余程知識は浅いだろう。
……まぁ、その分経験という意味では比べるべくもないんだろうが。
そんな風に話をしながら通路を歩き続け、やがてS.M.Sの建物の外へと出る。
「避難警報は……まだ出てないのか?」
唖然とした表情で呟くアルト。もし避難警報が出ていれば、その旨をアイランド1内に放送で知らせているだろう。だが、それが無いということは即ちまだバジュラの再襲撃が市民に知らされていない証拠だ。だが避難警報が出た様子は一切なく、静寂に包まれている。
「恐らく昨日の今日だからだろうな。1度終息宣言を出したのに、翌日にすぐまた……なんて事になったら、政府の能力が疑われるとかそんな理由だろ」
「そんなもの、なのか?」
「さてな。それこそこのフロンティア船団に来たばかりの俺よりは、ずっとここで暮らしてきたお前の方が分かるんじゃないか? それよりもシェルターはこっちだ。行くぞ」
アルトを引き連れシェルターのある方へと向かっていると、どこか戸惑うような感じでアルトが口を開く。
「フロンティア船団に来たばかりって……じゃあ、お前今までは一体どこにいたんだよ?」
「さて、どこだろうな。こう見えても色々と訳あり……ん?」
エスカレーターをアルトと共に登っていると、ふとその先から声が聞こえて来るのに気が付く。それも普通の声ではない。どちらかと言えば歌といってもいいだろう。……というか、完全に歌だな。こんな非常時に誰が歌ってるんだ? そうも思ったが、良く考えたら避難警報が出てないんだから避難してなくても当然なのか。にしても、この歌声はどこかで聞いた覚えがあるような……
「歌……?」
アルトにも聞こえてきたのか、怪訝そうな感じで呟く。
「らしいな。まぁ、避難警報が出されていないんだから歌っている奴がいてもおかしくは無いだろうけど。ただ、この歌声は……」
「どうした?」
「いや、どこかで聞き覚えが……」
そう呟いた瞬間、金髪の歌姫の姿が脳裏を過ぎる。シェリー……否、シェリル・ノーム。いや、だが何だってシェリルがこんな場所にいる? 銀河の歌姫として名高いシェリルなんだし、今頃はパーティとかをしてるんじゃないか? あるいはコンサートの打ち合わせとか。
そんな風に思っている間もエスカレーターは上へ、上へと登っていき……やがて、その到着場所では予想通りの人物と、予想外の人物が存在していた。即ちシェリルとオズマの妹のランカが。
「アルト君!?」
「見つけたわよ、アクセル!」
変装のつもりなのだろう。シェリルは手に大きな帽子とサングラスを持っている。そんな2人が俺達を見て驚きの声を出し……
「ランカ」
「シェリル」
アルトと俺もまた同様にそう口に出す。
俺とシェリルが、そしてアルトとランカが思わず顔を見合わせ……次の瞬間、久しぶりに俺の中で念動力が命の危機を知らせてくる。同時に、こちらへと近付いてくる何かを感じ取り……
「2人共、こっちに降りてこい!」
空間倉庫から銃を取り出しながら反射的に叫ぶ。
「え? ちょっと、アクセル!?」
「あの、あの、え? え? ええ!?」
「アクセル!?」
いいから……来いっ!
こちらに近付いてくる幾つもの影を目にした瞬間、咄嗟に瞬動を利用してシェリルとランカの下へと移動する。
「アルト!」
後ろで何が起こったのか理解出来ていないアルトへとランカを放り投げ、俺はシェリルを抱きかかえて後方へと跳躍する。尚、この際にアルトにランカ、俺がシェリルと担当を分けたのは、お互いの膂力の関係上だ。本来であればシェリルとランカの2人を同時に持ち上げる事も可能なのだが、今の縮んでいる状態では2人同時に抱え上げるのは難しい。それ故、まだしも背が小さく体重が軽いであろうランカをアルトへと任せて放り投げたのだ。
「きゃっ、きゃああああああっ!」
「おい、アクセル!? くそっ!」
飛んできたランカを受け止めたアルト。その隣には再び瞬動を使って移動した俺の姿があり、シェリルは何が起きたのか分かっていないような表情でポカンと俺の方へと視線を向けていた。だが、それもすぐに我に返り……
「ちょっと、いきなり何するのよ!」
「お、おいっ!」
「何よ、うるさいわね!」
アルトの声にそう言い返しながら俺の腕の中から脱出しようとしているシェリルを下ろしつつ、シェルターの場所を探す
「アクセル! いきなり何なのよ!」
「バジュラだ!」
その言葉と共に俺達を覆い隠すかのように明かりが途切れ……すぐ近くには昨日倒すのに苦労した赤いバジュラと、他にも数匹の雑魚バジュラの姿が。外の景色がすぐに見えるように設計されている為か、宇宙にいる筈の赤いバジュラの姿はまるですぐそこに存在しているかのように感じられる。
だが……
「あれは、VF-25!?」
アルトの声が聞こえ、壁1枚隔てた向こう側でバジュラとVF-25――正確にはVF-25S――との戦いが始まる。
ここに俺達がいるというのは気が付いているのかいないのか、オズマのVF-25Sがガウォーク状態でバジュラを抑え込む。
「今のうちにシェルターに退避するぞ。あの外壁が破られたら洒落にならないからな」
抱いていたシェリルを地面に下ろしながら周囲を見回す。その間にも、オズマはバジュラとの駆け引きを続け……次の瞬間、思わず安堵の息を吐く。オズマの機体だけではない。ルカのRVF-25と、ミハエルのVF-25Gがやってきたからだ。オズマのVF-25Sと取っ組み合いを続けているバジュラへと向かい、船団の壁に着地してスナイパーライフルを構えるミハエル。その弾丸がバジュラの頭部と思しき場所を貫き……これで終わった、そう思った瞬間だった。
再び念動力が俺に命の危機を訴えてきたのだ。
「まだだっ!」
その声が聞こえた訳でもないだろうが、頭部を消失した筈のバジュラはピクリと動き……中足に内蔵されている機関砲がVF-25Sへと弾丸を放ち、同時に空いている方の手で船団の壁……
「ちょっと、止めてよね! こんな場所でそんな真似をしたら!?」
「くそっ、シェルターは……」
「アクセル、こっちだ! シェルターじゃないが、非常用の待避壕がある!」
今の一連の行動で気を失ったのだろうランカを抱えたアルトが、地面に見える入り口を強引に開ける。
「シェリル、こっちだ!」
「あ、ちょっと、アクセル!」
事態の流れについて来られないシェリルの手を引き、共に穴の中へと飛び込むのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:41
PP:425
格闘:274
射撃:294
技量:284
防御:284
回避:314
命中:334
SP:734
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
???
撃墜数:594
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