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『自分:第1章』

作者:零那
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『入園式』

学園って名称やから入園。
聞こえが幼児みたいでイヤやった。
ま、小学校就学前は園に行ったこと無いから、ちょうどえっか。


なにひとつ、納得やかしてないまんま。
悔しい気持ちしかなかった。

改めて、未だに為す術の無い無力なクソガキやと実感した。

どんなに強がっても、逆らい続けても、大人からしたら悪足掻き程度。
情けない。
鼻で笑われる程度なんやろな。

悔しくて悔しくて悔しくて...
ほんっまに悔しくて...
涙が止まらん。


そんな感情のまま、式の場に連れて行かれた。
入所児童と全職員が座ってた。
児童はザワつく。
ごっつボタボタ涙出よるからやろな。


感情の切り替え、下手くそやから。
超厄介。
いつまでも引き吊る。

こんな状態やのに、職員からの指示で、ホワイトボードに名前を書けと。

言うたら解るやん。
書く必要無いやん。

でも、さすがに関係ない児童巻き込んでまで反抗する事ちゃう。

此も後々知ったけどテストだったらしい。
必ず全員が全員の前でする。
字の大きさ、向き、書き方...色んな面から見て大体の性格が解るって。

『はじめの一歩』を皆が歌う。
不覚にも感涙。


式終了。
女児童と寮に行く。



また女集団。
めんどい。
うっとい。
媚びたくない。
年下が殆ど。
『古株が偉い』のは同じ。


決められた生活。
前の施設と違って大きな檻の中。
自由は一切無い。
外部とは一切遮断。


児相で自分が決めた約束事がヒトツだけ在る。
無関係な他人を巻き込む『脱走』だけは二度とせん。
意地でも。
それだけは守る。
あ、最初っから逃げ出そうとしたけど。

 
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