『自分:第1章』
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『身体検査』
若い女の職員に、なだめられるように、その場から離された。
畳の別室に連れて行かれた。
もう、逆らうチカラは残って無かった。
グッチャグチャの顔でチカラなく崩れた。
若い女が言う。
『みんな、最初は似たようなこと言うてる。暴れる子も殆どや。でも数日経てば笑ってる。大丈夫。それなりに楽しくなる。頑張れる。』
尚更悔しかった。
零那は絶対笑わん。
おどれらやか信用せん。
大人やか。
社会やか。
理不尽に虐げられる世界はもう嫌。
解放されたい。
汚い腐った世の中に生きる価値も意味も無い。
殺して。
ラクにさして。
そんな気持ちを全部ぶちまけた。
抑えてた気持ちが爆発した。
若い女は何も言わん。
育ちも良さそうな奴。
こんな奴が教護院の職員って笑える。
暫くして若い女が言う。
『脱いで、全部。』
はぁ?
意味解らん。
ふざけとん。
裸を晒せと?
死ねって事?
ほな殺して。
ソッチのがラク。
恥ずかしいとか見せれんモンがあるとか、そんなん関係ない。
零那にとっては有り得ん。
裸は勿論、着替え見られるのも屈辱でしかない。
後々聞いた話、着替えすら極端に拒否する人は、同様に極端に心を閉ざしてる証拠。
あまりの拒否り方に、若い女が言う。
『目ぇ瞑っとくけん!』
拒否。
結局、若い女はポケットを確認。
『下着の中は?何もない?』
『はぁ?逆に何入れるん!キショイ事言うなや。』
『じゃあ、アソコの中は?何も隠し入れてない?』
『???........はぁ~~~っ!!!バッカじゃないん!!マジ有り得ん!!』
意味解らん。
なんなん。
異物挿入するとか腐っとろ。
そこまでして持っときたいモンやか無いわ。
クソバカだろ。
とりあえず嫌悪感しかなかった。
部屋がノックされた。
呼びかけがかかった。
用意された服に着替えた。
ブラウス。
ベージュのスーツ。
タイトスカート。
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