『自分:第1章』
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『国立教護院』
一旦、児相に留置。
次の留置施設を決める。
カウンセリングも続いてる。
零那は、手に負えんらしい。
県内留置は無し。
また脱走したら、地理知ってて友達の居る場所は面倒やからってのを、考慮したんだろう。
国立の、女だけの教護院。
きぬ川学園。
日本で唯一、行動制限有りの施設。
男にも同様、武蔵野学園が在る。
教護院は、単純に言えば更正施設。
児童自立支援施設って名前になって微妙。
教護院の前は感化院やったかな?
ま、更正施設で充分やと思う。
今現在、県立の教護院は、養護施設同様に虐待で入所する児童も居るらしい。
でも、昔は、いわゆる不良とか、親や教師が手に負えん児童が入ってた。
ってのは、殆ど男の方。
女は、援助や風俗、性的逸脱行為とか、ソッチが多かったかな。
国立は、殺人や、殺人未遂の低年齢の子とかが多い。
刑務所に収監できる年齢に達してない児童が入所する。
あくまで個人的に見たり聞いたりした話。
世間でニュースになる小学生の殺人行為や、残虐な事件。
そんなケースは、大体が国立に収監されてきてるんじゃないかな。
国立教護院の話題は、施設に居た子なら少なからず触れてきた子は多い。
国立留置=刑務所留置の方がマシ。
大体はそう答えるらしい。
零那もその1人。
まず、規則は勿論、掃除や運動量も拷問並。
自由は一切無し。
自殺者も居た。
体罰は当然。
過剰な運動で死者も出た。
きぬ川の、そんな話を耳にして来た。
事実や実態は知らん。
収監されたワケじゃ無い。
きぬ川を出所した友達も居らん。
でも、零那は、きぬ川に留置されてもおかしくない。
むしろ逮捕されるべき人間。
表に出てないだけで、零那はそんな最低な奴。
先に言っとく。
自分を擁護する気は無い。
例えば、殺人を犯す子のケースを良く聞いてみると、結局は、その子自身だけが悪者では無い。
生育歴から家庭環境、子供と向き合わない親、教師...そんな単純なことだけではなくてもっと色んな要因が重なってて...
不安定な心を自分だけでは解消出来ずに精神が壊れる。
そんなケースが多い気がする。
勿論、愉快犯や強い恨みとかは別にして...
だから、犯罪者=異常者とか、そんな考えは哀しいと想う。
小学生、そんな幼い子が、殺人...よっぽどじゃないと...
精神に異常をきたす程...
零那は、その子達を責めれん。
好奇の目に晒されて将来を潰されて辛い。
報道が憎い。
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