後世の評価
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第四章
医学も一新させた、工業もだった。
軽工業からはじめてだ、さらに。
重工業も発展させていった、その資源もだった。
僅かではあったが鉱業として炭鉱等から掘っていった。勿論こちらでも人を雇い多くの者の生きる糧とした。
線路を国の大動脈にしてだった。
「運河もだな」
「堤防も敷いたしな」
「それにダムだ」
「水も確保するぞ」
「水が悪くてはどうにもならない」
「彼等によい水を与えるんだ」
こうしてだった、水もだった。
運河やダムのお陰でよくなった、そして街の建物も。
これまでの藁葺きから次々にコンクリートの建物が建ち道も綺麗に整備されてだ。街に路面電車も走りはじめ。
洒落た店も出来てきた、百貨店すらも。
粋な服を着た人々がそうした店で遊ぶ様になっていた、国全体が見違える様になり。
食糧生産量は鰻登りに上がり各種産業もだった。
発展していった、平均寿命は二十も伸びて。
そして人口も二倍になった、就学率や識字率は信じられないまでに上がった。
その地域は全く別物となった、このことに陸軍の者達は喜んだ。
「努力のかいがあった」
「もうあの何もない場所ではないぞ」
「今や近代国家の一員だ」
「一流国家の一部になったのだ」
「我等の努力が実った」
「素晴らしいことではないか」
彼等は自画自賛さえしていた、何はともあれこの地域は見違える程によくなった。このこと自体は素晴らしかった。
だがやがてこの地域は歴史的経緯から独立した、すると。
この国は世界各地に進出した、その国が築いた地盤を素に。それはいいことだったが。
彼等は世界各地で様々な問題を起こした、企業が現地で碌でもないビジネスをしたり。
観光客が現地の人達に暴力を振るった、セクハラをしたという騒動を起こした。
スポーツをすれば反則にラフプレイ、審判買収、抗議と何でもありだった。進出したあちこちそして参加したイベントの全てでだった。
彼等は問題を起こした、その結果。
併合して発展させたその国にだ、世界各地から批判が来た。
「何であんな奴等を併合したんだ!」
「何故発展させた!」
「あんた達のせいだ!」
「あんた達のご先祖が馬鹿なことをしたせいで迷惑している!」
「責任取れ!」
そしてだ、具体的な実害が出された。
ページ上へ戻る