万華鏡
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第八十一話 寮生活その十四
「これは本当に強いな」
「最強の敵よ」
文句なしに、というのだ。
「ネオ=グランゾンレベルよ」
「ゲームのジャンルは違っててもか」
「ネオ=グランゾンも強かったでしょ」
「鬼だったな」
「そう、鬼だから」
ヨロイはまさにその域だというのだ。
「こんなに強い敵滅多にいないから」
「ゲームバランス崩してるだろ」
実際にだ、何とか一人倒してステージをクリアして言う美優だった。
「こんな強いの何人もなんてな」
「獅子舞も酷いけれどね」
「あいつはむかつく、だな」
口から吐いた炎がそのままステージに地雷の様に残るのだ、当然その炎に当たれば死んでしまう。
「けれどヨロイはな」
「鬼よね」
「ああ、鬼だよ」
そのレベルの強さだとだ、美優はまた言った。
「残り一人だしヨロイで死ぬかもな」
「けれど最初のプレイでヨロイまでいけるって凄いから」
「じゃあいいか」
「うん、スコアも高いしね」
満足すべきだとだ、彩夏は美優に話した。そしてだった。
実際にだった、ヨロイが雑魚になって出て来るステージに入ってすぐにその残り一機もやられた。美優はゲームオーバーの画面を見ながら四人に言った。
「鬼だったな」
「うん、そうね」
「あっさり負けたわね」
「流石にその敵が集団で出て来るとね」
「美優ちゃんでもね」
「あたしこういうゲーム自信があるんだよ」
こうしたシューティングやアクションの系統のゲームをだというのだ。
「けれどな」
「敵があまりにも強いと」
「その美優ちゃんも」
「無理だったよ」
ヨロイ相手には、というのだ。
「本当に鬼だったな」
「昔のゲームってこういう敵もいたのね」
「目茶苦茶な敵もね」
「こうして」
「勝てるかっていう位のが」
「いや、勉強になったよ」
真顔でだ、美優はこの言葉も出した。そうしながらハイスコアに自分の番号を入力している。これも昔のゲームの特徴だ。
「こうしたゲームもあったんだな」
「他にもね」
景子は周りを見て話す、見れば八条学園の生徒らしい学生が結構いる。制服は様々であるが校章は同じだ。
「色々なゲームあるけれど」
「どんな昔のゲームあるの?」
「魔界村とかグラディウス3とかね」
「グラディウス?」
「そう、これも凄く難しいから」
このゲームもまた超絶的な難易度を誇っていた。
「ダライアスとかもあるから」
「格闘ゲームもあるのね」
「昔のネオ=ジオのね」
里香にだ、景子は話すのだった。
「格闘ゲームも多いから」
「本当に色々なのね」
「そう、ないのはね」
「ないゲームは?」
「麻雀ゲーム位よ」
このジャンルのゲームは存在しないというのだ。
「脱衣麻雀ね」
「まあそれはね」
「高校生のやるゲームじゃないからね」
「というか麻雀自体やる高校生がね」
「そうそういないでしょ」
「そうよね、普通はね」
昔は違ったらしいが今はかなり少ない、大学生もだ。
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