ドリトル先生と伊予のカワウソ
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第一幕その六
「松山でもね」
「例え何が出て来てもね」
「僕達が一緒だから」
「平気だよ」
「そうさせてもらうよ。そういえばね」
動物達の言葉を受けながらです、先生はこんなことも言いました。
「確か四国は猿が多かったね」
「猿が?」
「そう、高知の猿が有名かな」
「それじゃあ僕だね」
チーチーは猿と聞いて自分を指差しました。
「そうだね」
「日本の猿だけれどね」
「四国は猿なんだ」
「うん、それと狸が有名だよ」
「だったら松山でもどちらかに合うかな」
「そうかも知れないね」
「仲良くなれたらいいね、松山で猿に会えても」
チーチーはこのことは心から願いました。
「狸でもね」
「狸だと」
ホワイティは狸について言いました。
「狐と一緒で化けたわね」
「日本の狸はね」
「そうだったわね」
「うん、けれど悪戯はしてもね」
それでもだというのです。
「そんなに悪いことはしないから」
「怖くないんだね」
「日本の狐や狸は人間みたいというか」
先生は彼等の性格をです、ホワイティにお話しました。
「親しみやすいみたいだね」
「人間みたいな性格なんだ」
「そう、そこまで気にすることはないよ」
「四国の狸もだね」
「そう、だから安心してね」
「わかったよ、じゃあ安心してね」
そしてだとです、ホワイティは先生のその言葉に頷いて答えました。そうしてそのうえでなのでした。
ホワイティはです、先生に期待している様に言いました。
「じゃあ松山でも楽しませてもらうよ」
「うん、お仕事で行くにしても」
「楽しむいことだね」
「それが第一だよ」
先生はにこりとしてホワイティだけでなく他の動物達にも言いました。
「生きるにおいてはね」
「じゃあお仕事も楽しむ」
「そうあるべきなんだね」
「お医者さんの仕事は失敗は許されないけれど」
それでもだというのです。
「楽しい仕事だよ」
「だから今もお医者さんをやっていられるのかな、先生も」
「だからかな」
動物達も先生の言葉を受けてお話をします。
「これまで色々あったけれど」
「今もお医者さんだしね」
「日本にも医学部の教授として招かれたし」
「だからかな」
「そうかも知れないね、僕も何だかんだでお医者さんになれてよかったと思うよ」
こうも言う先生でした。
「実際にね」
「そしてその医学の論文をですね」
トミーが先生にその論文のお話をしてきました。
「発表されるんですね」
「うん、そうだよ」
「そういえば最近ずっと調べて書いておられましたね」
「英語だけじゃなくて日本語の論文も読んでね」
「そちらもですか」
「やっとね、日本語の文章もね」
そちらもだというのです。
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