FAIRY TAIL 友と恋の奇跡
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第187話 極悪なる空気と大地
前書き
紺碧の海で~す♪
今回は遂に!妖精と銀河の因縁の対決が幕を開ける―――!
ナレーション風に書いていきます。
それでは、第187話・・・スタート♪
会場は冷める気配を一切見せない歓声と興奮に包まれている。
チャ「さぁいよいよ、大魔闘演舞4日目バトルパート、最終試合の始まりですっ!」
チャパティ・ローラの実況が合図だったかのように、闘技場に2つのギルドの紋章が描かれた2本の旗が掲げられた。
これから対戦する、2つのギルドの魔道士達が会場に足を踏み入れた。
チャ「宣戦布告を出し合った現最強ギルドと、彼等を追いかける最強ギルドの因縁の対決!!」
大歓声が起こる。
チャ「妖精の尻尾、ナツ&リョウ!!VS銀河の旋律、コグレ&ナナヨ!!」
ナツがコグレを、リョウがナナヨを睨みつけ、コグレがナツを、ナナヨがリョウを見下すように見つめる。
チャ「現最強ギルドである妖精の尻尾の魔道士に、銀河の旋律最強の魔道士は勝つ事が出来るのか―――――!?」
ヤ「ナツ君、リョウ君、頑張れよ。」
ラ「ありがとうございます!!×10」
観客はもちろん、実況席にいるヤジマやラビアンも興奮している。
会場にいるナナヨが、自身の若葉色の髪の毛を指先に絡め、小さな口元からペロッと舌を出しながら口を開いた。
ナナ「動物使いと星霊魔道士の仇を取る為には、絶好の組み合わせね。面白くなりそうじゃない♪」
コ「だが、アンタ等も動物使いと星霊魔道士と同じ目に合わせてやるよ。“妖精は、広大な銀河には勝てねぇ”さ。」
ナナヨに続くように、コグレも口を開いた。コグレの言葉に、リョウは口元に小さな笑みを浮かべると、
リョ「このバトルが終わったら、その言葉を言った事に後悔しやがれ。そしてその言葉、そっくりそのまま返してやる。“銀河は、羽を広げた妖精には勝てねぇ”よ。」
余程自信があるのか、リョウは口元に浮かべた小さな笑みを崩す事無く断言した。
その隣で、ナツは会場に来る前にあった出来事の事を思い浮かべていた。
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マ「ナツーーー!」
名を呼ばれて、出る直前の所で足を止め振り向くと、医務室にいるはずのマヤが息を切らして立っていた。マヤは素足でここまで走って来たみたいだった。
リョ「見送りか、先行ってるぜ。」
リョウはそう言うとナツを置いて先に会場に向かった。
ナ「マヤ、お前・・医務室にいたんじゃ・・・?」
マ「えへへ、こっそり抜け出して来ちゃったんだ~♪」
マヤが医務室に戻ったら、まず間違いなくポーリュシカに怒られるだろう。それを承知の上で、マヤはここまで走って来た。
ナ「具合はどうだ?」
マ「ここまで全力疾走で来たからもうバッチリ!・・・って、そんな事はどうでもよくて、これから試合でしょ?」
ナ「だからここにいるんじゃねぇか。」
マ「あ、そっかぁ。」
会話が途切れた。
ナツとマヤの間に、しばらく沈黙が流れる。聞こえるのは2人の呼吸する音と、観客の大歓声だけ。
マ「ナツ―――、」
沈黙を破ったのはマヤだった。マヤの声を聞いてナツは顔を上げる。目の前には満面の笑みを浮かべたマヤがいた。
マ「頑張ってね。私、応援してるから。」
夕日色のマヤの髪が揺れる。
マ「それじゃっ!」
ナツの返答を待たずに、マヤは足早にその場を去って行った。ナツはマヤの後ろ姿が完全に見えなくなるまで、その場から1歩も動かなかった。
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ナツは口元に笑みを浮かべ、拳をギュッと固く握り締めると、
ナ「あぁ。必ず、勝ってみせる!」
聞こえるはずのない、マヤへの返答をした。
チャ「遂に激突の時が来た―――――!果たして、勝つのは妖精か銀河か!?」
マ「ナツ、頑張れ!」
ル「お願いね、リョウ。」
グ「ガツンとぶっかましてこい!」
ショ「俺達の分まで、全力でな。」
ウェ「応援してます!」
ハ「絶対勝てるよ。」
フ「あの2人なら、な。」
それぞれの想いは強く、温かく、大きな力になる。
チャ「因縁の対決、遂に開幕!間も無く、最終試合開始です!!」
4人の間に沈黙と緊張、そして想いが渦を描くように駆け巡る。
シ「真の最強はどちらなのか、それを力で確定させろ。」
マカ「仲間の想いを胸に、全力でやれ。後は何も言うまい。」
銀河の旋律のマスター・シルファと、妖精の尻尾のマスター・マカロフが言葉を紡いだ。
チャ「最終試合・・・開始ィッ!!」
チャパティ・ローラの実況と共に像の上にいる男が銅鑼をゴォォォォォン!!と力強く叩いた。遂に試合が始まった。
ナ「うぉおおおぉぉおおおおおっ!」
最初に先手を打ったのはナツだった。
灼熱の炎を纏った右拳を大きく振り上げコグレに殴り掛かる。コグレはナツの素早い攻撃に一切怯む事は無かった。コグレは右手を横に動かすと、それに添うように空気の渦が出来、ナツの炎を纏った拳が塞き止められた。
ナ「!?」
コ「驚いたか?」
その隣では、リョウが鞘から抜いた『銀覇剣』を構えたまま駆け出した。
リョ「竜桜切ッ!!」
リョウの背後に青い竜が浮かび上がり、ナナヨに『銀覇剣』を振りかざしたのと同時に竜は消え、桜の花びらが舞い散った。しかし―――、
ナナ「あら、聖剣の実力はこんなものなの?」
リョ「!」
ナナヨは振りかざされた『銀覇剣』を砂に覆われた右腕で受け止めていた。
コ「おらぁっ!」
ナ「ぐっ!」
ナナ「せいやっ!」
リョ「がっ!」
コグレの拳がナツの頬に、ナナヨの蹴りがリョウの顎に直撃する。
コ「今度はこっちから行くぜっ!」
そう言うとコグレは、両手に空気の渦を大量に纏い、空気の渦がバスケットボールぐらいの大きさになると両手に胸の前で合わせた。
コ「膨大空気ッ!!」
コグレの両手で押し潰された空気は膨大な風圧を起こしナツとリョウを宙に吹き飛ばした。
それを待っていたかのように、ナナヨは宙にいるナツとリョウの足元まで来ると助走をつけて高く跳躍し、あっという間にナツとリョウと同じ高さまで来ると、
ナナ「岩石落下ッ!!」
上に掲げた両腕を振り下ろした。すると、どこからか岩石が2つ出没し、ナツとリョウを押し潰すように落下し始めた。
チャ「あぁっと!まるで隕石のように岩石と共に一直線に落下するナツ選手とリョウ選手!このまま地面に叩きつけられてしまうのか―――――!?」
地面まで後数十mという位置で、1つの岩石が炎で粉々に砕け散り、1つの岩石が剣で細かく切り刻まれた。ナツとリョウは空中で体勢を立て直し、無事着地する。
ナ「ふぅ~、危ねぇ危ねぇ。」
リョ「思ってた以上にやるじゃねぇか。」
ナツは額に滲んだ汗を拭い、リョウは『天力剣』鞘から抜きながら言った。
コ「俺とナナヨの連係攻撃はこんなモンじゃないぜ。」
ナナ「もっとすごい連係攻撃だって出来るんだから。」
コグレがシャツの襟を立て直し、ナナヨが顔にかかった髪の毛を掃いながら言った。
ナ「だったら攻撃される前に倒さねぇとなっ!」
コ「うあっ!」
ナナ「あぐっ!」
隙を突いたナツの炎を纏った拳がコグレの右頬、ナナヨの左頬に直撃し無防備だった2人は数十m吹っ飛ぶ。
2人はすぐさま体勢を立て直し攻撃を仕掛けようとしたが、目の前に来たナツの顔に驚きその動きを一瞬だけ止めてしまった。その一瞬の隙に、ナツは右手でコグレの顔を、左手でナナヨの顔を鷲掴みにすると、
ナ「火竜の・・・翼撃ッ!!」
炎を纏った両腕を大きく振るった。コグレとナナヨは何も出来ずに後方に無様な格好で吹っ飛ぶ。
ナ「リョウ!」
ナツが首だけを動かし叫ぶ。それを待っていたかのように、リョウは自分の方に吹っ飛んで来たコグレとナナヨをちらっと一瞬だけ見ると、
リョ「2剣流・・・天翔切ッ!!」
コ「グォアアァアッ!」
ナナ「キャアァァアアッ!」
赤い光を放った『銀覇剣』と『天力剣』を同時に大きく振るった。斬られたコグレとナナヨはドサッ、ドサァと音を立てて倒れた。
チャ「こ・・これは何とっ!あの銀河の旋律最強の魔道士であるコグレとナナヨが押されているーーーーーっ!?」
チャパティ・ローラの驚嘆の声が会場に響き渡る。ふらつきながらも、すでに傷だらけのコグレとナナヨは立ち上がる。そんな2人とは裏腹にナツとリョウはまだ目立つ傷も負っていなく、2人が立ち上がっている最中も身構えている。ここでリョウは鞘から『嵐真剣』を抜き取り口に銜えた。
コ「流石現最強ギルドだな。こんな乱暴な炎を食らったのは、生まれて始めてだ。」
ナナ「見事な剣裁き・・・恐るべし、聖十大魔道。」
コグレが口の血を、ナナヨが左頬の血を手の甲で拭いながら言った。
リョ「御託はいらねぇ。それに、俺より強い聖十大魔道が大魔闘演舞に出場しているのを忘れるなよ。」
リョウは恐らく、蛇姫の鱗のジュラの事を言っているのだろう。
ナ「お前等、その程度の力で本当にギルド最強なのか?俺にはそうとは思えねぇんだけどよ・・・」
ナツがコグレとナナヨと戦ってみて感じた事を正直に述べる。
コ「俺もナナヨも、まだ「本気」の「ほ」の字も出してねぇよ。逆にこれっぽちの力でやられるアンタ等じゃねぇはずだ。」
ナナ「大丈夫。今から私の大地体と、コグレの天空体の本気を見せてあげるわ。」
天空体と大地体。これがコグレとナナヨの魔法だ。
ル「天空体と大地体?」
ショ「能力系の魔法で、コグレとナナヨの場合自身の体を空気と土に変えたり、空気や土を体に纏ったり、空気や土などを操る事が出来るんだ。空気や土だけでなく、炎や電気、水や闇の場合もあるんだ。」
ルーシィの問いにショールが答えた。
天空体と大地体の本気とは如何なるものか―――――?ゴクリとナツの喉がなる。
コ「極悪なる天空。」
ナナ「極悪なる大地。」
ナ&リョ「!」
異変に気づいたナツとリョウは咄嗟に身構えた。コグレとナナヨは不敵に微笑んでいるだけ。
エ「何だ・・・?」
ユ「空気と大地が・・・震えてる。」
異変に気づいたエルザとユモが会場に目を見張った。
この異変は魔道士でない人には非常に分かりにくい異変だった。だから観客のほとんどは何が変わったのか分からなかった。
ナ「・・何だ、この異様な感じ・・・?」
リョ「空気と大地が・・・震えて、る・・・・?」
コ「ピンポーン!その通りだ。」
ナナ「会場の空気と大地の“質”を普通から極悪に変えたのよ。」
コ「この効果により、俺達の魔力は増幅し、攻撃守備の威力が上がるんだっ!」
ナ「ぐぁあっ!」
リョ「ナツ!」
ナナ「よそ見してると危ないわよ。」
リョ「うごぁっ!」
空気を纏ったコグレの蹴りがナツの左肩に、土を纏ったナナヨの拳がリョウの顎に直撃する。
ト「いきなりパワーアップしましたよっ!?」
ハ「ナツー!負けるなー!頑張れー!」
レ「リョウ!頑張ってぇ!!」
医務室でトーヤが驚嘆の声を上げ、応援席からハッピーとルーシィが声を荒げる。
グ「あれがコグレとナナヨの必勝パターンっつー訳か。」
エ「そのようだな。」
ユ「でも、その必勝パターン・・・あれだけじゃ、ないと思う。」
待機場所にいるグレイ、エルザ、ユモの3人は冷や汗を流した。
ナ「火竜の・・・鉤爪ッ!!」
リョ「3剣流・・・銀天嵐切ッ!!」
ナツが炎を纏った足を、リョウが3本の聖剣を振るう。しかし―――――、
ナナ「極悪なる大地の盾ッ!!」
ナナヨが両腕を下から上に持ち上げるように動かすと、会場の地面の形が崩れナナヨの腕の動きに合わせるように土が下から上に持ち上げるように動きナナヨとコグレの盾となりナツとリョウの攻撃から身を守った。
コ「極悪なる空気の刃ッ!!」
ナ「ぐああぁあぁあああっ!」
リョ「うぁああぁぁあああっ!」
ナナヨが攻撃から身を守ってくれてる間に、コグレはナツとリョウの背後に周り込むと、両手に纏った鋭い空気をナツとリョウの無防備な背中に向かって投げつけた。
マ「ナツ!」
ウェ「リョウさん!」
シャ「コグレとナナヨに・・・隙が無い。」
医務室にいるマヤとウェンディが声を荒げ、シャルルが奥歯を噛み締め呟いた。
コ「銀河の旋律はずっと、最強になる事を夢見てきたっ!その夢が今、叶う時なんだっ!!」
ナナ「極悪なる大地の束縛ッ!!」
ナ「うおっ!」
リョ「くっ!」
ナナヨが両腕を横に大きく広げると、会場の地面の形が崩れナツとリョウの足を沈めさせるとその状態のまま土は固まった。
ナナ「極悪なる大地は捕らえた者の体の自由を奪い取るっ!」
足が地面に埋まった状態のナツとリョウの体は動かなくなっていた。
ショ「動きを封じたって事か。」
ショールが苦々しそうに唇を噛み締める。
ナナ「コグレ!」
ナナヨが叫ぶ。
それを待っていたかのようにコグレは右手を固く握り締めた。そして―――――、
コ「極悪なる空気の爆発ッ!!」
握り締めた拳を開いたのと同時に、動きを封じられたナツとリョウの周りの空気が激しく爆発した。
砂煙が舞い、ナツとリョウの様子を確認する事が出来ない。
コ「やったな。」
ナナ「勝負アリね。」
コグレとナナヨは確信したようにお互い頷き合った。その時―――――、バフッ!ボフッ!という音がコグレとナナヨの頭上で聞こえた。驚いて視線を移すと、砂煙の中から2人の妖精が飛び出していた。
チャ「無事だーーーっ!ナツ選手リョウ選手、共に無事だーーーーーっ!」
観全「オォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!!」
大歓声が起こる。
ナナ「う・・嘘・・・そんな・・・!」
コ「身動きが出来ない状態の中、あの爆発から、どうやって・・・?」
コグレとナナヨは目を見開いて唖然としていた。
ナ「あんなの、焼き消せばいいだけだ。手は動かせなくても、埋まってた足は動いたからな。」
コグレの問いに答えるようにナツが口を開いた。ナツの両手に紅蓮の炎が纏わり付く。
リョ「お前等の連係攻撃、正直なかなかだと思うぜ。でも、妖精の尻尾の魔道士には、あんな小細工一切効かねぇよ。」
ナツに続くようにリョウも口を開いた。3本の聖剣の銀色の刃が太陽の光に反射してキラリと光る。
ナツとリョウがコグレとナナヨの目の前に着地した。
ナ&リョ「妖精の尻尾を舐めんじゃねぇぞっ!!」
コ「ごはっ!」
ナナ「ガハッ!」
ナツの炎を纏った拳がコグレの顔面に、リョウが聖剣でナナヨの体を右斜め上から斬りつける。
ナ「うぉらぁっ!」
コ「ぐはっ!」
リョ「オラァッ!」
ナナ「キャアァアッ!」
ナツとリョウの攻撃は止まらない。コグレとナナヨの体には、次々と傷が刻まれていく。
キ「コグレ、さん・・・」
カ「ナ、ナナヨ・・さん・・・」
レ「あの2人が、押されてる・・・」
銀河の旋律の待機場所にいるキース、カオリ、レヴルは信じられないものを見たような顔をして、目は瞬き一つせず、会場に釘付けになってしまっている。
ヤ「ウム・・・・格が違いすぎる。」
実況席からバトルの様子をずっと見ていたヤジマが小さく呟いた。
チャ「銀河の旋律の最強コンビであるコグレとナナヨが、妖精の尻尾の前に手も足も出ないっ!このまま試合終了となってしまうのかーーーーーっ!?」
コグレとナナヨはボロボロになった体で必死に立ち上がる。
コ「・・じょ、冗談じゃ、ねぇ・・・俺、達は・・最強を目指す、ギルドに・・・属して、るんだ・・・・!」
ナナ「こんな、ところで・・・負け、て・・なんか、いられ・・・ないのよっ!」
ナ&リョ「!!?」
顔を上げたコグレとナナヨの瞳を見て、ナツとリョウは目を見開いた。
コグレの瞳は青色、ナナヨの瞳はオレンジ色のはずなのだが、顔を上げたのと同時に、コグレは左目、ナナヨは右目が赤黒く染まっていた。
カ「ひゃあっ!」
カオリはコグレとナナヨの目を見て小さく悲鳴を上げ、顔を隣にいたレヴルの左肩にうずめた。レヴルはそっと右手で小刻みに震えているカオリの肩を抱いた。
レ「何度見ても、あの色は不気味だな・・・」
キ「あぁ。怒り狂ったコグレさんとナナヨさんは肩目だけがあんな色に染まる。それと同時に、地獄の戦闘舞台芸能の開幕だ。」
レヴル、キースが続けて言う。
カ「もぅ・・妖精の尻尾に勝ち目は無い。あぁなってしまったコグレさんとナナヨさんは、もぅ・・・誰も、敵わない。誰にも、止められない・・・・」
レヴルの左肩に顔をうずめたままカオリが呟いた。
ナ「な・・何だ、この魔力・・・?」
リョ「不気味だな、おい。」
ナツとリョウも思わず顔を顰める。
すると、コグレとナナヨがものすごい速さでナツとリョウの目の前に来ると、
ナ「うぶっ!」
リョ「ぐわばっ!」
コグレの拳がナツの鳩尾に、ナナヨの右足の踵がリョウの頭に直撃する。
エ「ナツ!」
ト「リョウさん!」
フ「な・・何だ今の・・・?」
ユ「速すぎて、目で追いつけなかった・・・」
ハ「人間離れの速度だったよ・・・」
エルザとトーヤが声を荒げ、フレイとユモとハッピーが目を見開き呟いた。
コ「はァッ!」
ナ「うぎぃっ!」
ナナ「やァッ!」
リョ「ぐはっ!」
コグレの左足がナツの顔面に、ナナヨの拳がリョウの鳩尾に直撃する。
シャ「ど・・どうなってるの・・・?」
ル「ていうか何あの目!?」
マ「さっきまで普通の青とオレンジ色だったよっ!?」
ルーシィとマヤが赤黒く染まったコグレとナナヨの片目を見て表情を変える。
グ「何かに取り憑かれた・・・って訳でもないみたいだな。」
ウェ「誰かに操られてる・・・って事でもなさそうですし・・・・」
ショ「・・・嫌な予感がする。」
ショールの頬を一筋の冷や汗が流れ落ちた。
リョ「っ・・・!」
リョウが声にならない呻き声を上げた。今のナナヨの攻撃で、塞がりかけていた腹部の傷が開いてしまった。
リョ「(くそっ・・!こんな重大な時に・・・!)」
痛みに耐えながら右手に持った『銀覇剣』を地面に刺して支えのようにして呼吸を整える。幸いナツもコグレもナナヨも、待機場所にいるグレイもユモもエルザも、応援席にいるルーシィもショールもハッピーも他のメンバーも、(恐らく)医務室にいるマヤもフレイもウェンディもシャルルもトーヤもポーリュシカも気づいていない。
リョ「(とにかく、誰にも気づかれないようにしねぇと・・・特に、コグレとナナヨには・・・・!)」
リョウは傷の事がばれたら、その傷を急所として狙ってくるに違いないと判断したのだろう。
コ「さぁて、そろそろ始めるとするか。」
ナナ「天空と大地の、地獄の戦闘舞台芸能を―――――。」
コグレとナナヨが不敵に微笑んだ。赤黒く染まったコグレとナナヨの片目が不気味に怪しく光った。
後書き
第187話終了~♪
書きながら思った事、この4人、強すぎる・・・!
次回は妖精VS銀河、遂に決着!果たして、勝利の女神が微笑むのはいったいどっちだっ!?
次回も見逃したら、いけないよ~♪
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