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風と雲の継承者

作者:蒼鈴六花
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01 誕生―まがんをつぐもの―

 
前書き
注意文をよくお読みのうえご覧下さい。イメージが壊れる可能性がありますので。

※原作開始前です。 

 
人も寄り付かぬような深い森の中。

球体が浮いていた。

その中には5才くらいの小さな男の子が丸くなっている。

長く暗い赤が混じったようなダークブラウンの髪がゆらゆらと揺れている。

球体は淡く光ったと思うと消え去り、少年はゆっくりと地面に落ちた。

そして少年は目を覚ます。

座りながら周りをきょろきょろ見る。

「?」

不思議そうにしてる少年の目の前に蒼い光がでてきた。

「!」

光はそのまま漂い、女性の声で話しかけてくる。

『我が主、誕生おめでとうございます』

「あるじ?」

『ええ、我ら召喚獣の主です。そして私は召喚獣シヴァ、他の召喚獣達の代表としてこの場に出てきました』

「シヴァ、ここはどこ?」

『ここはまだ名もない大樹の世界』

聞いてもわからなかった。
そもそも記憶がない。なぜだろう。

『わからないと言った感じですね、無理もありません。主はまだ生まれたばかりですから』

さっきも誕生っていってた。
そうか俺は生まれたばかりなんだ。

『ですが生まれたばかりと言っても、主は我らと魔法などに関する知識ならお持ちのはずです。記憶を引き出してみてください』

うーん。

召喚獣、この世界では精霊に近しい存在。
魔銃とソイルを使って具現化するもの。

魔法、この世界に存在する術。

召喚獣や魔法の事が分かるのなら、自分の事は何か分からないのだろうか?

さらに引き出してみる。

黒き風の力を継承したもの。
白き雲の力を継承したもの。(ごく一部のみ)
魔銃と融合したもの。
マナから生まれたもの。

「継承、魔銃、マナ?」

『引き出せたようですね。全てを引き出すには時間がかかると思いますからここで一旦引き出すのをやめ、住む所を探すのがいいと思います』

「住む場所?」

『ここは険しい山に囲まれた人も寄り付かぬ深い森の中。マナから生まれた主に親はいません。マナを生み出してる世界樹が親とも言えなくはないですが、世界中は住む所を必要としませんしこことは遠く離れた所にいます』

「わかった。探してみる」

『その前に、寒くはないですか?主よ』

「?」

『生まれたばかりゆえに服が……』

「!!」

そこまで言われてようやく気付く。俺、裸だ!
召喚獣とはいえ女性の目の前で!!

すぐさま隠す場所を手で隠す。
顔が真っ赤になる。

『ラムウなどが、主が生まれた際に必要になるだろうと言ったので我らで作って見ました』

灰色で半そでの服に黒い長ズボン。黒いローブのようなマントと弾丸、ソイルの入ったベルトなどを出してくる。

急いで着る事にした。服が必要と言ってくれた召喚獣達に感謝だ。

それから住む所を探す事になったのだが、小さい召喚獣達に探すのを手伝ってもらう事になった。

といっても召喚してないから精神体だ。

後、実は俺の中のマナ使って一時的に実体化も可能。その場合、ただ存在するだけなので力を使うことは出来ないそうだ。

弾丸、ソイルを使ってようやく召喚獣の力を引き出しながら実体化できるって感じだろうか?

とりあえず今は住み家を見つけよう。
ユニコーン(不思議なダンジョン)ムンバ、子チョコボなどが散らばって探してくれてるし。



俺はとりあえず森の中を歩く。
シヴァは念のため蒼い光の球になって横に漂いながらついてきてくれる。

しばらくすると近くの茂みから何かが飛び出してきた。
なんか狼みたいな奴が三匹と大きい獣が一匹。

『主、あれはウルフとケルベロスと言う魔物です!』

「あれが……魔物」

相手はよだれをたらして今にも襲い掛かってきそうだ。
早く何とかしないと殺される!

『主!私を召喚してください!』

シヴァが叫ぶ。
とはいってもどうやれば……?

まてよ、俺は召喚に関する知識を持ってるはずだ。

召喚、魔銃での具現化。

魔銃は俺と融合してるはず……?

胸に手を当ててみる。

(出てきてくれ……!)

念じた瞬間黒い風が俺を中心に吹く。
胸に当ててた右手が黒く光る。

右手を前に突き出すと光は消え、魔銃が手に装着されてた。

なんとなく使い方がわかる。
勝手に知識が引き出てくる。

そう思った時には俺は魔銃を持っていない左手で敵を指差し……

「お前にふさわしいソイルは決まった!」

って言ってた。
なんで俺こんな事言ってんだ?

自然に体が動く。
俺は左手で魔銃に入れる三つの弾丸(ソイル)の一つを取り出す。

「光無き魂の叫び、ダークグリーン」

そう言って俺はソイルを指ではじき、魔銃に入れる。
そして次の弾を取り出す。

「生み出す事を許さない、ヴァージンホワイト」

ベルトを叩き最後の弾を出す。

「そして、全てを凍てつかせる、アイスブルー」

魔銃の一部が激しく動き始める。力が魔銃に集まってくる。
俺は魔銃をウルフたちに向けながら……

「光れ、召喚獣……シヴァ!」

引き金を引いた。

銃から弾が打ち出される。
それぞれの弾の色と同じ光が螺旋を描きながら一つになる。

その瞬間、辺りを一瞬だけ真っ白にするような光を発する。

そして光が収まるとそこには蒼い肌に黄色い不思議な髪をした美しい女性がいた。

『我が主に攻撃しようとした事、後悔するがいい!』

シヴァは両手を掲げると光が集まり、手を前に突き出した瞬間氷の混じった吹雪が相手を襲い、前方は氷漬けになる。

『消えなさい』

シヴァは指を鳴らすと氷は敵もろとも砕け散った。



戦いが終わった後、シヴァは消えた。
そして魔銃も黒い光を放ち俺の中に戻っていった。

なんで自然に体が動いたかはわからない。
魔銃にソイル入れる時もなんか変な事言っちゃったし。

まあ、今はそれよりシヴァが気になった。

消えてしまった。
召喚獣は召喚された後、幻獣界という場所に還ってしまうそうだ。(引き止めることは可能らしいが)

「ありがとう……シヴァ」

お礼を言って住むとこ探しを再開する。



それから少しした後、ムンバ達が戻ってきて俺の服を引っ張り始めた。(ムンバ達はマナで実体化中)

連れて行かれた先には洞窟があった。
近くに泉もあるし、いい場所だ。

「ありがとう、皆」

それぞれ鳴き声あげて喜び始める。かわいい。

なにやら食料も見つけてきてくれた。
魚やら木の実やらなぜかニンジンに似た野菜まで。

イフリートに火を出してもらって(マナで実体化でも種火くらいは起こせる)魚を焼き、食べ物集めてきてくれた召喚獣達と食べた。

食べ終わる頃には日が沈み始めていた。

暗くなってからの森は危なさそうだし、洞窟の中で寝る事にした。

奥には葉っぱが敷き詰めてあった。
召喚獣達がやってくれたのだろう。

俺はそこで寝た。

生まれて1日目はこうして終わった。






予言

どこの世界かもわからぬ、暗き世界。

そこにある巨大な貝の中。

一人の不思議な女性。

彼女はファーブラ。導くもの。



予言します。

蒼い不思議な球を前に静かに告げる。

彼らは精霊に近しきもの。

彼らは主と共にあるもの。

幼き主のもとで変わってゆく彼らと主の関係は――

遊び……―かぞくとなったものたち―



次回もアンリミデットな導きを――






 
 

 
後書き
えー、簡単な説明だけしてパパッと原作開始までもって行きます。
そのため物語が欠けてる部分が出てきますが外伝で埋めます。
(次の話で序章終了。ロイド達との出会いもぶっとばします。外伝で書くつもりです)

ちなみにシヴァはFF8のです。初めて見たシヴァがあれだったので。攻撃方法はオリジナル。FF10参考。

後、魔銃の出し方は黒き風とは異なります。
黒き風のように魔銃を右腕につけてたらフォシテスとキャラがかぶる気がして……

あ、実はTOS(GC)とFF:Uは作画書いてる人で繋がりがあるそうです。
 
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