| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

『自分:第1章』

作者:零那
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

『新学期』

桃ちゃんとは今迄通り。
零那から話しかけることは無い。
グループの子に勘ぐられるのも困る。
桃ちゃんのグループは皆、意地悪そうな子に見える。
でも、皆、言いたいこと言ってるだけ。
本音でぶつかってるだけ。
腹黒くない。
サバサバしてる。
素直。
やから零那にとっては親しみやすいグループ。
一番喋ってるのも此のグループ。

表は笑顔で、裏で陰口叩く子より、堂々と本音でぶつかってくる子の方が自分には合う。

お互いにそんなとこは解ってたんやと思う。
零那が1人で居るのが好きなんも解ってくれてた。

移動教室やトイレや放課後も、誘われることはある。
タイミング合えば行ったし、合わんかったら行かんかった。
グループには入らんけど、関係性としては悪くなかった。

桃ちゃんは、皆に、零那と夏休みに学校で逢って遊んでたって言ってた。

それで、前よりキャピキャピくっついてくるようになった。

皆、女の子。
スタイルが気になる。
好きな男出来た。
ヤッてみたい。

話題がそんな類ばっかり。
零那は正直そぉゆう話はせん。

桃ちゃんが零那の過去を知ってるから、ソッチ系の話になると必死で逸らしてくれてた。
それがおかしくて、いや、嬉しくて
思わず爆笑してしもて...
桃ちゃんに背中しばかれた。

他の子は『えっ!何!』って感じやった。

咄嗟に、零那は『桃ちゃん、こないだヤリたい男おる言うてたで』って嘘を言った。

ほな桃ちゃんはまた怒って背中しばいてきて皆が笑ってた。

桃ちゃんはそうゆう人間じゃないからこそ皆が笑えた。

桃ちゃんに『ゴメン!』って合図したら、親指を立てて『任して!』って、桃ちゃんお得意の合図。


なんか、ほんまに嬉しかった。
普通の世界の普通の友達って感じで、泣きそうなん堪えるん大変だった。

零那が外で何やってるか知ったら幻滅するやろな。

知られたらあかん。

此処での普通の友達も大事にしたいと想った。

 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧