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転生とらぶる

作者:青竹
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マクロスF
  0684話

「ね、ちょっとアクセル。何か甘い匂いがしない?」

 アイランド1の渋谷エリアを歩いていると、不意に漂ってきた甘い匂いにシェリーが笑みを浮かべつつ周囲を見回す。

「あそこの屋台……いや、移動販売車だったか。あの看板から見るとクレープだろうな」

 1度地球が全滅に近い状況になっているこのマクロス世界でも、クレープの移動販売車は俺の知っている物と変わらないな。……いや、待て。俺の知ってるクレープだと?
 移動販売車へと向かっているシェリーの後ろ姿に咄嗟に叫ぶ。

「シェリー! ゴーヤ味のクレープは頼むな!」
「は? ゴーヤ? 何それ? 果物か何か?」

 余程クレープに心惹かれているのだろう。踊るようなステップで振り向き、そう尋ねてくる。
 ……そうか。この世界はさっきも考えたように1度滅びの危機に陥ったんだから、全滅している野菜とかもあるのか。

「ありゃ、残念。ゴーヤクレープはもう売り切れだよ」
「あるのかよっ!」

 店主の言葉に、思わずそう叫んでしまった俺は悪くないだろう。
 っていうか、まさかネギま世界だけじゃなくてマクロス世界でもゴーヤクレープが存在しているとは……SEED世界でもネギま世界の魔法使いが広めていたし、そのうちギアス世界やOGs世界にも広まったりするんじゃないだろうな?

「アクセル、あんたは何を食べる? 折角だしお姉さんが奢って上げるわよ」
「一応こう見えても社会人なんだが」
「ふんっ、年下は年下らしく奢られておけばいいのよ。ほら、子供が遠慮しない!」
「一応15歳なんだし、シェリーとそう年齢が離れている訳でも無いだろ?」
「そう? この年代の2~3歳差ってのは大きいのよ。特に女は男よりも早く大人への階段を駆け上がるんだしね。……で、アクセルは何を注文するの?」

 早くしなさい、とその年齢にしては立派な胸を誇示するように命令してくるシェリー。
 そんなシェリーの様子に、溜息を吐きつつクレープ屋のメニューへと視線を向ける。
 マクロス世界のクレープとは言っても、どうやらメニュー的には俺の知っている物とそう変わりは無いらしい。……ゴーヤがあるのは微妙に謎だが。

「取りあえず、ベリーベリーベリーのスペシャルで」

 シェリーの奢りという事で、メニューの中でも値段的にも見栄え的にも上位のクレープを注文する。ベリー系の果実と生クリームがタップリと入ったクレープのスペシャルバージョンだ。

「へぇ、王道を行くわね。なら私はチョコバナナをお願いするわ」
「あいよ。ベリーベリーベリーのスペシャルに、チョコバナナを1つ。今すぐ作るから、ちょっと待ってくれよ」

 俺とシェリーの言葉に、店主がすぐに熱せられた鉄板の上へと生地を流し始める。
 瞬間、再び周囲にふわりと広がる甘い匂い。

「うわっ、凄いわよ。ちょっとちょっと。アクセル。これこれ!」
「いやまぁ、確かに甘い匂いが周囲に広がってるけど……そこまで騒ぐようなものか?」

 普通に暮らしていれば、どこででもクレープ屋なんて見つけられるだろうに。

「あ、その、ちょっとね。あたしはフロンティア船団に来たばかりだからめずらしいのよ」
「ん? 他の船団にはクレープ屋とか無いのか?」
「船団によるわね。それよりもアクセルは珍しがっていないみたいだけど、やっぱりフロンティア船団だと普通なの?」

 ……あー、どうだったか。俺の感覚で言えばネギま世界を始めとして普通にクレープ屋はあるものだとばかり思ってたんだが。実はフロンティア船団とかでも珍しかったりするのか?
 そんな風にどうシェリーの質問に答えようか迷っていたところ、ちょうどいいとばかりにクレープ屋の店主から声を掛けられる。

「はい、チョコバナナとベリーベリーベリーのスペシャルお待ち」

 さすがと言うべきか、あっという間に完成したクレープが包み紙ごと手渡される。

「へぇ、こうして見ると凄く美味しそうよね」
「へっへっへ。姉ちゃん、甘く見て貰っちゃ困るな。美味しそうじゃなくて、美味しいんだよ」

 ニヤリとした笑みを浮かべて告げる店主に、シェリーもまた不敵な笑みを浮かべながらクレープを受け取る。

「へぇ、あたしの舌を満足させられるんなら、このお店を贔屓にしてあげてもいいわよ」

 そう告げ、焼きたてのクレープを口に運ぶシェリー。その様子を横目に見ながら、俺も渡されたクレープへを口へと運ぶ。
 まず最初に感じたのが、クレープ生地の柔らかな噛み応え。そのすぐ後に生クリームの甘さが来て、次の瞬間にはベリー系の酸味が甘さを和らげる。
 ……うん、言うだけあって美味いな。
 にしても、ベリー系とは言っても俺の知ってるベリー系じゃないんだろうな。恐らくはフロンティア船団で独自に改良されている種類か。
 まぁ、俺の知っているベリー系と言っても苺、ブルーベリー、クランベリー、ラズベリーくらいしか無いんだが。

「……なるほど。確かに言うだけの事はあるわね。チョコレートも苦みの強い物を使っているから、それが生クリームのアクセントになってるし、バナナも自然な甘さなのに、十分に自己主張してるわね」
「へへっ、どうだい? お嬢ちゃんの贔屓になれるレベルかな?」
「そうね、この味には十分に満足出来たわ。また来る事もあるでしょうけど、その時はよろしくね」
「まいどあり」

 何でシェリーはこうも先天的に偉そうなんだろうな。
 いや、俺が人の事は言えないってのは分かってるんだが。
 手元にあるクレープを食べながらどこか呆れた様にシェリーを見ていると、不意にシェリーがこっちを見る。

「どうしたの? ああ、なる程。アクセルもチョコバナナ味を食べてみたいんでしょ? はい、1口食べてもいいわよ。その代わり、そっちのクレープも頂戴」
「いやまぁ、俺は構わないが……」

 そもそも間接キス云々といった事で恥ずかしがる年齢でも無いしな。
 そう思いつつ、差し出されたチョコバナナのクレープを食べ、チョコとバナナと生クリームの濃厚な味の三重奏に驚きつつも、俺の持っているクレープを差し出す。

「あら、思っていたよりも酸味が強くてさっぱりしてるわね。こっちもこっちでいい感じだけど」
「お客さん、イチャつくんならここじゃなくて他の場所でやってくれませんかね? 営業妨害もいいところなんですが」

 クレープ屋の店主がそう告げてくるが、その顔に浮かんでいるのは言葉通りに迷惑そうな顔ではなく、ニヤニヤとしたどこか面白がっている笑みだ。

「イチャつくって……こんな年下の子供相手に、そんな訳ないじゃない。でもまぁ、確かに……」

 周囲を見回したシェリーは、視線を集めているのに気が付いたのだろう。小さく肩を竦めて残っていたクレープに齧り付きながら、俺の手を引っ張って歩き出す。

「確かにここで話してたら邪魔になるわね。ほら、行くわよアクセル。今日という時間は今この時だけのものなんだから。思う存分に楽しみましょ」
「そうだな。どうせ付き合うんなら、楽しんだ方が得か。で、次はどこに行く?」
「そうね。どこかお薦めの場所ってある?」

 クレープを頬張りつつ尋ねてくるシェリーに、俺もまた最後の1口を食べ終えて首を捻る。
 そもそも、ギリアムと出回った程度しかフロンティア船団内は出歩いていない。当然お薦めの場所なんかがある訳もなく。
 そこまで考え、ふと数日前にミハエルがクランにアイランド3に連れて行かれたとか言っていた事を思い出す。
 確かアイランド3は環境艦であり、その中身は農業プラント艦らしい。つまりは、フロンティア船団内の食料を数多く生産している場所だ。同時に、美しい自然環境を維持しており、南国風の島とかもあって観光用としても人気だとか何とか。

「アイランド3に行ってみるか? ここからだとちょっと時間が掛かるけど、人気のスポットらしいぞ」

 その言葉に一瞬嬉しそうな雰囲気を発したシェリーだったが、やがてすぐに溜息を吐きながら小さく首を振る。

「残念だけど今日はこの艦の中だけでお願いするわ。グレ……えっと、付き添いの人に出掛けるのは何とか許可を貰ったんだけど、この艦の中だけって約束だったから」
「……へぇ」

 付き添いねぇ。そんなのが付いているとなると、どこかのお嬢様か何かか? まさかこの年齢で――サングラスと帽子でしっかりと確認は出来ないが――企業の社長とか……あぁ、いや。ルカがL.A.Iの特別技術顧問なんてやってるのを考えれば、シェリーが責任ある立場でもそれ程おかしくは無いのか?
 そもそも、俺の立場だって今は15歳の外見でシャドウミラーの代表って事になってるしな。

「アクセル?」
「いや、何でも無い。ならそうだな。俺としては興味無いけど119とかいう場所に行ってみるか?」

 ちなみに、これに関してもミハエル情報だ。……もっとも、こっちに関してはクラン以外の女とのデートで行った場所らしいが。
 尚、それを知られたクランにハートブレイクショットを食らっていたのは、いつもの光景として特に誰にも見向きもされなかった。
 あの2人は何でくっつかないんだろうな? ルカからは幼馴染みだって聞いてるけど。

「119? 何それ?」
「フロンティア船団で人気の服屋とかが集まっているらしい」
「らしいって……アクセルは行った事ないの?」
「ああ、ファッションとかはあまり気にしていないしな」

 そもそも、ファッションの流行廃りはその世界によっても違う。そんな中、色々な世界に移動する俺がその辺を気にしすぎたら、移動する度に大量の服を持って歩かなきゃいけなくなる。それなら流行廃りに関係無く軍服を着て……いや、今はS.M.Sだからシャドウミラーの軍服を着るのはおかしいのか。

「全く。男の子なんだから、もうちょっとお洒落に気を使いなさいよ。じゃないと女の子にもてないわよ?」
「そうかもな。……で、どうする? 119に行ってみるか?」
「うーん、そうね。人気の服屋が集まっているって事は、当然人も多いのよね?」
「まぁ、そりゃそうなるだろうな」

 俺の言葉に数秒程考えた様子を見せ、やがて首を小さく左右に振る。

「今は人混みって気分じゃないから、その119って場所はやめておくわ。それより、他の場所を知らない?」
「そう言われてもな、アイランド3も119も駄目と来れば……ああ、じゃあグリフィスパークの丘にでも行ってみるか?」
「グリフィスパークの丘?」
「ああ。このアイランド1にある、かなり広い公園だな。アイランド1の市街を一望出来るらしいし、他にも天文台とか記念碑があったか」
「へぇ、天文台ってのはちょっと興味深いわね。分かったわ。アクセル、そこに案内しなさい」

 既に慣れたかの如く俺にそう言ってくるシェリーを引き連れ、俺はグリフィスパークの丘へと向かうのだった。





「うわぁ! 確かにここは凄いわね」

 丘の上から一望する市街地の様子に、感嘆の声を漏らすシェリー。
 実際、この場所から見える景色は一瞥の価値があるだろう。まぁ、これもまたミハエル情報なのだが、夜景が綺麗で夜のデートスポットとしては最適らしいしな。尚、この話を聞いた時のミハエルはクランからシャイニングウィザードを食らっていた。

「夜になれば夜景でもっといい景色だったんだが」
「あら? 誰かと夜にここに来た事があるの? 随分とませてるわね」
「いや、同僚に聞いただけだ。夜にここに来たのは俺もないな。それよりもさっきから散々人の事を気にしているが、シェリーの方はどうなんだ?」
「どうって? 何が?」

 ポカン、とした表情を浮かべるシェリー。どうやら本気で俺が何を言っているのか分かっていないらしい。

「お前の恋愛関係だよ。人の話ばかり聞いてないで、そっちの話もしてみたらどうだ?」
「あ、あたし!? そんなのある訳ないじゃない!」

 何故か慌てたようにそう叫ぶが……もしかして、男に興味がないタイプだったか? あるいは単純に同性愛者か?
 するとシェリーはその視線で俺が何を考えているのか悟ったのだろう。再びどこか慌てたように言葉を取り繕う。……これはもしかしてビンゴだったか?

「そ、そんな事を言うんならこれをあげないわよ!?」

 そう言い、何故か胸の谷間からライブチケット2枚を取り出すシェリー。
 ……確かに大きいが、別にそこに隠さなくても……

「はぁ、とにかく今日は楽しかったわ。約束だし、これはあげる。はい」
「ああ、助かった」
「いい? あたしがチケットをあげたんだから絶対にライブに来なさいよ!」
「いや、このチケットは俺が使うんじゃなくて……」
「アクセルが頼まれたのは1枚だけでしょ。2枚あるんだから、あんたも絶対に来る事! いいわね! でないと……」

 そう言い、再び胸の谷間へとチケットを戻そうとするシェリーに降参だとばかりに両手を上げる。

「分かったよ。俺も行く。それでいいんだな?」
「そうよ。分かればいいの」

 得意げな笑みを浮かべ、チケット2枚を俺へと手渡すシェリーだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:41
PP:255
格闘:274
射撃:294
技量:284
防御:284
回避:314
命中:334
SP:734
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???
    ???

撃墜数:560 
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