FAIRY TAIL 友と恋の奇跡
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第186話 合体人間
前書き
紺碧の海、登場~☆
今回は大魔闘演舞4日目バトルパートの続きです。それと、久々に『謎の少女』の事も書いていきます。
ナレーション風です。
それでは、第186話・・・スタート☆
チャ「それでは続いて第3試合、蛇姫の鱗、リオン&トビー!!VS海中の洞穴、アニー&アリー!!」
会場に性格が真逆のリオンとトビー、全く似てない双子のアニーとアリーが集う。
リョ「グレイの兄弟子と、犬っぽ―――――」
ト「俺は犬じゃねぇよっ!これはただの飾りだよっ!」
リョ「まだ最後まで言ってねぇよっ!」
グ「(被ってるぞ・・・)」
「犬っぽい人」と言おうとしたリョウの言葉を遮るようにトビーが振り向いてキレ、リョウもまだ最後まで言ってない事に反論する。その怒り方が少しトビーと被ってる事にグレイは気づいたがあえて言わなかった。
エ「確か、アニーとアリーは双子・・・だったよな?」
ナ「全く似てねぇよな。」
ユ「でも、息はぴったりみたいだよ。」
ユモが可笑しそうに小さく微笑みながら会場にいるアニーとアリーを見つめる。
ア「よぉ~し!このバトルに勝って、0ポイント獲得するぞーーーっ!」
アリ「勝ったら10ポイントでしょ。それに、0ポイントだったら「獲得」って言わないでしょ。」
ア「あ、そっかぁ~☆」
高く結えた金髪のポニーテールを激しく揺らしながらアニーは握り締めた拳を空に掲げて意気込むが、言ってる意味がものすごい間違いをしてる事に気づかず、すぐアリーにツッコまれ冷静に指摘された。
2人の言動を見て、観客達の間に笑いが起こる。
ヤ「まるで漫才をスてるみたいだねぇ。」
チャ「対するリオン選手とトビー選手も、性格が真逆ですからね。」
ラ「真逆コンビのタッグバトルですか。ありがとうございます!」
そこはお礼を言う場面ではない。
イ「ア・・アニーさん・・・」
ハル「アハハハハ・・・」
海中の洞穴の待機場所でも、イレーネとハルトが曖昧な笑みを浮かべていた。
ハル「まぁでも、アニーさんもアリーさんも強いから、大丈夫だと思うな。」
イ「そうだね。」
バ「このバトル、きっと面白くなりそうだよ。」
ハルトとイレーネが振り向くと、壁に寄り掛かった状態でアニーとアリーの事を笑顔で見つめるバロンがいた。
バ「容姿も性格も言動も真逆の双子、アニーとアリーだけど、僕的にあの2人は、“史上最強”の双子だと思うよ。」
ハル&イ「えっ?」
ハルトとイレーネはバロンの言葉の意味が分からなかったが、バロンはアニーとアリーを見つめたまま、それ以上の事は何も言わなかった。
チャ「第3試合、開始ッ!!」
チャパティ・ローラの実況と共に像の上にいる男が銅鑼をゴォォォォォン!!と力強く叩いた。
最初に動きを見せたのは、零帝の異名を持つリオンだった。握り締めた右拳を広げた左掌に乗せ、冷気を溜めると、
リ「アイスメイク、鷲ッ!!」
薄緑色をした無数の氷の鷲がアニーとアリーに襲い掛かる。
アニーとアリーは慌てる素振りも見せずに、アニーは光銃を、アリーは闇銃を腰のポシェットから取り出すと、
ア「光弾・・・乱射!」
アニ「暗闇弾・・・乱射!」
金色の光を纏った無数の弾丸と、どす黒い闇を纏った無数の弾丸が次々に放たれ、氷の鷲を次々に打ち砕いてく。すると、
ト「麻痺爪、メガクラゲ!」
ア「おっ!」
アニ「!」
粉々になった氷の鷲の影からトビーが飛び出して来て、爪が長くなった両手を大きく振るう。
いきなり飛び出して来て一瞬驚いたアニーとアリーだが、冷静にトビーの攻撃を避けると、
ア「稲妻弾!」
アニ「真夜中弾!」
雷を纏った弾と、黒い光を纏った弾をトビー目掛けて同時に放つ。トビーも意外な事に、その場ででんぐり返し(?)をしてアニーとアリーの攻撃を避け、今度はアニーだけに攻撃を仕掛ける。
ト「オオーン。そんな攻撃、当たる訳ないだろ。」
ア「その言葉、そっくりそのまま返させてもらうよっ!」
ト「おぐわっ。」
アニーがトビーの鳩尾に蹴りを1発食らわせ、ステップを踏むようにトビーから距離をとると、光銃の銃口をトビーに真っ直ぐ向けた。
リ「トビー、避けろっ!」
逸早く察したリオンが声を荒げるが遅かった―――――。
ア「月光弾!」
アニーが叫んだのと同時に光銃から放たれたのは弾ではなく、煌々と輝く金色の光。月光が会場を明るく照らし出す。
ト「オオーン。」
リ「くっ・・目晦まし、だと・・・」
あまりの眩しさにトビーと両手で両目を覆い、リオンも右腕で覆うようにしながら、左目だけを薄く開ける。
ト「オオーン。全く、見えねーな。」
両目を両手で覆ってたら見えないのは当たり前だ。そんなトビーの背後に忍び寄る黒い影―――――。
アリ「特大サイズ・・・」
ト「!」
トビーが振り返った時には、すでに闇銃の銃口を自分に真っ直ぐ向けたアリーがいた。よく見ると、アリーは黒いレンズのサングラスを掛けていた。
ト「そんな物あるなんてずるすぎるだろーっ!」
アリ「大魔闘演舞に「サングラスを持ち込んではいけません」という規律はないでしょ?」
正論を述べるアリーに、トビーはそれ以上何も言い返す事が出来なかった。そして―――――、
アリ「暗闇弾・爆発!」
どす黒い光を纏った通常の弾丸より遥かに大きい弾丸がトビー目掛けて放たれ、トビーに直撃する寸前の位置で爆発した。
ト「オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛ッ!」
至近距離での爆発はもちろんかわす事が出来ずトビーは爆発に巻き込まれ、頭がアフロヘアーになった状態で倒れ気絶した。それと同時に月光が治まった。
チャ「トビー選手ダウーーーーーン!」
ヤ「なかなかの戦法だったねぇ。」
ラ「これで2対1ですね。ありがとうございます!」
アリーはサングラスを外し、駆け寄って来たアニーとハイタッチを交わした。
ル「えっ?あの犬っぽい人、いつの間にか倒れちゃってるし!」
ショ「光で目晦ましされてる間に、倒されたみたいだな。」
ハ「見逃しちゃったよ~。」
どうやら観客のほとんどがトビーが倒される瞬間を見逃したみたいだった。
会場に残るは氷の造形魔道士と双子の銃士。リオンは透かさず造形魔法の構えを取り、両手に冷気を溜める。アニーとアリーがすぐ攻撃を仕掛けてくると判断したから取った行動だった。
リ「アイスメイ―――――」
ア「S・T・O・P!」
リ「はっ?」
アリ「「STOP」って言ってる。」
攻撃しようとしたリオンをアニーが意味不明な言葉で止め、その言葉の意味をアリーが冷静に通訳する。
リ「何だ。俺の造形魔法の迫力に怖じ気づいたのか?」
ア「違う違う。そんくらいで私が怖じ気づく訳ないじゃん。もちろん、アリーもね☆」
アリ「うん。」
本人は気づいてないようだが、結構失礼な事を言っている。
ア「あの犬っぽい人を倒して、君は私達相手に1人で戦わないといけなくなっちゃったでしょ?」
リ「それがどうした。」
ア「いや~、私もアリーも2対1で勝ちを手に入れるほどせこい人間じゃないからさ。」
リ「だからそれがどうしたと俺は聞いてるんだ。グズグズしてると攻撃するぞ!」
そう言って造形魔法の構えを取り、両手に冷気を溜める。
ア「せっかちな人だなぁ。これなら実際にやって見せた方が早いかもね。よしっ!じゃあアリー、いくよっ!」
アリ「アニーも十分せっかちだと思うよ。」
そう言うと、アニーとアリーは背中合わせになって両手を組んだ。すると、アニーとアリーの足元に白い魔法陣が浮かび上がり光出した。
チャ「背中合わせで手を繋いだアニーとアリー。いったい、何をするつもりなんだーーーっ!?」
チャパティ・ローラの声が会場に響き渡る。そして―――――、
ア&アリ「合体人間ッ!!」
白い魔法陣の輝きが増し、アニーとアリーを包み込んだ。
ナ「うぉおおぉぉおっ!」
エ「ここからでも、すごい魔力を感じる・・・!」
グ「つーか、合体人間って何なんだよ。」
グレイの問いに答えるかのように光が治まった。会場に視線を移すと、目を見開いているリオンが信じられないものを見たような表情でその場に立ち尽くしていた。
そして、先程までアニーとアリーがいた場所には2人の姿はなかった。まるで入れ替わったかのようにそこにいたのは、毛先だけが黒い金髪を低い位置でポニーテールに束ね、何かを見透かしているかのような青い瞳。黒と黄色のティアードワンピースに、白いショートブーツ。腰にある2つのポシェットに光銃と闇銃を装備した少女―――――。
チャ「な・・なな・・・なななな何という事だぁぁぁっ!アニーとアリーが、1人の人間になってしまったぁぁぁぁぁっ!!」
そう。この少女が、アニーとアリーなのだ。
ル「はぁっ!?」
ハ「なんじゃそりゃーーーーーっ!?」
ショ「あれ・・・魔法、なのかぁっ!?」
会場が驚嘆の声に包まれる。
リョ「・・・初めて、見た。」
リョウが独り言のように呟いた。
ユ「リョウ、合体人間って何?」
ユモが目を見開いているリョウの顔を覗き込んで問う。
リョ「合体魔法なら、聞いた事あるだろ?それと似たような原理で、別々の2人の人間が1人の人間になって、更に威力を高める事が出来る、合体魔法よりも超高度な技だ。条件は同じで、本当に息の合った2人の人間じゃないと発動出来ないんだ。まさかこんな間近で見られるとは、思ってもみなかったけどな・・・」
妖精の尻尾の情報網であるリョウでも、実際に見るのは初めてだったらしく、驚きを隠せずにいた。
ハル「アニーさんとアリーさんが・・・」
イ「合体しちゃったぁ~!」
合体人間の事を知らなかったハルトとイレーネも驚嘆の声を上げる。
バ「これで1対1のバトルになった。でも、有利なのはアニーとアリーの方だ。合体した事によって、技の威力が高まったんだから。」
バロンは笑みを崩さずに呟いた。
リ「驚いたな。そんな隠し技を持っていたとは。」
アニ「別に隠してた訳じゃないよ。それと、この姿の時、私はアニーでもアリーでもないわ。私の名前は“アニリー”。さぁ、バトルの続きを始めよっか、零帝君。」
そう言いながらアニリーはポシェットから光銃と闇銃を取り出した。
因みにアニリーの口調はアニーだが、声はアリーだ。
リ「行くぞっ!アイスメイク、白虎ッ!!」
氷の虎がアニリーに襲い掛かる。アニリーは光銃と闇銃の銃口を真っ直ぐ氷の虎に向けると、
アニ「混沌!闇光弾・・・乱射!」
叫んだのと同時に2つの銃の引き金を引いた。黒い光と金色の光を纏った2つの弾丸が空中で1つに合わさり、氷の虎をたった1発で粉々に砕き、
リ「ぐぉあぁあっ!」
残りの弾丸は全てリオンに直撃する。
チャ「こ、これはすごい威力!合体人間をした事で、アニリーの攻撃力が上がっているーーーーーっ!これはアニリーの方が有利かーーーーーっ!?」
アニリーは余裕な笑みを浮かべており、右手で光銃を、左手で闇銃を器用にくるくると回している。
その時―――――、
グ「なーにやってんだリオン!」
妖精の尻尾の待機場所からグレイが叫んだ。
グ「さっきからずっと見てりゃぁ、やられっ放しじゃねーかっ!いい加減お前の本気を見させろっ!リオン!」
グレイの言葉にリオンは薄く微笑むと、
リ「お前に言われなくとも、こんな女に負けるほど俺は、軟弱者ではない!アイスメイク、蛟ッ!!」
両手を構え、冷気を溜めると巨大な氷の蛇を造形する。
アニ「何度やったって同じ事!混沌!闇光弾・・・乱射!」
無数の弾丸が放たれ、空中で1つに合わさり氷の蛇に向かって真っ直ぐ飛んでいく。が―――、
アニ「えっ・・・?」
氷の蛇は大きくとぐろを巻いて弾丸を全てかわしていく。
アニ「弾が、当たら―――――キャアァアアッ!」
氷の蛇に球が当たる前に、アニリーに氷の蛇が襲い掛かった。
グ「はぁ。」
ユ「兄弟子さん、すごいね。」
グレイがほっとしたようにため息をつき、ユモはそんなグレイを見て微笑んだ。
リオンは荒く呼吸をしており、アニリーは時々ふらついている。すでにボロボロだが、両者共倒れる事はない。
アニ「零帝・・・は、異名だったよね。君、名前・・・なんだっけ?」
口元の血を手の甲で拭いながらアニリーが問う。リオンは両手に冷気を溜めると、
リ「リオン・バスティア。蛇姫の鱗の魔道士だ。」
氷の剣を造形した。
アニ「リオン君か。うん、覚えた。私、君とバトルするの好きかもしれない。でも、今日のバトルはこれで最後だよっ!」
リ「それはお互い様だぁぁっ!」
リオンとアニリーは同時に小さく地を蹴り駆け出した。リオンは氷の剣を振りかざし、アニリーは光銃と闇銃の引き金に指をかけた。
チャ「両者、これが最後の一撃!果たして、勝つのはいったいどっちだーーーーーっ!?」
リオンとアニリーの距離が徐々に縮まっていく。
アニ「混沌―――!」
リ「うおおおおおおおおおおっ!」
銃口を向け、剣を振り下ろした―――――。
その時、カンカンカンカンカンッ!とけたたましい鐘の音が鳴り響いた。リオンとアニリーの動きがお互いの鼻先がくっつきそうな位置で止まった。
チャ「あぁっとっ!ここで時間切れだぁぁぁっ!試合終了ォォォ!この勝負引き分け!両チーム5ポイントずつ獲得です!」
ヤ「後1歩、惜スかったねぇ。」
ラ「ものすごく熱かったです。ありがとうございます!」
アニリーが合体人間を解除し、アニーとアリーの姿に戻る。当然の事だが、合体してたとは言えアニーとアリーも傷だらけだ。
ア「ん~~~~~っ!ふぅ~、楽しかったぁ~♪ねっ、アリー?」
アリ「うん。」
アニーが思いっきり伸びをする。傷だらけでありながら、アニーとアリーの顔には満面の笑みが浮かんでいた。
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妖精の尻尾専用医務室では、映像魔水晶で第3試合を見ていたマヤ、フレイ、ウェンディ、シャルル、トーヤがいた。
ウェ「すごかったですね!」
シャ「2試合連続で怪奇現象みたいな事が起きてるけどね。」
地面を縫い付けたり、2人の人間が合体して1人の人間になったり・・・現実では絶対に有り得ない事がとんとん拍子のように起きている。
マ「アハハハ!2回連続面白いバトルだったなぁ~。」
フ「お前呑気すぎるだろっ!」
場違いな事を言うマヤにフレイが透かさずツッコミを入れる。
ト「後半から強い人達が続々出て来ますね。」
ポ「何当たり前の事を言ってるんだい。そういう魔道士しか出場出来ないからね、大魔闘演舞ってのは。」
ト「そうでした。」
会話を弾ませていたその時、映像魔水晶からチャパティ・ローラの「試合終了ォォォ!」という実況の声が聞こえた。一斉に視線を映像魔水晶に向けると、体が壁にめり込んで気絶している四つ首の猟犬の魔道士、バッカスとセムスと、気楽な禿鷹の魔道士、白い羽を持ったジェニックと、横に伸ばした右手に3羽の魔法鳥を乗せたラムが映っていた。
チャ『勝者、気楽な禿鷹!!10ポイント獲得です!』
ヤ『何か、やけにあっさりと終わったねぇ。』
ラ『とけも呆気なかったです。ありがとうございます!』
マヤ達はしばらくの間、映像魔水晶から目を離す事が出来なかった。
フ「・・・どうやら話し込んでる間に、第4試合が終わっちまったみてぇだな。」
フレイの声でようやく全員映像魔水晶から目を離した。
マ「呆気なかったみたいだね。」
シャ「どうりで早すぎると思ったわ。」
ウェ「そ・・それで済ませちゃって良いのかな・・・?」
ト「さ、さぁ・・・?」
ウェンディとトーヤは曖昧な笑みを浮かべる事しか出来なかった。
ポーリュシカだけすぐに薬の調合に励んでいた。
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ここは、とある空き家の地下室。
地下だから当然辺りは薄暗い。明かり、と呼べるものは宙に浮いた青白い光だけ。初めて見た者は火の玉だと思うかもしれないが、これは白く光り輝く電気魔水晶であり、宙に浮かせる為に球体の水の中に浮かしてるだけである。だから光が、青白く見えるのだ。
その電気魔水晶の明かりだけが頼りになる地下室に『謎の少女』はいた。木造の椅子に足を組んで腰掛けており、右手にはグラスに入ったワインをくるくると回している。グラスには注いでいるが、ワインは1口も飲んでいない。グラスに入ってるワインを見て、『謎の少女』は呟いた。
?「血・・みたいね。」
木造の机の上には彼女自身が開発した情報検索魔水晶が起動しており、『極悪十祭』の事が書かれているページが開かれていた。
?「『極悪十祭』まで、後どれくらいの時間が残っているかは分からないけど・・・」
そう言いながら『謎の少女』は、ワインが入ったグラスを机の上に置き、黒いフレスカートのポケットから5枚の写真を取り出した。
?「この子達は恐らく、死ぬ事はないはずよ。」
不気味に微笑んだ。
左から5枚の写真に写っているのは、妖精の尻尾の魔道士、トーヤ、ユモ、マヤ、リョウ、ショールだった。
切れてしまっていて顔は写っていないが、トーヤの写真にはウェンディの長い青い髪の毛とシャルルの白くて長い尻尾、ユモの写真には白いロングコートを着たグレイの腕、マヤの写真にはナツの腕とハッピーの青くて長い尻尾とフレイの赤い翼、リョウの写真には右手の甲にピンク色の妖精の尻尾の紋章が刻まれたルーシィの右手、ショールの写真にはエルザの長い緋色の髪の毛が写っていた。
?「逆にこの子達が死んじゃったら、私が困るもの。だって・・・」
そこまで言うと写真を宙に放り投げ、どこからかナイフを5本取り出し、狙いもせずに投げた。『謎の少女』が投げた5本のナイフは宙に放り投げられた写真に突き刺さり、ズゴッ!ガンッ!という鈍い音を立てて壁に突き刺さった。
?「私が殺せなくなっちゃうじゃないの。」
そう言うと、『謎の少女』は首に提げていた銀色のひし形の形をしたロケットペンダントを外し、ひし形の中央を軽く押した。中には2人の少女の写真が入っていた。1人は青い髪に青い瞳の少女で、もう1人は赤い髪に赤い瞳の少女。
?「もうすぐ、もうすぐだから、待っててね・・・アン。」
一度ロケットペンダントを胸に抱いた後、『謎の少女』は、まるで何かに憑かれているかのように高らかに笑い叫んだ。
壁に突き刺さったマヤ達の写真―――、これが偶然なのか必然なのかは分からないが、5本のナイフが全て、写真に写っているマヤ達の心臓辺りに突き刺さっていた―――――。
後書き
第186話終了で~す☆
えーっと、最後がものすごくシリアスになってしまった気がするのは私のきのせいだろうか・・・?
ところで、なぜ第4試合をまともに書かなかったかというと・・・理由は2つ!
・思いつかなかったから(流石駄作者紺碧の海)。
・一刻も早く第5試合を書きたかったから。
いい加減でスミマセン・・・
次回はいよいよ!妖精VS銀河の因縁の対決が―――――!
次回見逃したら、いけないよっ☆
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