生物語
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五話
前書き
前回の続きです
走っても走っても怪異は付いて来る。
しつこく素早く的確に俺を追い回し後を付けて来る。
「相棒、マジで死ぬぞ?」
「、、、、、、、、、、、、、、、、、、」
俺は無言を貫いた。
疲れるからと言えば言い訳に聞こえるが少し違う。
「走るのは相棒の勝手だが相棒が死んだら俺も死ぬ。
そこんとこよく考えて行動してくれよな」
「、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、」
俺はまた無言を貫いた。
俺が死ねば猫は死に猫が死ねば俺が死ぬ。
運命共同と言っても過言ではない俺達は互いに護りあい助け合う。
「おっと相棒、もう少しすれば墓場を抜けるぜ」
その言葉に俺は前を向いた。
そこにはお馴染みの校舎、体育館、食堂が見える。
あそこ迄、逃げ着れば俺達の勝ちだ。
「よくここまで走ったな相棒
俺を使えばあんな奴、一発で風穴を空けてやったのによ」
嘘ではない猫の言葉
俺が本当にピンチになったら猫は多分、俺の身体を乗っ取り俺達を追ってきている怪異を殺すだろう。
だが俺は猫にそんな事をして欲しくない。
それに奴にも理由が有るかも知れない。
俺達を追ってきている怪奇は闇雲に俺達を追い回しているのではなく理由を持って俺達を襲っている。
俺はそう考えそう信じそう確信し俺は走ったのだ。
「と、届け!!!」
俺は残り墓場と学校の境目の中間にジャンプした。
距離は大体としか言えないがここから約、25m!?
「うわぁーーー!ーーー!?」
浮遊感が俺を襲った。
まるでバンジージャンプを無理矢理やらされた感覚
実際にバンジージャンプをやった事はないが感覚的には恐らくこんな感じなのだろう。
「バーーーーーーーーん!!!」
爆発音に近い音が鳴った。
「たく、相棒も無茶するぜ。
今の状態の相棒は人間も同然なんだぜ。
それを知ってて崖を飛び越えようとするのは頭のネジが飛んでるか逝かれてるか。
ま、どっちもさほど変わんねぇけどな相棒の場合だと」
俺は生きていた。
身体に異常はなく怪我もなく身体的ダメージも存在せず俺は生きていた。
「ね、猫が助けてくれたのか?」
「おうよ。
流石に相棒のノーマル状態だと流石にさっきのは死んじまうかも知れなかったからな」
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