艦隊これくしょん! タウイタウイ泊地の双子提督!
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第一話 フラグ建造士 アリス☆提督
前書き
四コマを意識して書いてるが、何と長くなった。
二次創作を初めてやってみたけど、キャラを動かす勉強になるし、何より楽しいね!
最初はやっぱり自分の部屋がどうなっているかすごく気になるもの、そう思い、私はある意味旅行でホテルに泊まったような胸をドキ☆ドキさせて鉄製の扉を開いた。
ギギギっという、鉄製の扉特有の重々しい音が響く。…… あれ、鉄製の扉でもこんな西洋のお城にあるような門を開く音って出るっけ? どう考えても錆びてるよね?
「oh……」
私は扉を開けて自分の視界に映っている光景を見て、がっくりと肩を落とした。
まず目に入ったのは、片隅に置かれているダンボールの積まれた山、そして、真ん中にちょこんっと置かれているほんの少しの優しさ的な感じで置かれている机(みかん箱)がこの部屋の悲壮感を促している。
床も埃っぽいし、いい、一体何故こんな悲惨な事に?
「司令官が着任する前に以前、司令官が使っていたお部屋なのです……え、えっと。お気に召しましたか?」
電ちゃんが笑顔で私にこの部屋の説明をする。
私はショックで若干固まりながらも電ちゃんに礼をした。
「アアア、アリガトウ。トッテモキニイッタワ……」
「それは良かったです!」
彼女は私の答えを聞いて、ホッとしたみたいで元気になる。
こんな喜んでる姿を見たら本当の事が言えるわけないじゃない!
「あ、今からちょっと自分好みに改装してもいい?」
「どうぞなのです!」
まあ、改装と言っても、ダンボールやみかん箱の配置を変えたりとか掃除だけなんだけどね……
ただいま改装中……
良し! これできっと多少マシになった…… 筈。
指令室の真ん中にあるみかん箱と紫色のマットはそのままに、床にびっしりと落ちている埃やゴミをユウキと電ちゃんにお手伝いしてもらいつつ、掃除してキレイに根絶させた。
そして、ダンボールは書類や本を入れる本棚の代わりに左隅っこに置き、ゴミ箱代わりにする為もう一個は右側に置いた。流石ユウキ、素晴らしい案を私に提供してくれる。ちなみに不必要なダンボールは全て必要ないのでゴミ収集の日に捨てる予定。
掃除を終えた私達は息抜きに、みかん箱の上に電ちゃんが入れてくれた水を置き、紫のマットに腰を落ち着ける。
マットは三人分あったので、私の右側に電ちゃんが座れるよう、余ったマットを置いてあげており、彼女はそこに座っている。私の向かい合わせにはユウキが座っていた。
「ふぅ…… 働いた後の真水は身体に染みるぅぅぅ」
「お疲れ様です、司令官」
「あぁ……電ちゃん」
「は、はい、何でしょうか?」
「えっと、私は生まれてまだ一五歳のピチピチな女の子なんだから別にタメ口でも良いんだよ? なんかその…… 確かに司令官なんだけど、提督とか司令官だけだとなんか固いしねー」
「えっ!? でも、電は…… その、しし、司令官をたたたタメ口なななんて、恐ろしくて出来ません!」
「じゃあ、アリス司令官で手を打とう」
「そ、それなら大丈夫です!」
電ちゃんは手をパンっと叩いて微笑む。
これで上司と部下っていうかたっくるしい関係から友達っぽい関係になれば私は嬉しいです。アリス司令官アリス司令官…… うーん、まだ軍隊っぽい固さ(※海軍です)があるけど、響きがかっこいいしまあいっか!
「…………」
「ん? なになに? 今くつろいでるけど母艦を探検しなくてもいいの? あぁ、そういえばこの部屋だけで満足してしまったよ! 良し、じゃあ早速探検しよう!」
部屋から出た私とユウキは、電ちゃんに広い母艦を案内してもらう。
母艦の艦娘を修理する入渠ルームや、艦娘の弾、燃料を補給する補給室。そして、改装ルームや艦船を作る工廠ルームを見て回った。
それにしても入渠ルームはすごくリゾートな感じでした。温泉だとかマッサージ部屋だったりとかエトセトラエトセトラ。すごく、私も入渠してみたいです。
勿論、傷ついた艦娘達を治療する人間で言えば病院みたいな場所もあるけどね!
「あ、そういえば言い忘れていましたけど、ア、アア、アリス司令官も勿論入渠ルームを自由に使っても大丈夫です」
「え、本当!?」
それはなんて素敵な情報! 是非ともお仕事が終わったら温泉に入ってみたい。
あ、その前に案内の時、分からないのがあった。
私は忘れそうになった質問を思い出し、すぐに電ちゃんへ問う。
「工廠って建造以外に一体何をするの?」
工廠…… 最初漢字の読みが分からなくてユウキに教えてもらいました。
この工廠っと呼ばれる場所は案内されるときに、艦娘を建造する(※きっと日本語は間違っていないと思われ)場所っというのは分かったけど、それ以外に何か用途がありそうで、私は疑問に思い、電ちゃんに質問したのだ。
すると、彼女は少し苦笑っとも言えるような固くてぎこちない笑みをしながら、私の問いに答えた。
「工廠では、建造の他にアイテムを製造したり、そ、その。私達の…… を資材に解体したり、する場所……なのです」
か、かいた……い?
解体……?
私はその時、Z区分に指定されるようなバイオレンスな妄想をし、サーっと血の気が引く。
そして、私は心の中で固く誓った。絶対に解体はやらないと……
私達は母艦の社会科見学が終わり、再び司令官室へと戻った。
「ふへぇぇ…… 疲れたー」
「アリス司令官お疲れ様です! え、えっと、そんなお疲れ司令官に渡すのも何ですけど…… その、先程本部からアリス司令官宛にとある資料をもらいましたので、それを……」
「本部から!? えっと…… 小学生にも分かる『ていとくいらいちょー』?」
おどおどしている電ちゃんから本部から私宛に届いたとされる資料を手に取り、私は訝しく呟いた。
い、一体何だ、この人を小馬鹿にしたような名前は……!
まあいっか、取り敢えず読んでみよう。
パラパラパラーっと。
ふむふむ、リスト化されているから案外分かりやすくて内容も至って真面目だ。
これがその内容である。
・艦娘を建造せよ
・艦隊を 作って見せよ ホトトギス
・解体してみよう(これは嘘で対処)
・出撃してみよう
・遠征してみよう
・アイテムを作ろう。
等等。
「うーん、今は疲れてるけど…… まあ、簡単な方から先に終わらせよっか? そしたら後が楽になるし」
「はい、電もそう思います!」
じゃあ、早速一番初めの項目の艦娘を建造せよから……
そう思い、立ち上がった瞬間。
ビー! ビー! ビー! ビー!
「きゃっ!?」
「はわわわ!?」
突如として、ビービーっという甲高い警告音が部屋に鳴り響き、私と電ちゃんは声を上げて驚いた。
ちょちょちょ、いきなり何なの!?
「い、一体これは何事!?」
「この警告音は他司令官がここにやってきた合図なのです! しかも、艦隊で……」
「え、艦隊を率いるって……何をするつもりなの?」
「えええ、えっと、きっと…… 恐らく、演習だと思われます」
演習、それは同じ国の部隊同士がお互いの能力を上げる為に行われる、本格的な戦闘を模した模擬戦である。
でも、あくまで演習はお互いの提督同士の許可が無ければ出来ないのでは無いの? そう思い、電ちゃんに聞く。
すると、電ちゃんはちょっと震えながら口を開いた。
「え、えっと。本来の演習と違い、いきなり攻めてきたりっとかがあるのです…… すごく本格的…… ですよね?」
「確かに本格的……! まさか奇襲込みまでも演習に取り入れてるだなんて! でも、私はまだ艦隊すら作ってないのにーーーー!」
ともかく、私達は急いで甲板へと出る。
そして、いつの間にかユウキが持っていた双眼鏡をもらい、遠くの海面に浮かんでいる相手の艦隊を確認した。
「ひいいいいいい! 本当に攻めてきてるぅぅぅ!!」
私は戦々恐々し、双眼鏡を落として震え上がる。
いやいやいやいや無理でしょ!? もう私のメンタルは白旗同然よ!
「こ、ここは電が一人で戦います!」
「えっ!? 大丈夫なの、電ちゃん!?」
「大丈夫です、私は駆逐艦なのです! 回避には自信が……」
電ちゃんが勇ましく、そう高らかに宣言したその時。
ドォォォォォォン!!
耳を劈く(つんざ)ような大きな火薬の音が響き、私達は耳を塞いだ。
見ると、相手の主砲が砲弾を発射をしたみたいだった。
「ひいいいいいい! 撃った! 撃ってきた!」
「ままままだ、かかか、換装準備出来てませんよおおおおお!!?」
私達は恐ろしさのあまり、目を閉じ、ガタガタ震えながら耳を塞ぐ。
あぁ、着任してまだ数時間しか経っていないのにもう戦死してしまうのか……
私はそう思い、半ば諦めた。
……
…………
………………
あれ?
相手は主砲を撃ったはずなのに、いつまで経っても着弾しない?
もう黒焦げになってもいいはずなのに?
私は恐る恐る目を開ける。
すると、艦隊達は何故か一戦も交えようとはせずに帰っていった。おや、もしかして私達がまだ着任したばかりだと気づいた?
「よ、良かったぁ~」
そう思うと、一気に緊張が解けて安心し、バタッと大の字で甲板の上に倒れる。
あぁ…… 空が眩しい……!
「……」
「あれ、ユウキ? どしたの?」
ユウキは無表情で何か包みみたいなものと、それと、手紙を私に渡す。
彼女曰く、主砲からこれが届いたそうな。
なんて人騒がせな宅配なの……!
「戦いじゃなくて良かったのです……」
「そうよね、いやー、恐かったぁ。ともかく手紙が届いてるから読んでみるね」
「はいなのです!」
私は笑顔で白いお手紙を広げる。
手紙には、汚い文字でこんな事が書かれていた。
「拝啓。今日タウイタウイ泊地へ着任した提督殿へ、先輩からとってもありがたいお届け物でございやがります。洗礼として喰らいやがってください。テメーラまとめてBOOOOM(ブーン)だぜ!!」
読了し終わった私は、全く意味が分からず、頭にクエスチョンマークを浮かべる。
電ちゃんも私と同じく首を傾げていた。
えっと…… つまり、どういう事?
まあ、取り敢えず包を開ければ分かるのだし、早速開けてみよう。
私は白い布で覆われていた包を微笑みながら開いていく。
そして、包まれていたものがその姿を現した時、私は微笑みながら固まった。
カチカチカチカチっという、音と共に、シューっという、導火線に火が付いたような音。
時計じかけのダイナマイトでした。
ドカン!!
その後、私達三人は治療をする為に担架で運ばれて入渠したのだった。
初めて入渠した換装(感想)? 最悪だよ……
まさか、あの時見学していた時に吐いた台詞がフラグだったなんて…… ガクリ……
後書き
/(^o^)\<ナンテコッタイ 電ちゃんの台詞修正忘れてたぜてへ☆ぺろ ともかく、提督→司令官へ戻しました。
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