『曹徳の奮闘記』改訂版
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第二十八話
『ハハハッ!!』
「……相変わらず五月蝿いな……」
俺は宮中の外での警備中に聞こえてくる宦官の笑い声に呟く。
洛陽に来てから一週間が経った。
相変わらず、宮中では黄巾軍を滅ぼした祝勝会が延々と続いている。
「ようアル中にならんよな?」
昔の人間は酒に強いのか?
「警備ご苦労様。交代だ」
そこへ、幽州大守の公孫賛が警備の交代に来た。
「悪いな公孫賛殿」
四コマとかでは普通とか言われてるけど、普通がいいんだよなぁ。
武が優れていても知を知らなければ将にはなれないしな。
その点、公孫賛は武もあり知もある。
「な、何だ? そんなに見つめるなよ……」
おっと。
「これは失礼。いやなに、公孫賛殿は中々の武と知を持つと言われているのでつい見入ってしまった」
「そ、そんなお世辞を言うなよ。照れるじゃないか」
公孫賛が顔を朱くする。
「別にお世辞じゃないんだけどな……まぁ後は頼むよ」
「あ、あぁ………」
俺は宮中から屋敷に帰った。
―――屋敷―――
「おぉ戻ったか長門ッ!!」
袁家の屋敷に戻ると、そこには桜花がいた。
「お、桜花? どうしたんだ一体?」
俺はそう言いつつ桜花に抱き着く。
「こ、こら抱き着くなッ!! し、霞から聞いたんだ。お前が洛陽にいると聞いてな」
「そうか。うぅ~ん、桜花の匂い~」
「だから嗅ぐなッ!!」
バキィッ!!
「グェッ!?」
あたたた……桜花に殴られた。
「全く………」
「悪い悪い、久々だったからな。そういや昼メシは食べたか?」
「いやまだだ」
「なら俺が奢るよ。来るか?」
「勿論、行くさ」
……まさかの桜花とのデートキタァァァーーーッ!!!(゜∀゜)
そして俺達は屋敷の近くにあるメシ屋で一緒にメシを食べていた。
「……最近の奴らは弛んでいるからな。鍛えがいがあるからな」
「そうか。そっちも頑張ってるな」
「あぁ、董卓様を守るためなら何でもするさ」
俺は焼き飯を食べる。
「ん? おい、ご飯粒が付いているぞ」
「ん?」
桜花が左頬に付いていた焼き飯のご飯粒を取って食べた………。
「ブハァッ!?」
「え? お、おい、いきなり鼻血を吹いてどうしたッ!?」
俺がいきなり鼻血を吹いた事に慌てる。
「い……いやいや大丈夫や。大丈夫だからな」
俺は鼻を抑える。
「そ、そうか? それならいいが……」
……桜花は鈍感なのか?
「まぁ桜花が可愛いからいいけどな」
「なッ!? か、可愛いだとッ!!」
あ、声に出てたな。
「まぁ事実だぞ?」
「……………」
ぁ~頭から湯気が出てるな。
「あら? 華雄も可愛いところがあるじゃない」
ん?
「って夏蓮に孫策か」
何でかおるし、飲んでるし。
「私達も呼ばれていたんだけど、宦官相手に気持ち悪くてね。抜け出してきたら長門と華雄がいたのよ」
「そ、孫堅ッ!? 此処であったが何とやらだッ!!」
「暴れるな桜花」
暴れそうだった桜花の胸を触る。
「ニャアァァァッ!?」
桜花が顔を真っ赤にする。
「……あの華雄が遊ばれているわね」
「へぇ。王双は中々面白いわね」
夏蓮は桜花の驚きように驚いて、孫策は何か面白い物を見つけたというような表情をしている。
「うぅ……馬鹿者ぉ……」
桜花が上目遣いで俺を見る。
………桜花はマジパネェ……。
「そうそう王双。私はまだ真名を預けてなかったわね。私の真名は雪蓮よ」
「……そんな簡単でいいのか?」
「貴方は母様と蓮華を助けてくれた……じゃ駄目かしら?」
孫策が酒を飲みながら言う。
「……分かった。預けさせてもらうわ。それなら俺の真名も預けてくれ。真名は長門だ」
「うん。よろしくね長門」
雪蓮が笑う。
ともあれ、孫策――雪蓮と真名を交換する事になった。
後書き
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