ぼくらウォーズ
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第0部
第一章 東京と神奈川の境らへんとか
EPISODE 2 Where?
この世界を空虚と感じ、死に行く人は大勢いる。
中には、人に迷惑をかけずに死にたいと願う人物もいる筈だ。
しかし、それはかなわない。
山だろうと、樹海だろうと、だれにも邪魔されずに死ねたとしても、いずれだれかに発見されて警察だか葬儀屋だかに世話になる。
「ここは・・・」
彼女は起きた。
「どこだろう。」
Where?
それが、彼女の最初に出した疑問だった。
緑のほとんど無い都会の一角から、いつのまにか木々に囲まれた「どこか」に行ってしまったのだから。
自分は死んだはずだ。
なんだこの既視感は。
テレビで前やっていたのだが、天国という物はあるという。
それがここなのか。
「ここは?」
木々はゆれ、鳥はさえずり。
こんな風景東京に残っていたのか。
いや違う。
「まだ自分が死んだという事を認めきれていないようだね。」
「えっ・・・」
「認めろ。君は死んだ。だからここにいる。」
すらりとした長身の男。
スーツを身にまとい、ビジネスバッグを持っている。
新幹線で公衆電話を使っていそうな、そんな人だった。
「あなたは・・・」
Who?
それが、彼女の二つ目の疑問だった。
「君は追い返した筈だ。なぜ、ここにいる。」
「あの、あなたは、」
「二度と死ぬなと、そう言った筈だ。」
「えぇっと・・・」
「9年前だからな。もう忘れているか。」
「あのー」
「うむ。わかった。少し喋りすぎたかもしれない。君の質問に一つずつ答えていこう。」
男は一息おいて、言った。
「私はジョン・スミスとでも名乗っておこう。」
ジョン・スミス。
「あしながおじさん」の偽名であり、キョンが3年前のハルヒに名乗った偽名であり、今、目の前の男が名乗っている名でもあった。
「ここは何処か。ここは、世界の狭間だ。」
世界の狭間。
「正直、私もベタすぎる名称で気に入らない。」
「世界の狭間・・・・・・どの世界とどの世界の狭間ですか?」
「これと、それ以外のすべてとの狭間だ。君の住んでいた、存在していた世界は、28番目の世界だ。ここは1から、今の所99まである世界を連結する所だ。」
「じゃあ、そんな所に死んだわたしがなぜ?」
「システム上の問題だ。死んだ人間は皆、ここに来て新たな世界で再び人生やり直す。」
「ということはわたしも・・・」
「ああ、そうだ。」
「どこに行けるんですか?」
「好きなところに行け。」
「えっ・・・でも、そんな風にしたら自分の元いた世界に戻ろうとする人もいるんじゃ・・・」
「未成年以外記憶を消去される。ただ・・・」
「ただ?」
「そんな邪な考えを持つ奴はここには来ない!」
「は、はい!」
「わかったらさっさと行く場所を選べ!」
「はい!えーと」
「あぁ、あと、今から124日と13時間と5分24秒後に、君を殺した、いや、君が死ぬのに利用した青年もここへ来る。」
「えっ!」
「その時も私がしっかり応対するから安心しろ。」
「もしかして、あの人、わたしのせいで自殺を・・・」
「いや、東京都新宿区で通り魔に襲われて重傷を負い、翌日13時に亡くなる。」
「よかった、わたしのせいじゃなくて・・・」
「よかったじゃない!さっさと選べ!」
「はい!じゃあ、ここ!」
「13番か。いいところだ。行ってこい。」
彼女は、覚悟を決めたようだ。
「芳野満!」
「はいっ!」
光に、包まれた。
「よしの みちる 第13番世界に転生。」
ログをつけ終えたジョンは、紐止めの帳簿をビジネスバッグにしまった。
後書き
どうも。作者です。
では、(作者にとっての)お楽しみコーナーを始めます。
鉄道車両の形式を紹介していこーです!
車両の形式は1,3,5と奇数刻みで増えていくのでそれぞれ紹介します!
101系
高度経済成長期の通勤輸送を支えた車両。
国電と呼ばれる旧型電車を一掃するため各地の通勤路線に投入された。
色は誤乗防止のため塗り替えられたがカラフルで気持ちよかった。
しかし通勤車としては効率が少し悪かったので、形は変わらず改良された103系が生まれた。
とまあこんな風に。
まじで飛ばしてかまいませんよ。
ええ。
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