FAIRY TAIL 忘却の最期
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第8話 呪歌と死神
「何という事だ!!話に夢中になるあまりナツを列車においてきてしまった!!」
ナツを置き去りにしてしまったエルザは声を荒げて嘆いていた
「私の過失だ!とりあえず私を殴ってくれないか!」
「まあまあまあ」
「そういう訳だ、列車を止める!!」
「ど、どういう訳?」
エルザは駅員に列車を止めるように言ったが、当然受け入れられるわけがなく
「無茶言わんでくださいよ!」
「仲間の為だ、わかってほしい」
「降り損なった客一人のために列車を止めるなんて・・・ってもう止めてるし!!」
駅員の注意も聞かずにエルザは緊急停止信号のレバーを押した
「妖精の尻尾の人達ってやっぱりみんなこんな感じなのね・・・」
「エルザもやっぱりまともじゃなかったか・・・」
エルザの横暴ぶりに呆れるルーシィとラスト
「俺は違うぞ」
「「だから服は!?」」
そして服を脱いでいるグレイだった
「ラスト!急いで魔導四輪を借りてこい!!」
「そう思って既に手配済みだ」
「いつの間に!?」
ラストがいつの間にか手配した魔導四輪車に乗り込み、急いでナツを迎えに行った。
魔導四輪車は馬車よりスピードが出せるが運転手の魔力を消費する
付属しているSEプラグを腕に取り付けて魔力を供給する魔法アイテムだ
もう少しで列車に追いつけるその時
ナツが窓から飛び出してきた
「何で列車から飛んでくるんだよ!?」
「いったいどうなってるの!?」
「つかグレイ危ないぞ!!」
魔導四輪の車体上部に乗っていたグレイ目がけてナツが飛んでいき
互いの頭がぶつかった
「「ぎゃあああああああああ!!!」」
もちろん二人は魔導四輪から投げ出される
「ナツ!無事だったか!」
「痛―!何しやがるナツてめぇ!!」
「今のショックで記憶喪失になっちまった。誰だオメェ、後くせぇ」
「何ぃ!?」
「ナツーごめんねー」
ナツがハッピー達の方へ向き
「ハッピー!エルザ!ルーシィ!ラスト!ひでぇぞ、俺をおいてくなよ!!」
「すまない」
「ごめん」
「相変わらず無茶するなぁお前は」
記憶喪失と言いながらはっきりとルーシィ達の名前を言って声を荒げていた。
「おい・・・ずいぶん都合のいい記憶喪失だな。」
「無事でなによりだった」
エルザは自分の胸にナツを引き寄せたが
「硬っ!?」
鎧にぶつかるだけだった。
「無事なもんかよ!列車で変なやつにからまれたんだ!」
「変なやつ?」
「森でハッピーを食おうとした奴らをさらった野郎だ!鉄の森とかって」
「バカモノー!!!」
エルザはナツの頬を平手打ちした。
「鉄の森は私達の追っている者だ!何でみすみす見逃した!?」
「そんな話初めて聞いたぞ!?」
「さっき説明したろ!人の話はちゃんと聞け!!」
((あんたが気絶させたせいだからっ!!))
ルーシィとラストは心の中でツッコミをいれた。
「先ほどの列車に乗っていたんだな?すぐに追うぞ!」
エルザが魔導四輪の準備をする間、ラストはナツに敵の特徴を尋ねる
「ナツ、どんな奴だったんだ?」
「あんま特徴なかったな・・・あ、そういやドクロっぽい笛持ってた。三つ目があるドクロの笛だ。」
ナツが笛のことを話すと、ラストは表情を変えた。
「三つ目のドクロだって!?」
「どうしたんだよラスト?」
「三つ目のドクロが何だっつーんだよ?」
のんきに構えるグレイとナツを余所に
「鉄の森の奴等どこからあんなものを・・・いや、そもそも実在していたとは・・・!!」
取り乱し始めるラストにルーシィは心配そうに声をかける。
「ラスト、一体どうしたのよ?」
「ララバイだ!呪いの歌、死の魔法!」
「呪いの歌?」
「呪歌か?」
ラストはハッピー救出後、ギルドや街の図書館を使いララバイの事を調べていた。
「呪殺」 魔法の中で禁止されている対象に死を与える黒魔法
そのララバイはそれより恐ろしいものだと、ラストは語る
「元々は呪殺の道具だったものを、昔の黒魔導士がさらなる魔笛へ進化させた。笛の音を聞いた者を全て呪殺する・・・集団呪殺魔法呪歌!!」
それを聞いた一同は
「な!?」
「バカな!?」
「あれって、作り話じゃなかったの!?」
驚愕していたが
「???」
ナツだけは理解できていなかった
「集団呪殺魔法だと!?そんなものがエリゴールの手に渡ったら・・・!!」
「奴らの目的はなんであれ急いだ方がいい!」
「ああ、みんな早く乗りこめ!!」
すぐに魔導四輪を走らせ鉄の森が乗った列車を追う
「飛ばし過ぎだエルザ!いくらお前でも魔力の消費が半端ねーぞ!」
「そんな悠長な事は言っておれん!」
魔力が消費されるのも意に返さず全速力で飛ばし
クヌギ駅に到着した。
駅はフィオーレ軍により封鎖されていた。
「あいつら列車を乗っ取ったの!?」
「あい、でもレールの上しか走れないしあまりメリットないよね?」
ハッピーが楽観的にそう言ったが、それをラストが否定した。
「だがスピードはある。何かを成し遂げるために鉄の森の奴等は急がざるを得ないわけだ。」
「そういうこったな」
「何故脱ぐ!?」
「ありゃ?」
「オシバナ駅に向かったようだな、すぐに追うぞ」
エルザは再び魔導四輪のアクセルを全開にし、オシバナ駅へ向かう。
街に着いてもエルザはスピードを落とさない。
「飛ばし過ぎだ!SEプラグが膨張してんじゃねーか!!」
「呪歌の笛を吹かれれば大勢の人が犠牲になる!音色を聞いただけで人々の命が奪われるんだぞ!」
「いざってときにお前の魔力がなくなっちまったらどうするんだ!?」
「そうなれば棒切れでも持って戦うさ。それにお前やナツもいるしな」
駅に向かう魔導四輪の中で、ハッピーは何かを思い出そうとしていた。
「なんかルーシィに言う事あったような気がする。」
「あたしに?」
「忘れちゃったんだ、ルーシィに関係しているのは確かなんだけど・・・」
「おいおいナツ大丈夫か?」
ラストは車内でのびているナツの背中をさすっていた。
「うぷ・・・気持ち悪い」
「それかも!」
「それかい!」
ナツは魔導四輪の窓から這い降りようと身を投げ出していた。
「ちょっと落ちるわよ!」
「落としてくれ~!!」
「う~ん何だろ?ルーシィ、気持ち悪いじゃないとしたら、ルーシィ、変、魚、おいしい、ヘルシー、変、変、変、変・・・」
「あたしは変ばっかりか!!」
「何だあれは?」
オシバナ駅が見えたところで、建物から黒煙が立ち込めているのが見えた。
『お下がりください!現在列車の脱線事故のため駅内には入れません!』
駅員が利用客に注意を促していた。
「中の様子は!?」
「ん、何だね君は!」
駅員から現状を知ろうとしたが駅員は答えず
エルザは駅員に頭突きした。
「ぐえ!?」
「中の様子は!?」
「は? うご!?」
「中の様子は!?」
「ひぃ!?」
エルザは次々と駅員を頭突きで気絶させていった。
その光景をルーシィとラストはナツの両肩を持ちながら呆れていた。
「即答できる人しかいらないってことなのね・・・」
「エルザって人物がどういうものなのか理解できたよ・・・」
「だろ?」
「「だから何故脱ぐ!?」」
「鉄の森は駅の中だ、行くぞ!」
「おう!」
「駅員を全滅させる前に察してほしかったな・・・」
「ていうかこれってあたし達の役!?」
「あい・・・」
で?
「軍の一個小隊が突入したが戻ってこないらしい。おそらく鉄の森との戦闘が行われているのだろう。」
駅の中を駆けていると、目の前にフィオーレ軍の兵士達が倒れているのが見えた。
「全滅してる!?」
「相手はギルドの魔導士だ。魔法部隊がいない以上相手にならない。」
「ラストの言う通り相手は全員魔導士、軍の一個小隊では話にならない。」
エルザ達が駅のホームに出ると
「ククク、やはり来たか。妖精の尻尾のハエ共」
そこには大勢の魔導士がいた。全員、鉄の森の魔導士達だ。
「な、何この数!?」
「鉄の森はそれなりに規模が大きいギルドだったな確か・・・」
「貴様がエリゴールか!?」
魔導士達の後ろの列車の上にいる大鎌を持った男
あれがエリゴールのようだ。
「あれ、あの姉ちゃん・・・」
「なるほど、計画バレたのお前のせいじゃん」
「ナツ起きて仕事よ!」
「無理だよ!列車→魔導四輪→ルーシィとラスト、乗り物酔いの3コンボだもん」
「あたしらは乗り物かい!?」
「オレらは乗り物かい!?」
場違いなやり取りを余所に
「ハエがぁ・・・!お前らのせいで俺はエリゴールさんに・・・!」
鉄の森の魔導士 カゲヤマがこちらを睨み付けていた。
ナツが会った妙な奴とはカゲヤマのことだったのだろう
「この声・・・!」
酔いが醒め始めたナツがカゲヤマの声を聴き目を覚ます。
「貴様らの目的はなんだ!呪歌で何をしようとしている!?」
「わかんねぇのか?駅には何がある?」
そう言いながらエリゴールは風を纏い宙に浮かんだ。
「飛んだ!?」
「風の魔法だ!」
鉄の森の魔導士全員がニタニタ笑い、エリゴールはスピーカを軽く叩く
「呪歌を放送するつもりか!?」
「ええ!?」
「何だと!?」
「呪歌は機械越しでも相手を呪殺できるのか!?」
「ふははははは!!」
ラストの疑問に答えずエリゴールは高笑いを上げる。
この駅には大勢の野次馬が集まっている。
音量を上げれば町全体に呪歌の音色が響きあたる。つまりエリゴールの目的は・・・
「大量無差別殺人か!?」
「これは粛清なのだ。権利を奪われた者の存在を知らずに権利を掲げ生活を保全している愚かな者どもへのな!」
エリゴールは口角を上げ不敵な笑みを浮かべる。
「この不公平な世界を知らずに生きるのは罪だ。よって死神が罰を与えに来た。
死という罰をな!」
「そんなことをしたって、権利は戻ってこないわよ!」
「ああ、元々は禁止されている暗殺依頼を受けたお前達の過失だろ。」
ルーシィとラストはエリゴール達を否定する
「ここまで来たら欲しいのは“権利”じゃない、“権力”だ!権力があれば全ての過去を流し未来を支配することだってできる!」
「アンタバッカじゃないの!?」
「残念だなハエ共!闇の時代を見る事なく死んじまうとは!!」
カゲヤマが影の魔法でルーシィを攻撃しようとする
「きゃあ!!」
しかし、それはラストが呼び出した長剣で切り裂かれた。
「ルーシィに危害は加えさせないぞ、枯れた鉄クズ共」
ラストはカゲヤマや鉄の森の魔導士達に鋭い目つきで睨み付ける。
「その声、やっぱりお前か」
ナツが乗り物酔いから完全に復活し立ち上がる。
「おーおーなんかいっぱいいるじゃねーか」
「敵よ敵!全部敵!」
「へっ、面白そうじゃねーか!」
「こっちは妖精の尻尾最強チームよ!覚悟しなさい!」
ルーシィが鉄の森相手に指を差し声を上げる
(それって、俺達は含まれてないと思うんだが・・・)
と、心の中で呟くラストだった。
「後は任せたぞ、俺は笛を吹きに行く。身の程知らずのハエ共に鉄の森の・・・闇の力を思い知らせてやれ」
エリゴールはそれだけ言うと駅の窓を割り何処かへ行った。
「「逃げた!?」」
「向こうで呪歌を吹くつもりか!?」
「ナツ、グレイ!二人で奴を追うんだ!」
「「む」」
「お前達二人が力を合わせれば死神エリゴールにだって負けるはずがない。」
ナツとグレイが向かい合い、なぜかメンチをきり始める。
「ここは私とルーシィ、ラストでなんとかする。」
「なんとかって・・・あんな数を女子二人とラストで?」
「骨が折れそうだな。」
「エリゴールは呪歌をこの駅で使うつもりだ、それだけは何としても阻止せねばならない。」
エルザの話を余所にナツとグレイは睨み続けている
「聞いているのか!!」
「「あいさー!!」」
エルザに怒鳴られ二人は仲良くエリゴールを追う。
「あ、逃げた!」
「エリゴールさんを追う気だ!」
「任せろ、このレイユール様が仕留めてくれる!」
「俺も行く!あの桜頭だけは許せねぇ!!」
レイユールとカゲヤマがナツとグレイの後を追う
「あらあらレイユールとカゲは好戦的だのう。」
「ウシシシシ、なら俺達は女の相手を」
「プーシャ、ルーガス!お前らもあいつらを追え!」
「何故だカラッカ」
「作戦のためだ、二人で片付けた方がいい。」
「ちっ、ちゃんと残しておけよ!」
カラッカに命令された、頭に目玉を生やした男“プーシャ”と機械の様な身体をした男“ルーガス”もカゲヤマ達同様にナツ達を追った。
「こいつらを片付けたら私達もすぐに追うぞ。」
「だがエルザ、4人もナツ達を追ったんだぞ。いいのか?」
「あれでやられるような奴等ではない」
「ウヒョー!女二人で何してくれるのかな~?」
「殺すには惜しいぜ」
「さっさと男殺ってとっつかまえて売っちまおう」
「待て待て、先に妖精の脱衣ショーを見てからだ」
本能を丸出しに下品な笑いを上げる鉄の森の魔導士達
「下劣な」
「可愛過ぎるのも困りものね」
「ルーシィの服を剥いでみろ、お前らの皮を一人残らず剥いでやる。」
「ルーシィ帰ってきて、ラストが変な事言ってるよ」
エルザは右手から剣を呼び出した。
「剣が出てきた!ラストと同じ!?」
「これ以上妖精の尻尾を侮辱してみろ。貴様らの明日は約束できんぞ!」
「珍しくもねえ!」
「こっちにも魔法剣士はぞろぞろいるぜ!」
「その鎧ひんむいてやるわぁ!!」
向かってくる鉄の森の魔法剣士を、エルザはたった一振りで薙ぎ払った。
「これでもくらえ!!」
数人が遠距離攻撃を仕掛けたが、エルザはそれを避けて槍を呼び出し敵を薙ぎ払う。
次は双剣を呼び出し近づく敵に攻撃した。
「今度は双剣!?」
「この女、なんて速さで換装してるんだ!?」
「すごいな・・・」
「エルザのすごいトコはここからだよ」
「え?」
「エルザ・・・?」
カラッカがエルザの名前を聞いて首を傾げる。
「よし、あたしだって」
「俺も、見ているだけというのは性に合わない。」
「え~これからエルザの見せ場なのに!」
「開け、巨蟹宮の扉!キャンサー!!」
ルーシィは鍵を出し、キャンサーを召喚する。
「今回も戦闘か、エビ」
「ビシッと決めちゃって!」
「ふざけた髪型しやがって!!」
「たたんじまえ!!」
「エビ!!」
キャンサーは向かってくる敵の武器と髪を切り刻む。
「なんだこれ!?」
「俺の髪が!?」
「これじゃまるで・・・」
「フッ、カッパだな」
ラストが鼻で笑ってそう言うと、敵はショックで戦意を消失した。
「ひど~い!!」
「ナイスカットエビ!」
「やるじゃないか」
「それほどでも~!」
エルザに褒められルーシィは親指を立てて大喜びする。
「ヤッホーこれで好感度アップ!!」
「「それが狙いだったのか!?」」
ハッピーとラストがツッコミをする中
「しかし、語尾が気になるな。エビは有り得ん。せめてチョキとかにならんのか?」
「ダメ出し~!?」
「エビ・・・チョキ・・・!?」
「自分を見失うなキャンサー!?」
痺れを切らした鉄の森の魔導士は
「くそー野郎を先に片付けろ!!」
「女は後回しだ!!」
ラスト目がけて突っ込んでくる。
「戦意を削ごうとしているようだが、俺も強いぞ?」
ラストは剣を構えると、周囲から獣の頭が出現し始める。
「何アレ!?」
「獣剣だ!でもあれ余興や演劇に使う剣だよ!?」
ハッピーが指摘したが、ラストは余裕を崩さない。
「俺が戦闘用に改造した。普通に斬れるぞ」
「幻で怯ませて斬ろうってか!?」
「んなもん気にせず突っ込みゃ怖くもなんともねー!!」
鉄の森の魔導士達は怯まず剣を向けてきた。
「そう、このままだとただの剣だ。だが・・・DBと合わせれば強力な魔法剣になる!」
ラストのDBガンドレッドの甲からDBが現れ輝きだす。
「行け!」
獣の頭が敵に向かい噛みついてきた。普通なら何もないのだが
「痛-!!」
「ま、幻が噛みついてきやがった!?」
「何なんだこれ!?」
「DB“リアルモーメント”!幻を一瞬だけ現実へ変える!」
「幻を現実に!?」
「すごーい!」
(あれがマスターが言っていたラストの魔法・・・ダークブリングというものか)
エルザは心の中で呟いた。
「まだまだ行くぞ!」
獣剣から更に獣が次々と増えていく
「くそっ!!やらせるかよ!!」
敵が一斉にラストに向かってくるが、既に攻撃準備が整っていた。
「くらえ!百獣の牙!!」
ラストが剣を振り下ろすと、無数の獣が鉄の森の魔導士達に襲い掛かり噛みついた。
「ぎゃああああああああ!!!」
「さっすがラスト!!」
「あい!」
「なかなかやるものだな。」
エルザはラストの戦いに感心していた。しかし
「それでも、まだこんなにいるのか」
ルーシィとラストがある程度片付けたのだが、まだ鉄の森の戦力が衰えていない。
合流してきたのか、列車の中に隠れていたのか
「面倒だな、一掃する!」
エルザはそう言うと、魔法で自分の鎧を剥がしていく。
「おお!なんか鎧がはがれてく!」
「うひょー!!」
鉄の森の魔導士達は興奮しながら見惚れていた。
「エルザは武器だけじゃなく自分の能力を高める魔法の鎧も換装しながら戦うことができるんだ。それがエルザの魔法・・・・・・・・・
騎士(ザ・ナイト)!!」
エルザは羽を生やした銀色の鎧、天輪の鎧に換装する。
ルーシィと、何故か敵の鉄の森の魔導士達も大喜びで見惚れる。
「舞え、剣達よ!」
エルザの周囲に、円状に剣が並ぶ
「エルザ!?こいつまさか・・・!!」
「循環の剣!!」
円状に並んだ剣が群がった敵を一掃する。
「す、すごい・・・一撃でほとんど全滅!?」
「あい!」
「くそ、俺が相手じゃい!!」
ビアードがエルザに向かっていく
「間違いねぇ!こいつは妖精の尻尾最強の女魔導士!」
向かってくるビアードをエルザは軽く剣で薙ぎ払った。
「妖精女王のエルザ!?」
「すごーい!ちょっと惚れそう!!」
「妖精女王・・・あれはエルザの字だったのか」
「あ、相手が悪すぎる~!!」
カラッカが一目散に逃げ出した。
「エリゴールのところに向かうかもしれん。追ってくれ」
「あたしが!?」
「頼んだ」
と、怖い顔で命令されて
「はいいいいいいい!!行ってまいりま~す!!」
ルーシィが怯えながらカラッカを追いかけていった。
「ラスト、ナツ達を追ってくれ。後から抜けた二人がナツ達を襲っているかもしれない。」
「不意打ちを食らえばナツやグレイでも無事ではすまない・・・そうだな?」
「ああ、頼む。」
「わかった」
ラストはナツとグレイが向かっていった方へ走り出した。
「ホームに残った奴等は全滅したようだな。」
「マジか!?まああの妖精女王が相手じゃな。」
「その妖精女王だが、魔力が消耗しているようだ。叩くなら今だ」
「ウシシシシシ、なら俺達は女王様と遊んでこようかな?本当は金髪の方がよかったんだけど」
「片付けてやろう。」
ナツ達を追っていたプーシャとルーガスは、反転しエルザのいるホームへ向かおうとしていた。
後書き
次回予告
ルーシィ「エルザの魔法、すごかったね!!」
ラスト「最強を謳われる事だけはあるな」
ルーシィ「そういえば、ナツとグレイを追っていったあの二人のうちの一人なんだけど・・・異様に視線を感じたのよね・・・」
次回 ラスト VS プーシャ&ルーガス
ラスト「視線・・・?あいつら・・・!!」
ルーシィ「ヤバイ・・・なんかマズイスイッチ押しちゃったかも・・・」
ラスト「ぶっ殺す!!!」
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