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ソードアート ・オンライン 〜鋼鉄の城に輝く星々〜

作者:びーの
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エピソード5 〜とある日常の一幕 リズベット編2〜

 
前書き
次回から本編ですね。 

 
「「な、な、な、な、なんじゃそりゃー」」


轟音を立てて、壁が崩れ去り、そこから奥へと続く道が現れる。
まさかの隠しステージがあるとは、思っていなかった二人はまさかの展開に驚いていた。


『メタリカ秘洞』

壁の亀裂から、マグマが流れ、いたるところにマグマ溜まりを作っている。なので、洞窟内はとにかく暑い。というか熱い!


「なんで、こんなに暑いのよ!」
あまりの暑さに叫びだすリズ

「「そうか?」な?」
そして、涼しく顔で進んで行く二人。

「くそ〜〜!なんでよ!なんで、あんた達は平気なのよ!?」

「「装備のおかげ!」」

「うが〜!そんなの不公平よ!私にも、よこせ!」

「「むりだ」です」

「即答!?てゆうか、暑すぎて、地道にダメージうけてんるんですけど……」

「しょうがないな〜。はい、耐熱マント貸してあげるから。」
そう言ってユウカが紅色のマントを渡す。
装備するだけで耐熱が付与される優れものらしい。

「ありどう。あ、なんか暑くない。」
いや、耐熱付くだけで、熱は遮断しないから、それはおかしい…

「お〜い、モンスターが出たから早よ構えろよ。」
呆れ気味に二人に注意を呼びかける。

「はい〜っ!?」

「なんじゃこりゃ〜!?」

本日二度目の絶叫。原因は前方をゴロゴロと猛スピードで転がってくる岩たち。その数3体。
そして、一体目がリョウトにぶつかろうとする。

「リョウ!危ない!」
浴衣の袖口に両手を入れて、突っ立ているリョウトにカバーに入ろうとするが間に合わない

「って、えぇ!?」

突っ立っていたリョウトが『月牙』を発動させ、宙返りのように後ろに飛びながら、転がってきた岩を蹴り上げる。それは見事な放物線を描き、後続を走っていた二つの岩に直撃し、仲良く三つともポリゴン片となり、散って行った。

「あのモンスターの倒し方はコレな。」

「「無理でしょ!?」」

おう、仲良いな。こいつら。

「無理でもやる!リズはメイサーなんだから、やれるだろ。」
むしろ、やってもらわなきゃ困る。

「あんなの食らったら、ひとたまりもないわよ。」

「インゴット、出るぞ。」

リズの顔色が分かりやすく変わる。というか、目が$になってるし…

「おっしゃぁぁぁ!やるわよぉぉぉ!」

リズのやる気に火がついたところで、ちょうど二回目のエンカウント。ゴロゴロと岩が三つ転がってくる。

「おりゃぁぁぁぁ!」

気合とともに下から上へ振り上げたメイスが岩にクリーンヒット!そして、後続へと当たり、味方自分共とも粉砕される。

「リョウ、今更だけどあの岩なんなの。」

「敵だけど。確か名前は『ゴロロン』だっけ?」

リョウ曰く、あの転がってくる岩は『ゴロロン』とか言うらしく、丸い岩石の身体に短い手足が生えているらしい。とにかく、硬いらしいが同族どうしをぶつけてやると簡単に粉砕できるらしい。あと、色んなタイプの『ゴロロン』がいるらしい。まぁ、私は鎌だからなにもできないけどね〜。

しっかし、暇だな。モンスターはリョウとリズがやってくれるから私の出番ないじゃん………そうだ!実況をしよう!







『と言うわけで始まりました!《第一回メタリカ秘洞ベースボール大会》』

『わーわーパチパチ』なんか悲しい…

『では、選手の紹介です!一人目は《虚剣》の二つ名を持つリョウト。二人目は《ぼったくりスミス》ことリズベット!』

「なんか紹介、ひどくない!?」

なんか言ってるけど、キニシナイキニシナイ

『そんな二人に挑むのは《ゴロロンファミリー》の方々です!』

『さぁ、張り切っていきましょう!プレイボール!』


『おっと!先行はゴロロンのもよう。前1後ろ2のトライアングルフォーメーションですね〜。』

『バッターはリズ選手です!大きく振りかぶられたメイスはゴロロンの中心を捉え、大きく打ち上げました。それをキャッチしようとする二人のゴロロンですが、エラー。三人ともぶつかってあえなくポリゴン片となり、御臨終いたしました。』
「どんな野球解説だよ!?御臨終って…」

『続いて、マウンドに立つのは、赤いゴロロン。『レッドゴロロン』さんです。トレードマークはその赤い甲殻って、言ってる間にリョウの放った蹴りにてあえなく粉砕。なんか、ゴロロンたちが不憫に思えてきました。』








『え〜、ここまでの戦い、二人の圧倒的なパワーの前にゴロロンファミリー手も足も出ません!さぁ、この二人を打ち破る者はいるのでしょうか!』
あ!居たら、まずいか…

『おっと!ここで乱入してくるのは、ゴロロンファミリーの中のはぐれ者のゴールデンゴロロンです!さあ、彼はこの二人を打ち…破…って…はくれる前にリズ選手の怒涛の猛打の前に敗れました。』

なんか本当にゴロロン達が不憫だ…








リョウト達一行がずんずんと先へ進んで行くと、なんかボス出ますよと言わんばかりの大きく開けた場所に着く。まぁ、実際出るのだが…

「リズ、ユウカ。今から、ボス戦的なのになります。なので、頑張りましょう。(棒)」

「はぁ!?ボスなんか戦いたくないわよ!私は帰るわよ。」
と言って、元来た道を戻ろうとしたら、大きな岩石が降ってきて、道を塞ぐ。

「うげっ!?じゃ、じゃあ、転移結晶で。転移!『リンダース』……って、アレぇ?」

「残念。たった今、結晶無効化空間になりましたー。」

「はぁ!そんなの知らないわよ!」

「実際に転移結晶使えないだろ。だから、ここにあんまり人を連れて行きたくなかったんだよ…」

「まぁ、勝てばいいでしょ。勝てば。」
すげー簡単に言ってくれるな…こいつ

「俺とユウカがいるなら、大丈夫なんだが……リズが邪魔!」

「うわっ!ひどっ!そこはリョウトが守るなりしてよね。」
こいつ、ここに置き去りにしてやろうか…

「それが面倒なんだよ。まぁ、今回はユウカも居るしなんとかなるだろ」


そんなことを話していたら、円形のフィールド中央からマグマが吹き出し、金色の鎧をつけた翼竜が登場した。

『Metal Of Dragon :HIHIIROKANE』

「緋緋色金か。伝説の金属だっけ?」
そういや前来た時はアダマントだったような……伝説の鉱石とかになぞらえているんだろな。

金色の翼竜、ヒヒイロカネはその身に纏う鎧は光の加減で金にも緋色にも見えて綺麗だな〜。まぁ、やるけど。さっくりと

『ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ』

翼竜が咆哮する。そして、それを合図に戦闘が開始される。
翼竜に接近して、リョウトが拳を、ユウカが大鎌を振るう。

ガキン!金属がぶつかりあう音を響かせて、ユウカの鎌が弾かれる。

「「か、硬い!」」

翼竜が攻撃を弾かれてノックバックしているユウカめがけて尻尾を振るう。それをなんとか躱して、二人とも距離をとる。

「これは思ってたより、骨がおれそうだな。」

「ねぇ、もうめんどくさいからアレ使うわ。」

「りょーかい。どんくらい時間稼げばいい?」

「1分あれば、上々かな。」

「まかせろ!」

俺は翼竜に、ユウカは壁に向かって走り出す。


「じゃあ、ちゃっちゃと済ませましょうか。」

大鎌をマグマ溜まりへと振り下ろす。
すると、鎌の刃がマグマの炎を吸収していき、刃の部分に赤い字が浮かびあがり、鎌を赤い光が覆う。

「さぁ、これで準備万端!備えあれば、憂いなしっと!」

赤く発光している鎌を握りなおすと翼竜へむかって駆け出し、一閃。

『ぎゃぁぁぁぁぁ!!』

相当の強度を誇るはずの鎧を紙を割くように切り裂いた。

「え!?」
ユウカの豹変っぷりに一人驚くリズ


そして、いきなりの大ダメージを食らった翼竜は一旦距離を取り、息を大きく吸い込む。そして、広範囲火炎ブレスを放つ。

「御馳走様〜」
そんな火炎に喜々として突っ込んでいく

「え!?ちょっと、ユウカ!?」

「いや、あれでいいんだよ。あいつは…」


火炎に向かって上段から鎌を振り下ろす。
すると、火炎を真っ二つに切り裂き、それを鎌が吸収していく。鎌を纏っていた光が炎となり、鎌を渦巻く。

「オッケー!フルチャージ!さぁ、私の最大の一撃を喰らえ〜!」

「《煉獄烈覇斬》!!!」

煉獄の鎌を翼竜めがけて振り下ろし、その体躯はポリゴン片へと化し、散らされる。

戦闘開始五分で終了し、リズは空いた口が塞がらず、リョウトはつまらなそうにしていた。翼竜をほぼ一人で屠ったユウカは手に入れたアイテムを見て上機嫌でいた。

「なぁ、ユウカ、あの龍からは何が出たんだ。多分『緋緋色金』だと思うが。」

「おぉ、正解!」
そう言って、黄金色のインゴットをオブジェクト化する。一目見てもそのインゴットのレアリティの高さがわかる。

「やっぱり、あの龍たちは落とすアイテムと名前が関連してんのな。」

「え?達って、どゆこと?」

「始めてここに来た時は『アダマント』が出てきたぞ。その時は一人で屠ったけど、案外弱かったな。」

「まぁ、思ったよりは強くなかったね。けどこんなところ一人で来るのなんかリョウぐらいしかいないでしょ。」
なんか、人外認定された気がする

「はぁ、あんた達二人ともおかしいでしょ。あれが弱かったとかふざけてんの?」

「「いや、全然。唯硬いだけじゃん。」」

「それがおかしいっての!」

「まぁ、リョウに何を言っても無駄だよ。強さがぶっ飛んでるからね〜。」

「あの竜をほとんど一人でやった奴のいうことかよ。」
正直、ユウカも相当ぶっ飛んでるぞ。

「はぁ〜〜、もう、帰ろ……あんた達を他のプレイヤーと比べることが間違っていたわ…」








秘洞から帰ってきて、早速ユウカの武器の強化合成にとりかかる。
「じゃあ、やるわよ。あと、ユウカが炎切ったりしたやつなんなのか、聞かせてもらうからね!」

「うん、武器の強化合成が終わったらね〜。」


ユウカから大鎌と金色のインゴットを受け取る。

初めての強化合成だけど、やってやる!!

覚悟を決め、熱せられたインゴットと鎌を重ねて規定された回数叩いていく。それだけだが、表情は真剣そのものだ。
そして、回数を叩き終えると眩い光が放たれる。そして、黒一色だった鎌に金の装飾が施され、刃の部分には、金字で文字が書かれている。
そして、リズが鎌を手に持って数回クリック

「えーと、名前は『精霊狩りの死鎌』ね。強化合成なわけだから、確実にワンオフ品ね。ちょっと試しみてよ。」

リズから鎌を受け取り、数回振ってみる

「すごい!自分の身体の一部みたいに馴染む!ありがと、リズ!」

「さて、約束も果たしたことですし…話してもらうわよ。」

「アレはね、あの鎌のエクストラスキル『属性付与』っていうの。効果はまぁ、ブレスとかの属性を持ってる攻撃を吸収して、武器の性能を強化。そんでもって、吸収した量によって上昇値も変わるし、容量一杯になるとそれ以上吸収できなくなる。そもそも使える機会が少な過ぎるし、容量一杯になることは希なんだよね。」

「説明聞いただけじゃそんなにすごいとは思わないけど、意外とむちゃくちゃな効果みたいね。」


「そろそろさ〜、俺のナイフ作ってくれよ〜」

「あ、忘れてた。」
こんなのが店の店主で大丈夫なのか

「しかし、リョウトなんで貴重なインゴットを使ってまで投げナイフがいるわけ?店頭にも幾つかおいてあるけど、それじゃダメなの?」

「ダメなんだよ、これが。まぁ、作ってくれてからなら説明してやる。」
『アダマント』をオブジェクト化して渡す。

「はいはい。じゃあ、ちゃっちゃとやらせていただきますよ〜」

インゴットを熱してカンカンと叩いていく。しばらくすると、インゴットが変形して、十本の深緑色の刃をしたナイフへと変わる。

「名前は『アダマントナイフ』ね。私も初めて見るわね、こんなの。とりあえず、試してみて。」

ナイフを受け取って、外に出る。少し離れたところにいい感じの木があるので、それを的にする。

「そりゃ」

一番簡単な『シングル・シュート』で的に向かってナイフを投げる

ずどぉぉぉぉぉん

「「「は!?」」」

轟音を立てて、投げられたナイフは木をへし折った。

ちょっと待て!威力高過ぎだろ!普通に投げただけだぞ

しかも、二人ともあまりの破壊力に呆然としてるし…

「『リムーブ』」
叫ぶと手元に投げたはずのナイフが出現してくる。

「え?なにそれ?」

「何って、『投剣』スキルの派生スキルだ。スキルを7割超えたあたりに出てきた。まぁ、『投剣』のスキルをここまであげる人は少ないから、知ってないのも無理はないだろうよ。」

「けど、そんなの剣の世界であるはずのSAOには似つかわしくないスキルだよね。」
フリーズから脱したリズが最もな疑問を投げかけてくる。

「まぁな。けど、幾つかデメリットがある。一つ目は物とか人を注目するとターゲットマーカーが出るだろ?それが投げたナイフについてなけりゃならない。だから、複数同時に回収は無理。」

「けど、それだけなら…」

「もう一つある。それは『リムーブ』を使って手元に転移させるとなぜか耐久値がめっちゃ減る。それこそ、そこそこナイフでも手にした瞬間に砕ける。」

「なるほどね。だから、高価なインゴットを使ってまで投げナイフが欲しかったわけね。」
私が貰いたかったと小声で呟く。
聞こえてるからな…
「あ、そうだ!リズ、武器作成の代金はどうすんるだ?」

「ただでいいわよ。あんた達のおかげでいい材料を手に入れれたからね。その代わりにこれからもリズベット武具店をご贔屓にして頂戴よ。」

「あはは、ちゃっかりしてるね。けど、武器ありがとね」

「おう、助かるわ。じゃあ、またな。」

「またね〜」

そう言って、三人は別れたのだった。

 
 

 
後書き
作「えーというわけで、ユウカちゃんのエクストラスキルとリョウト君のサブウェポンが出てきたけど…お前ら強さおかしい。」
リ・ユ「「それほどでも〜」」
作「なんなの!?ユウカのブレス斬るって、キリトのスペルブラストかよ!しかも、リョウトの投剣もおかしい。初歩スキルで木をへし折るとかなんなのさ!」
リ「強くてなんぼだろ。まぁ、あの威力はおかしいがな。」
ユ「そーだよね。あと私のは鎌の性能だからね。そこ勘違いしないように。」
作「強化前であの壊れ機能だからなー、強化後が怖い。」 
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