| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

美しき異形達

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第十三話 向日葵の紹介その三

「その人よ」
「ではお話が早いですね」
「余計にね、いや都合がいいわ」
 向日葵は桜との話もあって笑顔で言った。
「本当に」
「だよな、向日葵ちゃんの友達でな」
「私との縁のある方で」
「話が早いよ」
 薊は桜の言葉も受けながら言うのだった。
「今の状況は」
「そうですね。では」
「うん、明日その娘紹介するからね」
「お願いします」
「そういうことでね。ただね」
 ここでだ、向日葵はこんなことを言った。
「その娘のお家の場所がね」
「この町だろ」
「そうだけれどね」
「何かあるのかよ」
「商店街にあるからね」
 その娘の家は、というのだ。
「そのせいか茶道の家元さんの家にいても結構賑やかな娘なのよ」
「商店街の雰囲気そのままか」
「そう、、駅前の商店街ね」
 そこのだというのだ。
「スタープラチナとかマジックのある」
「ああ、あそこ確かに賑やかだからな」
「そう、その中で育ってきたから」
 だからだというのだ。
「結構ざっくばらんなところもあるわよ」
「そうなんだな」
「礼儀作法はちゃんとしてるけれど」
 それでもだというのだ。
「結構ね」
「ざっくばらんか」
「そうなのよ、全体的にね」
「じゃああたしみたいな感じか」
「薊ちゃんはざっくばらんっていうか男の子でしょ」
 向日葵は薊に対して笑ってこう返した。
「男まさりっていうか」
「あたしはそっちか」
「ボーイッシュっていうかね」
 にこりとした笑顔でだ、向日葵は薊に話すのだった。
「そんなのだから」
「その娘はざっくばらんか」
「そうなの」
 そうした性格だというのだ。
「付き合いやすい娘よ」
「だといいけれどな」
「何かね、その娘も孤児だったけれど」
「今は茶道の家の娘さんか」
「養子さんになった事情は桜ちゃんのところと同じよ」
「跡継ぎですね」
「そうした家元のお家もあれじゃない」
 向日葵は笑顔で話す。
「跡継ぎさんがいるでしょ」
「それはお寺もだよな」
「そうそう、お寺も神社も教会もね」
 そうした宗教関係もだというのだ。
「だから私もお兄ちゃんがいないとね」
「向日葵ちゃんが尼さんになってかよ」
「いや、尼さんにならなくてもいいけれど」
「それでもかよ」
「お婿さん、お坊さんのその人を迎えないといけなかったのよ」
 彼女にしてもそうなっていたというのだ。
「もっとも多分私何処かのお寺に嫁入りすると思うけれど」
「跡継ぎの問題ってあるんだな」
「まだね、だからね」
「その娘もなんだな」
「そうなの、ご両親に子供がいなくてね」
「それでなんだな」
「そのお家のご両親は結構なお歳ですからね」
 桜もこう話す。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧