ソードアート ・オンライン 〜鋼鉄の城に輝く星々〜
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エピソード4 〜とある日常の一幕〜リスベット編〜
前書き
早く本編に行きたいな〜と思う今日この頃。
今回、四話目にして、ヒロイン登場です!
《73層迷宮区》
「な、なんだアレ……」
リョウトの目線の先には10体程のモンスターと『大鎌』を装備した一人のプレイヤーが戦闘を行っている。というより、一人が10体を蹂躙しているようにしか見えないのである。
か、加勢に行ったほうがいいのか?と言うか誰だ、あのプレイヤーは!?
まぁ、鎌を使ってる時点で、一人こころあたりがあるんだがな。いや、まさかな……
「あ!リョウじゃん!久しぶり〜」
モンスター達と戦闘を行っているのに、こちらにきずいて、手を振ってきた。
こんなバカにことをするのは、少なくとも一人しかいない。
「やっぱし、ユウナか……できれば、会いたくなかった…」
はぁとため息をつく。
ユウナは俺のリアルでの幼馴染であり、小学生の頃からよく爺さんの道場に遊びに来ては一緒に稽古をしていた。
黒のドレスに同色のマントを羽織って、大鎌を巧みに操る姿は魂を刈る死神のようで『黒の死神』や『ソウル・リッパー』など厨学二年生(誤字ではない)が喜びそうな二つ名で呼ばれていた。しかし、彼女は数少ない攻略組の中でも、上位に名を連ねるほどの実力者である。余談だが、トップ5には、キリトを筆頭にヒースクリフや俺やアスナがランクインしていたりする。
「はい、お待たせ〜。ちょっと時間かかっちゃった。」
10体ほどのモンスターを僅か数分で刈った奴のいう言葉かよ。
「はぁ、久しぶりだな、ユウナ。そういえば、服の修復お願いしたいんだけど、いいか?」
シリカから預かった服をオブジェクト化して見せる。
「これだけど、直せそうか?」
「……リョウ。ついに、…目覚めちゃったんだ……」哀れむような視線をむけてくる。
「何にだよ!!」
「……女装趣味。」
「ち・が・う・か・ら!頼まれんだよ!シリカに!」
「ふ〜ん…シリカちゃんか〜可愛いよね〜……」
目をつむって、うーんと考えている。そして、不敵な笑みを浮かべた。
一体どんなことを考えたのか…
「決めた!いいよ!」
「お、いいのか。ありがと。」
「た・だ・し!条件が二つ。」
「俺にできることで、女装以外ならな。」
この前は着せ替え人形のように散々服を着せられたからな。
「ちっ…」ほらっ、やっぱりかんがえてたよ。
「仕方ない…シリカでやるか…」シリカ南無…ユウカに獲物認定されました。
「で、もう一つはなんだ。」
「うーん、優秀なスミスでも紹介してよ。流石にちょっとこいつじゃこころもとなくてね。」
そう言って、背中に吊るしている鎌を掴む。
「あ〜。知ってるといえば、知ってるけど、そいつぼったくりだぞ。」
まぁ、大丈夫でしょ。と言って快く引き受けてくれた。
「あ、そうそう。新作できたから着てみて〜。」
そう言って、紺色の布地に白で雪景色が刺繍されている浴衣を取り出す。
「はい、私の新作にして、自信作!特殊効果は耐寒、耐熱、俊敏値上昇、隠蔽率上昇、戦闘時回復率上昇、寒冷地での戦闘時回復率・隠蔽率大幅上昇等々。作ってたこっちがびっくりするぐらいの多性能だよ。」
普通、装備品につく特殊効果は2、3個なのだが、7個って……しかも、寒冷地でのさらに上昇ってふざけてんの。
「とりあえず、作ったからには着てもらいたいので、リョウ、着て。着てくれたら、そのコートとかの修復やっとくからさ。」
渋々、コートをユウカに渡して、浴衣を着る。その姿はまぁ、アレなわけだが、本人はきずいていない。
「さて、俺も鍛冶屋に用があるからちゃっちゃっといきますか〜。」
そう言って二人は笑笑と湧いてくるモンスターたちを駆除しながら、目的の場所へと向かった。
ところ変わって48層主街区《リンダース》にある水車がトレードマークの鍛冶屋《リズベット武具店》。その店のオーナーことリズベットは急激な不景気に文字通り頭を抱えていた。
その原因はこの所、敵が次第に強くなってきており、今まで使われてきていたインゴットでは少々役不足になってきており、今までに作ってきた武器が売れずに在庫まで抱ええしまう。かといって新しいインゴットが発見されたわけでもない。武器を研磨しにお得意様が来てくれるわけだが、武器を売った時に比べれば、雀の涙ほど。というわけで、リズベットは現在、カウンターに突っ伏している。
カロンコローン♪
「あ、いらっしゃいませ〜。」
入ってきたのは、黒のドレスに同色のマントを羽織って、黒髪をポニーテールに結んだ女性と紺の浴衣を着た短髪の"女性"
「へ〜、女性二人組のパーティって珍しいですね。」リズベットが抱いた感想をそのまま口にしてしまう。
ザクッ
高速で飛来した何かが、髪の毛を掠め、壁へと刺さる。
壁の方を見ると、装飾されたナイフが壁に刺さっていた。そして、ギギギと油のきれた機械のような音を立てて、前を見ると、
「この店、潰してやろうか、リズさんよ〜。」
浴衣を着たほうの"少女"は殺気を放って、二本目のナイフを投擲しようとしている。
「え!?ちょっ!すいませんでした。」いきなりの潰す発言に恐怖して、半ば条件反射で謝罪する。
え…どうして、私の名前を知っているのと疑問に思う。来た人の名前と顔はおおかた把握している。しかし、あの少女は知らない。ん?少女?相手は明らかに少女というワードに反応していた。もしかしたら、男!?いや、あんな美少女な男の娘はそうそういないはず。いや、二人知っている。そのうち一人は黒ずくめだから違う。そして、消去法で結論へとたどり着く。
そして、段々と顔が青ざめていく。
「も、もしかして…リョウト!?」
「だ・れ・が!女の子だ!」
リズベットの問いに対して投剣という形で返される。つまり、Yes。
そして、それは頬を掠めて、壁に突き刺さる。
「う、うそ……どう見ても、ただの美少女…ひっ!」
三本目が投げられ、今度は首を掠める。
「そんなに死にたいのか。それとも、店を文字通り潰されたいかどっちか選べ。」
そして、また投剣。
リョウトの怒りが納まるまでにたっぷり1時間。その間、リズベットはナイフを必死になってよけ続けた。
「ふぅ、スッキリした。」満足の笑みを浮かべるリョウトに対し、リズベットは疲労困憊。
「はぁはぁ、た、助かった……」
「ところで、リョウト、今日はどうしたのよ。あと、後ろの子は誰。」
そう言って、今だに笑っているユウカを指差す。
「今日は新しい投剣の追加注文とあとこいつがスミスを紹介して欲しいって言ってきたから連れてきた。」
「ぷはー、笑った笑った。よろしく、ユウカです。あ、あと敬語はいいんで、ナチュラルに接してくださいな。」友達の友達は友達ってね。と笑顔で付け足す。
「はぁ、よろしく、リズベットよ。リズでいいわ。」
「ふーん、よろしく、リズ。」
そして、久々の仕事と張り切って、仕事の依頼内容を聞き出す。
「で、今日はどうしたの。」
「この鎌の強化合成をお願い。」
「へー、強化合成ですか……ちょっと拝見します。」
「え!重っ!しかも、何このステータス。魔剣クラスの武器のようね…」
大鎌を受け取り、鑑定をかけると驚きの声をあげるリズ。
「強化合成となると、コレを強化できるほどのインゴットがないのよね。」
強化合成は元の武器をベースにして、インゴットと合成させる方法で、インゴットから武器を作るよりも強いものができる。ただし、それを行うにも条件がある。一つ目は、それなりのレアリティを持つ武器でなければならないこと。そして、二つ目は、その武器よりも上質なインゴットを使わなければならないこと。
一見、むちゃくちゃな条件だが、条件さえ満たせれば相当強い物が出来る。
「インゴット…インゴットね〜〜。あるぞ、相当なレアものが手に入るところ。」
さらっと結構重要なことを言ってのけるリョウト。
「はぁ!?なんで早く教えないのよ!」
「聞かれてないからな。で、行くのか、行かないのか。」
「行くわ!けど、レアなインゴットが入手できるなんて情報なんて聞いてないわよ。」
「そりゃあ、俺しか発見してないからな。」
ドヤ顏で言う
「そ・れ・を!なんでもっと早く教えてくれないのよ!」
「聞かれなかったのもあるし、あとそこが危険が相当高いからな。一番弱いのでも70層のモンスター並の強さだったし、あと中ボスが何体も居て、それとエンカウントすると逃げられなくなるかな。もっとみんなのレベルが上がるまで黙っておこう決めていたんだ。」
「へ〜、面白そうだね。準備したら早速行こうよ!」早くもノリノリなユウカ
「レアインゴット手に入れて、商売繁盛だ〜!」不況を脱せると嬉しがるリズ
女性陣は全く元気なことで
「はぁ、ユウカはいいとして、リズの安全はどーするんだよ。」
「あんたが守ってよ。女性を守るのは代々男の役目よ。」こいつ、悪女かよ…
「じゃあ、行きますか。」
「「おぉ!!」」
時間が進んで、現在、三人は40層にある洞窟『メタリカ洞窟』に来ていた。ここは発見された当時はインゴット目当てで多くの人が訪れたが今では、廃坑も同然。
そして、こんなところに連れて来られて、本当にインゴットはあるのかは早くもイライラをつのらせている。
「ちょっと!リョウト!あんた、こんな廃坑で本当にレアインゴットが取れるんでしょうね?」
「うーんと、この辺だな…」
土壁をコンコンと叩いて感触を確かめる
「ちょっと!聞いてんの!壁なんか調べてどーすんのよ!」
うるさいから、黙ってろ。あ、ここだ!
「せーーの!うりゃあ!」
壁に強烈な一撃を叩きこむと……
破壊不能オブジェクトであるはずの壁がドッカーンと音をたてて崩れ、奥へと続く道が現れる。
『メタリカ秘洞』
と表示される。
「「な、な、な、なんじゃそりゃぁぁぁぁあ!?」」
まさかの隠しステージに驚きを隠せなかった二人
「さぁて、こっからが本番だぞ!」
後書き
作「やったー!ついにヒロイン登場!」
リ「ものすごく嫌な設定なんだけど、今回は特に。」
作「ナンノコトデスカナ?」
リ「俺に浴衣着せた時点でリズとのやりとり狙ってただろ。」
ユ「もちろん!絶対に似合うと思ったから、和装ロリ衣装。」
リ「おわっ!急に出てくんな!?」
ユ「いや〜、せっかく本編登場したんだから、こっちにもでてこないとね。」
作「というわけで、あとがきトークにユウカさん参戦です!」
ユ「以後、よろしく!」
リ(ものすごく不安だ……主に俺の安全が…)
「「「では、次回もよろしく!」」」
作「揃った・:*:・( ̄∀ ̄ )。・:*:・」
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