SAO<風を操る剣士>
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第一部 --SAO<ソードアート・オンライン>編--
第一章 第一層攻略
第7話 ビーター
前書き
やっと第一層が終わった。
※現在1話から順々に話の書き方を修正中です。
修正といっても話の内容を変えるわけではないのでそのまま読み進めても大丈夫です。
前書きに『■』←このマークがあれば修正完了で、『□』←このマークがある場合修正中、なければ修正前ということでよろしくお願いします。
ボスが倒された事で、残っていた《センチネル》も消えていった。そのため辺りは全員、静かだった。
そしてそんな中、アスナがキリトに近づき
「お疲れ様」と向かって言った。
それと同時に、俺を含む全員のプレイヤーに目の前にメッセージが現れ、獲得経験値や分配されたコルなどが書かれていた。
そこでみんなが溜め込んでいたように、『わっ!!』と歓声が弾ける。
俺はその歓声の中シリカの方を見て、助けてもらった時のお礼を言った。
「やったな…シリカよく頑張ってたぞ。それと…あの時はありがとう」
「はい、ありがとうございます。でも…あたしなんかいつも助けてもらってますから」
シリカは俺の言葉で、照れたのか顔を赤くして言った。
そんな話をしているとそんなに離れてないキリトの所から、両手斧使いの…確かエギルとアスナがこっちに来た。そしてエギルが
「お前たち兄妹は、すごく頑張ってくれたな。この勝利は、あの剣士とお前たち兄妹のものだ」と言ってきた。(多分、『あの剣士』はキリトの事だろう)
そしてアスナも「あなたたち兄妹…強かったわよ」と一言、言ってきた。
その二人の言葉の後に「そうだー」「よ! 名剣士!」「強かったぞー」「いい兄貴持ったなー」などの大勢のプレイヤーが俺たちとキリトに向けて言ってきた。
どうやら周りは『あの兄妹は子供だけど強い』と思ってくれたらしい…
しかし声をそうかけてくれるのは嬉しいのだが、肝心な所が間違えている。
……俺とシリカは兄妹じゃないし、俺はシリカと同い年じゃない!
その事を言おうしたら「-----なんでだよ!!」とそんな叫び声が聞こえた。
その後「なんで、ディアベルさんを見殺しにしたんだ!!」と叫んだ男が言った。
俺は意味が分からなかった。…見殺し?
キリトも俺と同じく分からなかったようで「見殺し……?」と聞き返していた。
「そうだろ!! アンタは、ボスの使う技を知ってたじゃないか!! …アンタが最初からあの情報を伝えてれば、ディアベルさんは死なずに済んだんだ!!」
その言葉を聞いて、周りの人たちが「そういえば…」「なんでだ?」など呟き始める。
キリトがなんで知っているかというと、十層に同じ武器を使うボスがいたからだ。
(だから俺も知っていた…)
しかし、俺が思うにディアベルの奴も、元βテスターだと思う…理由は最後に前に出たのは、LA=ラストアタックボーナスを手に入れるためだと思ったからだ。
(だけど、そんな事をディアベルがパーティーメンバーに話すわけが無いよな……)
と、そんな事を考えいたら、ついに…
「そういえば…あの兄妹の兄貴の方、やけにボスの動きを知っているような感じが、しなかったか?」「そういえば……ボスの技もよく弾き返していたような…」
…なんて言い始めた奴が出てきた。
そして俺とキリトの方に走って来て、その男は俺とキリトに向けて指を指し、叫んだ。
「オレ…オレ知ってる!! こいつらはβテスターだ!! …だから、ボスの攻撃パターンを知ってたんだ!! 知ってて隠してたんだ!!」
その言葉を聞いても驚く奴らは、あまりいなかった。
しかし、エギルのパーティーの壁役をつとめた男が言った。
「でもさ、昨日配布された攻略本に、ボスの攻撃パターンはβ時代の情報だ、って書いてあったろ? 彼ら二人が元テスターなら、むしろ知識はあの攻略本と一緒なんじゃないか?」
「そ、それは……」
その言葉を聞いて、男は少し黙ってから
「あの攻略本が嘘だったんだ。嘘の情報をオレたちに売ったんだ。だって、アルゴとかいう情報屋も元βテスターなんだから、タダで本当の事を教えるハズがなかったんだ。」
と、大変なことを言い始めた。
…この流れはマズイぞ! 俺とキリトだけならいいが、アルゴや他のβテスターたちに、敵意を向けられる事だけは…特にアルゴは仕事まで出来なくなってしまいかねない!
「おい、お前…」「あなたね…」「そんな事…」
エギル、アスナ、シリカが同時に口を開こうとしたら、キリトが手で止めて一歩前に出た。
そしてキリトが無感情な(に聞こえる)声を出して
「元ベータテスター、だって? ……俺を、あんな素人連中と一緒にしないでもらいたいな」
「な……なんだと……?」
「βテスターのほとんどは、レべリングのやりかたも知らない初心者だったよ。…今のあんたの方が、まだまだマシさ」
…なるほどな。
キリトの考えが分かった俺は
「その通りだな。…俺もそう思ったよ」
と、キリトの意見に乗っかった。キリトはその際に、『どうしてお前まで』という顔をしたが、やめる気はなかった。
…このままの場の空気じゃ、俺と一緒に戦っていたシリカまで疑いをかけられそうだからな。
俺はそのまま続けて言葉を続けた。
「--でも、俺たちはあんな奴らとは違う」
そうしたらキリトも諦めたのか、俺と一緒に言い始めた。
「そう、俺たちはβテスト中に他の誰も到達できなかった層まで登った。ボスのカタナスキルを知っていたのは、ずっと上の層でカタナを使うMobと散々戦ったからだ」
「他にも色々知っているぞ、アルゴなんか問題にならないくらいな。それに…」
ここから先の言葉を言ったら、もう後には引き返せなくなるかもしれないが…
心の中でシリカに(もしも、引き返せなくなったらごめん!)…と、思いながら
「それにそれ位の情報がなきゃ、βテストに出てなくてゲームのやり方も、ほとんど分からない妹をここまで強くして、さらに『俺がこんなゲームを終わらして、お前を守ってやる』…なんて言えるはずないだろ」
俺はなるべく人をバカにしたような、笑い顔を作って言った。
…『βテストに出てない妹』と言っておいたから、これでシリカがβテスターだと疑われる事もないだろう。
「なっ! このガキ…!!」
俺の言葉で腹を立ててる人の他に、
「そんなのチーターだ」
「そうだ、ベータのチーターだ」
などと、色々と俺たちに言ってくるいくつもの声が、聞こえてきて混じって聞こえた単語を、キリトが使った。
「そうだ俺たちは《ビーター》だ、これからは元テスターごときと一緒にしないでくれ。……そう思うよな?」
キリトは装備のコートを、漆黒のコートに代えながら俺に賛成を求めてきた。
…多分あれ、LAボーナスだよな..今度、俺も狙ってみようかな?
そんな風に思いながらも、キリトの問いかけに乗っかった。
「そうだな、あんな素人と一緒にされたくないな」
乗っかったあと、俺は
「さぁ行こう、シリカ。…第二層も、お兄ちゃんが守ってやるからな」
シリカにそう言って手を出した。そうしたらシリカも分かってくれていて
「よろしくね。お兄ちゃん!!」
と、俺の手を握り、返してくれた。
…そういえば俺、ゲームの中とはいえ女の子と手を繋いだのって、…初めてだな..
(って! そんな事を考えると、シリカを変に意識してるみたいじゃないか!!)
変にシリカの事が気になって、シリカ方を向くと…
「――ッ!!!」
同時にこっちを見たのか、目が合ってしまった………なんなんだ?この感じは?
そしてそのまま俺たちと一緒に歩いてきていたキリトが、俺がそんな事を考えてる内に
「二層の転移門は、俺たちが有効化しといてやる。この上の出口から主街区まで少しフィールドを歩くから、ついてくるなら初見のMobに殺される覚悟しとけよ」
と、他のプレイヤーに言った。
俺はそのキリトの言葉で、なんとかこの先の層の事を思い出し始めることで、頭を切り替える事が出来た俺は、改めてプレイヤーたちの方を見てみると、エギルとアスナの二人は『何もかも分かっている』という感じの目が、俺たちにとって救いだった気がする。
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「うわ~、絶景ですね~」
シリカが第二層に入ってから、すぐにそう口にした。
「まぁ俺もそう思うが…てっ! そんな事よりシリカ!!」
「はい、何ですか?」
そこで俺は繋いだ手を離し
「その…本当にゴメンな。俺の妹という事にしちゃって、もしかしたら「いいですよ」……え?」
シリカに頭を下げ謝った…が、しかしシリカが俺の言葉の途中で止めた。
「だから良いですよ、って言ったんです」
「な、なんで?」
「シュウさんが、あたしのためにあんな事を言ってくれたんだと分かりましたから……」
「そ、そうなんだけどさ……」
……真実なだけに、本人に確認されると流石に恥かしい。
「だからいいんです。…それに、あたしを守ってくれるんだよね? お兄ちゃん?」
「あ、ああ……」
そのテレながら顔を赤くして、しかも上目づかいの、笑顔で俺に聞いてくる。
それを笑顔を見て、俺はまともな返事は出来ていただろうか?
(すげー……可愛い)
本当に自分がどう返事したか思い出せないほど可愛かった。
しばらくして「お~い、お二人さん…俺がいるの…忘れてない?」
と、いう声で我に返った。
……忘れてた……
「ワ、ワスレテナイヨ」
「いや、シュウ。お前、棒読みになってるから…」
「お、覚えてましたよ…キリトさん」
「シリカもいいから、大体だなシュ「あなたたち」をもっ……え!?」
キリトの言葉を遮るように、後ろからこえがした。
後ろに振り返ると
「「「アスナ(さん)?」」」
アスナがいた。そしてキリトが
「……来るな、っていったのに」と、呟いた。そうしたら
「言ってないわ、死ぬ覚悟があるなら来い、って言ったのよ」
言い返してきた。
「そうだっけ、ごめん…」
確かにそう言ってた事を思い出したのか、キリトはアスナに謝っていた…
アスナはそれからエギルとキバオウ(誰だったっけ?)の伝言を言い(エギルの『二層攻略も一緒にしよう』という伝言は、本当に嬉しいものだった)最後に
「最後にこれは私からの伝言……あなたたち、戦闘中に私の名前呼んだでしょ」
と、聞いてきた。
「え?もしかして読み方間違えてましたか?」
シリカがアスナに聞くと
「読み方?まずその前に、私は名前を教えてないし、あなたたちからも聞いてないわよ」
「「はぁ?」」
アスナのシリカへの返事に、俺とキリトが間抜けな声を出してしまった。
それからパーティーを組んだ事のないアスナに、キリトが名前の見方を教えた。
「キリトにシュウにシリカ、これがあなたたちの名前?」
「うん」「ああ」「はい」
「なぁんだ……こんなところに、ずっと書いてあったのね……」
アスナがそう言って、キリトは初めて気づいたのか名前の見方を教えるのに彼女の頬に、おいてあった手を離した。
そのあとキリトとアスナは少し話をして
(俺たちはなんか聞いたら悪そうな空気だったので、少し離れていた…)
そしてキリトと離し終わったアスナは、最後に俺とシリカの方に来て
「その年で妹を守ってあげられるなんて、君は凄いよ」と、俺に(しかも頭を撫でながら)
「良いお兄さんがいてよかったね」と、シリカ(俺と同じように)に言って帰って行った。
俺は今、自分に起こった出来事にショックのあまり(頭を撫でられた事)に兄妹の事や、年齢の事などの誤解を解くのを忘れてしまった。
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「はぁ~……絶対誤解してるな、アスナ」
「ああそうだな、まぁ元気出せよシュウ」
「そうですよ、元気出して下さい」
俺たちはアスナがいなくなった後、主街区に向かって歩いていた。
その途中で、俺にメッセージが届いた。どうやらキリトにも一緒に届いたようだ。
…差出人はアルゴだった。
[大変な迷惑をかけたみたいだナ、二人とモ]
…相変わらず情報の速い事..
[お詫びに、情報をなんでもひとつタダで売るヨ]
その文章を読んで、俺はキリトのほうを見た。
キリトもこちらを向いてきたので
「どうする?」と、聞いた。
「そりゃあ、あれしかないだろ」
「だよな。」
…どうやら意見は一致のようだ。
俺とキリトは二人で同じ文章を書いた。
[おヒゲの理由を口頭で教えてくれ]
そして送信ボタンを同時に押し、また主街区の《ウルバス》に向かって俺たちは再び歩き出した。
後書き
感想や間違いの指摘など、待ってます。
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