美しき異形達
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第十一話 ハーレーの女その十四
「そうなの」
「ふうん、そうなのね」
「それであんた弓道部で」
「よく知ってるわね、私のこと」
「私が聞いたから」
菊も牛乳を飲みつつ向日葵に話す。
「それでなの」
「そうなのね」
「それでね、ひょっとしてだけれど」
「あんた結構おかしな連中とやり合ってないかい?」
薊はこの核心についてもだ、確かな顔で向日葵に問うた。
「ひょっとして」
「あっ、若しかして貴女達も」
「ってことは」
「ええ、実は前からね」
特に隠すこともなくだ、向日葵は薊に答えた。
「怪しい、獣と人間の合いの子みたいな人が出て来てね」
「あんたからも何か出してだよな」
「そうなの、私はね」
こう言ってだ、向日葵は薊達に自分の手の平を見せた。すると。
その手の平に光が出た、橙色の光が。
その光を見せながらだ、こう言うのだった。
「これね」
「光?」
「光よね」
「うん、これを放って相手を撃ったりして戦ってるの」
こう菊と裕香にも話す。
「そうしてなの」
「そうなのね、あんたの力は」
「光なのね」
「向日葵でいいわよ」
にこりと笑ってだ、向日葵は三人にこうも話した。
「名前でね」
「そう、じゃあ向日葵ちゃん」
菊は向日葵の言葉を受けてそのうえで彼女をちゃん付けで呼んだ。
「こう呼んでいい?」
「いいわよ、じゃあね」
「うん、こう呼ばせてもらうね」
「あたしもな」
「私も。よかったら」
薊と裕香も応えた、こうして向日葵の呼び方は決まった。このことも話してそうしてであった。
向日葵はだ、あらためて三人にこう話したのだった。
「何かね、最初はびっくりしたけれど」
「あんたも戦ったんだな」
「そうなの、これまで二人とね」
戦ったというのだ。
「そうしたの」
「そうなんだな」
「うん、知ってると思うけれど私弓道部でね」
「弓を射るみたいにか」
「そう、そうしてあの合いの子ね」
「あたし達怪人って呼んでるよ、あいつ等」
「じゃあ私もそう呼ぶわね」
今度は彼等の呼び名もはじまった。
「相手のことはね」
「それじゃあな、それでだけれど」
「それで?」
「実はあたし達、他にも二人いてさ」
「私は戦わないけれど」
裕香は力を持っていない、このことも言うのだった。
「あと天極先輩もおられるから」
「あの学校きっての天才の?」
「そうなの、あの人にも協力してもらってるから」
「凄いわね、あの人までおられるって」
「そうなの、けれどまだ何もわかってないの」
「どうしてあたし達が力を持ってるかな」
薊がまた向日葵に話した。
「それでそうして怪人が襲って来るかな」
「そうそう、私も不思議に思ってるのよ」
ここで向日葵も言ってきた。
「何で私が力を持ってるのかね」
「そうだよな、しかもやたら運動神経よくなってな」
「私前まで運動音痴だったのよ」
向日葵は自分のことも話した。
「弓道部でもそれ程じゃなかったの」
「それが今は、だよな」
「動体視力もよくなってね」
「運動神経もだよな」
「体力もついてね、凄く」
「戦える様になったんだな」
「潜在能力が出された感じ?」
向日葵は考えつつこう述べた。
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