万華鏡
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第七十六話 節分ライブその十二
寮の二年生達は飲むことを誓い合った、その二人に副部長が言ってきた。
「ねえ、あんた達ね」
「んっ、どうしたの?」
「何かあったの?」
「寮にお酒置いてるのね」
「うん、お部屋にね」
「置いてるわよ」
まさにその通りだとだ、宇野先輩と高見先輩は副部長に答えた。
「それでこうした時にね」
「飲んでるのよ」
「何か女子高生の寮っていうよりかは」
酒があると聞いてだ、副部長はこう言うのだった。
「男子大学生の寮ね」
「何かそう言われると急にむさ苦しくなるわね」
「花の寮どころか」
「全然違うじゃない」
「天国と地獄位に」
「飲み過ぎない様にね」
副部長はkのことは強い声で言った。
「明日も学校あるから」
「まあ二日酔いにはならない様にするから」
「そこは気をつけるから」
二人もこのことはちゃんと言うのだった。
「一升瓶一本で止めておくから」
「私もね」
「日本酒ね」
「そう、日本酒ね」
「お豆はこれでしょ」
「私最近日本酒もいいけれど」
副部長も飲んでいる、その飲む人間の言葉だ。
「ビールもいいかなって思ってるのよね」
「ビールもいいわね」
「あっちもね」
二人は副部長のその言葉に応えてそれもと言った。
「あの炭酸の感じもね」
「いいわよね」
「ええ、痛風が怖いけれど」
それでもだというのだ。
「そっちも楽しんでるわ」
「ビールねえ」
宇野先輩はビールについてだ、こんなことも言うのだった。
「あれもいいわ、けれどお豆にはね」
「お酒っていうのね」
「日本酒でしょ」
これが一番だというのだ。
「しかも広島の地酒よ」
「あんたの地元ね」
「やっぱりこれよ」
その広島の地酒だというのだ。
「昔から広島っていったらね」
「その地酒っていうのね」
「そう、昔から何かあれば飲んでるからね」
「智ちゃんもよね」
「まあ子供の頃からこっそりとね。身内の中でね」
「飲んでたのね」
「こっそりでも量はかなりね」
飲んでいたというのだ。
「飲んでたわ」
「智ちゃん牛乳飲んだらよかったんじゃないの?」
高見先輩は冗談半分に宇野先輩にこうも言った。
「そうしたらね」
「背が伸びてたっていうのね」
「折角可愛いし胸もあるから」
「まあね。背はね」
宇野先輩自身もその胸についてこう言うのだった。
「ちょっとね」
「自覚してるのね」
「自覚してるけれど気にしてないから」
「部長と一緒のこと言うのね」
「気にしてもね」
そうしてもというのだ。
「背は伸びないからね」
「だからっていうのね」
「そう、別にいいわ」
背のことは、というのだ。
「気にしても仕方ないし」
「達観?」
「というか昔から小さくて結構人気あったから」
「そこも部長と一緒ね」
「いいのよ。まあ牛乳の話は置いておいて」
そしてというのだった。
「飲もうね、寮で」
「ええ、そのことはね」
飲むことについては二人共同じ意見だった、そうした話をしてだった。
二年生達は自宅性も寮生もそれぞれ豆で飲むことにした、勿論一年生達もだ。
景子がだ、四人に笑顔でこう言ってきた。
「私の家で飲む?」
「そうね、飲むのならいつものことだけれど」
「大勢の方がいいでしょ」
「そうよね、それじゃあね」
琴乃がその景子に笑顔で応えてだった、そうしてだった。
他の三人も二人に賛成して景子の家である神社に入ってだ、そこでこの日も五人で楽しく飲むのだった。節分も楽しく過ごした五人だった。
第七十六話 完
2014・4・9
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