オズのモジャボロ
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第七幕その三
「食べられちゃうかって思ってね」
「そうだったね、いや彼等は」
モジャボロもドロシーに応えて言います。
「最初はかなりね」
「凶暴だったから」
「そうだったね、そういう種族も昔はね」
「オズの国に多かったわ」
「そうだったね」
「最近オズマの治世がよくてかなり減ったわ」
そうした凶暴な種族も、です。
「有り難いことにね」
「オズマのお陰だね」
「本当にね、だから僕達もこうしてね」
どうかというのです。
「楽しく旅が出来るんだよ」
「安全にね」
「そう、だからね」
それではというのでした。
「一緒に行こうね」
「狐の国にも驢馬の国にもね」
「ミュージッカーさんのところにも」
招待状を届けたい人達のところにです、そして。
ドロシーはです、恵梨香達にも言いました。
「安心してね、スクーグラーの人達のことも」
「はい、わかりました」
恵梨香はお握りを手に取って食べながらドロシーに応えました。
「南に行きましても」
「オズの国も昔よりもずっと安全になったからね」
「そういえばオズの国ってあれですよね」
「あれって?」
「いえ、トビハネ族って人達もいますよね」
「イッカク族もね」
「色々な種族がいますね」
このカドリングの国だけでもです。
「その人達の中でもスクーグラーの人達は物凄く怖いですよ」
「恵梨香達が知っているあの人達はね」
「外見も怖いですよね」
顔が二つあってです、そのどの顔もとても怖いのです。それがスクーグラーという種族の特徴なのです。
「それで心も」
「けれどそれがね」
「変わったんですね」
「そうよ、今では地下のノームの人達ともね」
かつてラゲドー王の下で何度も揉めてきたその人達ともです。
「平和よ。あの人達もオズの国の中に入ったのよ」
「地下もですか」
「そう、地下もね」
オズの国に入ったというのです。
「今ではオズの国なのよ」
「そうなんですか」
「そうなの、カリコさんと私達はお友達だから」
「カリコさんがですよね」
今度はジョージが言ってきました、マスタードがとてもよくきいた美味しいソーセージのホットドッグを食べながら。
「今のノームの王様ですよね」
「ええ、真面目でいい人よ」
「そうですよね」
「あの人が王様になってからね」
その時からというのです。
「ノームの人達も変わったのよ」
「平和な人達になったんですね」
「王様でかなり変わるのよ」
このことはノームの人達も同じだというのです。
「元々ノームは地下で平和に暮らしていたのよ」
「ところがあの人が王様になって」
ジョージはラゲドーのことを考えながら言うのでした。
「ノームは悪くなったんですね」
「そう、あの人はよくない王様だったから」
「暴君でしたよね」
神宝はお饅頭。中に鶏の挽き肉と筍を入れたそれを食べながらラゲドーについてこの言葉をかけました。
「あの人は」
「そう、大変なね」
「その人が王様だったからですか」
「ノームの国も悪くなったのよ」
「そしてノームの人達も」
「けれど今はカリコさんが王様だから」
だからだというのです。
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