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完璧で瀟洒な従者…だが男だ

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第1話 十六夜 咲夜…だが男だ

 
前書き
細かいことは考えずに投稿してしまいました…。
反省も後悔もしてます。 

 
僕はとある場所のとある人物の前で恭しく頭を垂れていた。


「もっと近くに寄りなさい」

「はい」

そう言って僕はお嬢様の近くに寄る。
お嬢様…『紅い悪魔(スカーレット・デビル)』の異名を持つ、レミリア・スカーレットの傍に。

「今宵も月が綺麗ね」

「はい、いい満月ですね」

僕が彼女の言葉に同意すると、レミリアお嬢様の手が僕の頬を大事な物を扱うように撫でる。
正直、くすぐったい。

「お嬢様…」

「うふふ…『咲夜』、私の『咲夜』…」

お嬢様の端整の整った顔が僕の方に近づき、少女とは思えない妖しげな色気のある笑みを放ち、僕の頬に手を添えながら。そしてお嬢様は───


かぷっ、ちゅー



※この後お嬢様に無茶苦茶吸血された。



◆◆◆



おっと、名乗り遅れたね。
僕の名前は十六夜咲夜。

二次創作とかでの所謂、TS憑依系オリ主ってヤツだ。
十六夜 咲夜という人物は本来女だが、何故か僕は男だ。
その為か、本来の彼女の役職はメイド長なのだが僕は男だから執事長だ。
執事僕しかいないけど。
ま、まぁ別にいいけどね。
ぼっちこそ至高だから(嘘)

転生したまでは良かったが、僕は神様に会ってないし俺TUEEEみたいなチート能力も無い。
精々僕にあるのは、時を操る程度の能力と紅魔館の皆に鍛えられた身体能力しかない。
強そうに見えるが、意外と弱点はあるのだ。

よってこの第二の生、平穏無事に天寿を全うすることが出来るか不安しかない。

僕は自身の転生先についてまだ何も知らないのだから。

ただこの世界は『東方Project』というPCの弾幕ゲームの世界ではない事は確かだ。

幻想郷、博麗神社、博麗大結果など調べてみたが何も分からなかった。
恐らく存在しないと考えた方が良いのだろう。

それに僕が今いる紅魔館は、現代日本に拠点を構えている。
確かに食料を調達しに外出するからよくこの辺りの事はお嬢様より詳しいが、何故周りの住人が紅魔館に疑問を抱かないか不思議だが、お嬢様の力なのだろう。
流石ですお嬢様。


どうでもいいが住宅街の外れに紅魔館があるってかなり怖いと思う。
それこそかの有名なホー○テッドマン○ョンや○ン○ターハウス並だ。
毎回食料調達から帰って来てもかなりビビる。

こんなメンタルで大丈夫か?
大丈夫じゃない、大問題だ。

とにかく、紅魔館でひっそりとお嬢様達と平和に文字通りの意味で第二のライフを楽しむんだー!

ヒャッハー!


◆◆◆


とか呑気に考えてる時期が僕にもありました。
あの後お嬢様に血を与えて、いつも通りの嬉し恥ずかし(男が僕しかいない故)紅魔館ライフをしばらく堪能していた僕にある日突然お嬢様に呼ばれたかと思えばお嬢様は僕に一つの命を降した。

「お嬢様…?今なんと?」

思わず聞き返してしまったよ、お嬢様のお言葉が信じられなくて。
普段なら絶対しないのに。


「学校へ行きなさい、咲夜」


学校。
今生で縁も所縁も無かった場所にお嬢様は行けと仰った。

「僕が…ですか?」

「貴方以外誰が居るのよ、これは貴方にしか頼めないわ」

やや呆れたような顔で此方に言ってくるお嬢様。
確かに。
でも何故今更なのか?
理由を問いたかった。
けど丁度その時、僕の脳髄に電撃が迸るような衝撃を受けた。

(これはひょっとしてお嬢様の能力による命…?)

僕は知らないが、十六夜咲夜という人物はレミリアお嬢様が運命がどうたらこうたらで拾って来た筈。


運命を操る程度の能力。


今一どういう能力かは詳細不明だが、レミリアお嬢様の能力だ。
確か未来予知も出来たとか。
僕の知識にはそんな風に記憶されている。

お嬢様はきっと何か未来を視たに違いない。
そして何やら考えもあるご様子。


ならばお嬢様に付き添う完璧で瀟洒な従者としては、従わない訳にはいかない。
黙って従うのみ。

「お嬢様の仰せの通りに」

僕は左胸に手を当て一礼し、お嬢様の自室から退室した。

さて、学校か。

学校かぁ〜。今世では初めて通うなぁ、今から楽しみだ。

あ、色々考え始めたら不安になってきた。




…めーりん、めーりん助けてめーりん!

「えっ、ちょ、咲夜さぁぁん⁉︎」










 
 

 
後書き
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