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りすのナトキンのお話

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第五章

「次は貸したくなくなるし」
「ボールも」
「その他のものである場合もね」
 どちらにしても、というのです。
「貸したくなくなるからね」
「お行儀よくすればいいんですね」
「それが人と付き合う秘訣だよ」
「秘訣ですか」
「そう、秘訣だよ」
 まさにそれだというのです。
「人を怒らせないから」
「だからなですか」
「そうだよ、だからいいね」
「はい、わかりました」
 確かな顔で頷いたナトキンでした。
「それじゃあこれからは」
「うん、これまでもね」
「礼儀正しくですね」
「お行儀をよくしてね」
「そうすればいいんですね」
「そうだよ、これでわかったね」
「はい、わかりました」
 ナトキンはとても明るい顔でおじさんに答えました。
「これからはそうします」
「そういうことでね、じゃあまたね」
「今度もですか」
「何か借りたい木の実があれば来てね」
 そしてというのです。
「わしも貸すよ」
「わかりました」
「それじゃあまたお願いします」
 ナトキンもお友達も応えました、そうしてです。
 ナトキンは気持ちよく遊びを終えてお家に帰ることが出来ました。お友達とも丁寧に挨拶をしましたが明るく帰ることが出来ました。
 そしてお家でマグナスおじさんとのことをお話するとです、お母さんはこうナトキンに言いました。
「ほら、いいでしょ」
「うん、お行儀よくしたらね」
「誰も怒らないしね」
「それどころか笑顔でいてくれるね」
「なぞなぞもね」
 これもだというのです。
「場所を考えて言うことよ」
「そうすればだね」
「そう、ブラウンさんの時みたいにはならないわよ」
「そうなんだね、じゃあこれからは」
「わかったわね」
「うん、わかったよ」
 とてもよくと答えたナトキンでした。
「それじゃあこれからはね」
「そう、お行儀よくしなさいね」
「わかったよ、お母さん」
「それじゃあもうすぐお父さんが帰ってくるから」
「お父さんが帰ってくればだね」
「晩御飯にするわよ」
 お母さんは我が子に笑顔で言いました、そうしてです。
 お父さんが帰ってくるとすぐにでした、ナトキンはとても美味しい晩御飯を皆で食べました。ナトキンはお行儀よくするとどうなるかよくわかりました。


りすのナトキンのお話   完


                                 2014・3・16 
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