ソードアート・オンライン~十一番目のユニークスキル~
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唯一無二の不確定因子
第十三話 白銀のオーラ
前書き
お待たせしました!!
14日に出す予定でしたが色々と用事が重なり、更新できませんでした。
その代わり、今までと比べて文章量は多いです。
それと、十二話の最後のスキル名を叫ぶところの名前間違ってましたwww
更新と同時に直しました。
「アルキミア・アーマメント」
そう呟いた瞬間
轟!!
という唸りとともに、リオンの体を中心に白銀のオーラが螺旋を描きながら空に立ち上った。
それを見たPoHは赤い包丁の背で肩を叩きながら低く言った。
「・・・・・・おーおー。すげえなぁ、白き死神サマ。んで、その神々しいオーラで何を見せてくれるんだ?」
リオンは、それに答えず、気負いのない動作で右手を振りかぶる。
するとその手に、彼の周りを渦巻く白銀のオーラが集まり、瞬時に彼の手の中にオーラで構築された片手剣が出来上がった。
既に振りかぶるという動作が終わっている右腕。その構えは片手直剣突進技、<ソニックリープ>。
鮮やかなライトグリーンが刀身を包んだ瞬間、地面を蹴りPoHに突進した。
PoHはそれを右手のタガーで剣の軌道に割り込むように叩き付ける。
二つの刃は激突し、ガイィィィン! という強烈な金属音と、膨大な火花が迸った。
「Wow・・・・・・剣を作り出すスキルなんざぁ初めて見るぜ」
「余裕こいてると死ぬぞ?」
今だに余裕を見せるPoHに冷たく言い放つと、せめぎあわせていた剣に力を込めた。
その反動で大きく後方に跳んだ。その距離はお互いに持つ獲物の間合いの外。
しかし、リオンはそんなことをお構いなしに、左前を半身にし、白銀の剣と左手を上段に高く構えた。すると白銀の剣は形を変えて、今度は槍の形に変化した。
「・・・・・・っ!?」
PoHは目を見開くと、突き下ろされた槍を、体を左に捻ってぎりぎり回避した。槍はそのまま地面に突き刺さる。
「まだだぞ」
リオンは槍を突き下ろした勢いで体を左に捻り、姿勢を低くすると、左の腰元に両腕を硬く据える構えを取る。それはまるで刀を抜き打ちする寸前のような構え。次の瞬間、腰に再び白銀のオーラが集まり、刀の形を型取る。
狙いは右腕。武器ごと利き腕を切り落とす。
「チッ!!」
強く舌打ちをするPoHを見て、リオンは思った。
勝ったと──
恐らく、それは確信に近かっただろう。
最初のソニックリープから槍の突きおろしでPoHの体勢は完全に崩れている。次の一撃は絶対に決まる。そう思いながら、右手を振り抜いた。
────が、突如、目の前の空間がゆがみ、そこから光さえも飲み込んでしまうような漆黒の刀とともに銀髪の男が現れ、その一撃を甲高い音とともに受け止めた。
リオンは自分の一撃を止めた男を訝しげな目で見た。
「・・・・・・お前は誰だ?」
「僕かい? 僕の名前はライトだ・・・・・・よっ!!」
ライトと名乗った男は、一瞬言葉を溜めてリオンに肉迫すると、右の拳を一直線に突き出した。
「グッ・・・・・・!」
ノックバックが発生し、距離が空く。その間にライトは気だるそうな声で隣のPoHに話しかけた。
「PoH。加勢してあげるからさっさと片付けるよ」
「てめぇ、さっきまで完全に傍観する気だったろうがよ」
PoHはライトを睨みながら吐き捨てるが、当人は目が合わないよう逸らしながら、
「・・・・・・そんなことはどうでもいいよ」
ボソッとぼやくライトを見たPoHは諦め、叫んだ。
「ふん・・・・・・まあいい。そんじゃフィナーレと行くか!!」
「上等だ。二人まとめて相手にしてやる!!」
リオンは鼻で笑うと、余裕の表情を見せた。
しかし、実はその表情とは反面、心の中ではかなり焦っていた。
(まずいな・・・・・・そろそろこのモードが解ける。PoH一人なら必要ないと思って、発動前にポーション飲まなかったのがあだになったな・・・・・・)
このスキルは様々な武器を作り出すことができるが、その対価として、発動中はHPが毒のように毎秒削られていく。
そのため、HPが1になってしまえば、対価が払えなくなくなり、自動的にスキルが解除されてしまう。それに加え、副作用として、しばらくの間、結晶での回復はできなくなる。
唯一ポーションでのみ回復させることができるが、この二人と戦闘をしながら使用することはまず不可能だろう。
HPバーに目をやれば、残りはすでに五割を下回り、イエローに変色していた。
(このHPからして、もって一分・・・・・・しかも攻撃を一撃でもくらえばさらに短くなるし、下手すりゃそのままゲームオーバーだ)
それに加え、危惧すべき点がもう一つあった。それはあのライトと言う男の実力。
先ほど剣を交えて分かったが、確実に俺と同等かそれ以上の力を持っているだろう。
(アレを使ったとしても副作用で俺は多分死ぬだろうな。かと言って、このまま殺りあえば死ぬのは必至か・・・・・・)
リオンは一瞬だけ目を閉じた後、いまだに麻痺が解けないアリスの方に振り返り、一言呟いた。
「ごめんな」
「え・・・・・・?」
アリスはその何かを覚悟した目を見た時、嫌な予感を覚えた。そして気づいた。リオンのHPがすでに半分をきってイエローに突入していることに。しかもそのHPが少しずつ減っていることにも。
「リオン・・・・・・あなたまさか・・・・・・」
理解してしまった。今の謝罪の意味を。すぐに身体を動かそうとするが、相当強い毒が使用されたのか五分以上たった今も身体が動かなかった。
(まだ!? まだ毒は消えないんですか!? はやく、はやく消えて・・・・・・じゃないとリオンが・・・・・・)
その時、二つの風が吹いた。一つは、白と赤の色彩を持った風。もう一つは黒の色彩を持った風だった。
白と赤の風の主は、心配そうな顔をしながら、アリスのすぐそばにひざまづいた。
「アリスだいじょうぶ!?」
アリスは突然アスナが現れたことに驚きの顔を見せていたが、すぐにはっとした表情に変わる。
「アスナ! 私よりもリ・・・・・・」
リオンの方を!!
と叫ぼうとしたその寸前、アスナがぽん、と肩に手を置いて言った。
「リオンくんは大丈夫だよ。キリトくんがいるから」
「キリト・・・・・・もですか・・・・・・?」
その呟きにアスナは小さく頷くと、右手でポケットから二つの結晶を取り出し、左手をアリスの胸に当てて「ヒール!」と叫んだ。二つの結晶が砕け散り、アリスのHPバーが一気に右端までフル回復し、デバフアイコンが消滅した。それを確認したアスナは、キリトとリオンの方に目を向ける。
「相手が例えあの殺人鬼のPoHでも、攻略組でトップクラスのあの二人なら絶対に大丈夫だよ」
二人に絶対の信頼をよせるアスナを見ながら、アリスは身体を起こすと、近くに落ちていた山吹色の刀身を持つ長剣を強く握りしめた。そして誰にも聞き取れない程の小さな声を漏らした。
「大丈夫だといいのですが・・・・・・」
◆
俺が覚悟を決めて、あるスキルを使おうとした時、黒い風が吹いた。
そちらに目をやると、そこには左頬に不敵な笑みを浮かべたキリトがいた。
「助けに来たぜ、リオン」
「キリト・・・・・・! お前なんで・・・・・・?」
「細かいことはあとだ。とりあえず今は」
途中で言葉を切ったキリトはPoHとライトの方を見る。その行動で何を言いたいのかを悟った俺は、習うようにキリトと同じ方向に目を向け、言葉を続けた。
「ああ、そうだな。まずは」
「「あいつらを片付ける!!」」
二人は同時に叫び、地面を蹴った。
後書き
十四話目です!!
大事な場面のスキル名ミスるというやらかししました。
ホンットにすみません!!
今回の話は意外とすらすらと書けました。なので次の話をさっそく作り始めましたが、開始3分でわかりました。
時間かかります。さすがに二か月はかかりませんが、下手すると九月過ぎまで出せないかもしれません。
努力はしますが、次の話の表現がこれまた苦手な分類なのですwww
こんな駄作者ですがこれからもこの作品をよろしくお願いします!!
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