とある3人のデート・ア・ライブ
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第二章 雨
第5話 事実
上条は全力で走っていた。
もちろん、それは確かめるため。
上条は家に着いた。
勢いよく家に上がる。
リビングに行くと一方通行と佐天がソファでゆっくりしながらテレビを見ている。
佐天「どうしたんですか?そんなに慌てて」
一方「何かあったのか?」
上条は一方通行の前にきて、肩をつかんで言う。
上条「2日前の夕方、お前はどこにいた!?」
一方「ハァ!?」
一方通行は上条が何かふざけているのかと思ったが、上条の表情を見てそれはないと思った。
上条「いいから答えろ!!」
佐天「え?その日のその時間は3人一緒にいたじゃないですか」
一方「……ン?」
佐天「ほら、一方通行さんが学園都市の狙いを話した日ですよ」
佐天は答えた。上条も心の中でそれに同意した。
だが……
一方「何言ってンだ?俺はその時間、フラクシナスにいたはずだ」
佐天「……え?」
上条「やっぱり……」
上条は両手を一方通行から離すと、ソファに座った。
一方「何がどうなってやがるンだ?」
佐天と一方通行は話についていけてない。
上条だけが理解した。
″あの時の一方通行は『偽物』だったということを″
一方「オイ。どういうことか説明しろ」
上条「分かった……」
上条は説明した。一方通行がラタトスクに行った時間に一方通行がこの家にいたことを。
そしてその時の『偽物』は学園都市の狙いを言ったことを。
一方「……」
佐天「そんな……」
佐天は信じられない物を見たような顔をした。無理もない。アニメのようなことが現実に起きたのだから。
上条「考えて見ればおかしかったんだ。一方通行が簡単に魔術師が言ったことを信じたこと。いや、それ以前に魔術師が学園都市の狙いを知っていたことが!」
上条は悔しそうな表情で言う。
佐天「でも…誰が、何の為に…」
上条「それは分からない。でも、これだけは言える」
上条は一呼吸おいて、
上条「その『偽物』は一方通行の口調や、一方通行が缶コーヒーを好んで飲むことを知っていた……恐らく学園都市の人間だろう」
佐天「え!?そんな……」
一方「……上層部が俺の素性を明かしやがったか」
佐天「で、でもそんな人に化ける能力者なんて……」
一方「いや、1人だけそう思われるヤツがいる」
佐天と上条は一方通行の見た。
一方通行は2人に目線を合わせず、下を向いて言う。
一方「学園都市Level5の第6位。ヤツだけは何の情報もねェンだ」
学園都市の第6位
正体不明のLevel5
佐天と上条からすると聞きなれない言葉である。
佐天「でも、情報がないなら何で…」
一方「噂だが、ヤツの能力は『肉体変化』なンだそうだ」
一方通行は相変わらず下を向きながら言った。上条はそんな一方通行を見た。
彼なりに悔しいのだろう。
拳を握っているのが一目見てすぐ分かった。
上条は慎重に言葉を選びながら言う。
上条「その能力で一方通行に化けたと……」
一方「……かもな」
佐天「でも……何でまた……」
そう、1番分からないことは何故こんなことをしたのか。
学園都市の命令か。
または自分の趣味なのか。
上条「さあな。でもその『偽物』は俺達をどうかしようとしていたのは間違いない。これは丁度いい機会だな」
一方「何がだ?」
上条はある名案を思いついた。
上条「そいつは学園都市の人間で、なおかつ外にいるヤツだ。土御門に頼んで俺達以外で外出届けを出しているヤツを探ればいい」
佐天「そうすれば、誰がこんなことしたか分かると…」
上条「あぁ。かなり数は絞れるはずだ」
一方「チッ……」
それでも
誰か分かったとしても
自分たちが『偽物』を見つけられるか
常に化けてる人間だ
彼らが『偽物』を見つけるのはかなり先の話になるだろう
『偽物』が名乗らない限りは……
後書き
四糸乃編終了しました!最後はシリアスなカンジで終わりましたが、いいカンジにまとまったと思います。
精霊達が住む士道の隣に建てられたマンションに住むことになった上条達3人ですけど、これはなんとなくでやりました(笑)
今まで読んでくださったみなさん、ここまで見てくださってありがとうございます!
これからも頑張りたいと思いますので、静かに見守っていてください。
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