転生とらぶる
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コードギアスR2
0637話
ブリタニアの首都ペンドラゴンからそう遠くない地方。そこにその研究所は存在していた。周囲から覆い隠すかのような、まるで孤立していると表現してもいいような研究所。それが俺の視線の先にある研究所、即ち『ダラス研究所』だ。ブリタニアの中でもトップクラスに機密度の高い研究所であり、シュナイゼル直轄の研究所でもある。そう、ニーナがフレイヤを開発している拠点だ。
何故俺がここにいるのか。それも、空に月が出ているような時間に。それは難しい話ではなく、単純につい先日ここでフレイヤの起動実験が成功したと、ブリタニアに忍び込ませていたスパイからの連絡があった為だ。
あぁ、もちろんこのスパイに関してはシャドウミラーのメンバーでは無く、星刻の直属の部下だ。フレイヤという兵器が開発されている事は知らなかった星刻だったが、俺からのアドバイスに従いスパイを放った訳だ。……まぁ、そのスパイがどういう人物なのか、あるいは中華連邦お得意のハニートラップなのかとかは分からないが、とにかく情報を入手した以上は手を出さざるを得ない。
何しろ、フレイヤはギアス世界で俺が欲した技術であると共に、ブリタニアとしてはシャドウミラーを相手に圧倒的に不利な戦闘を逆転させられる可能性を持つ兵器だ。
……もっとも、その場合は原作でのラストバトルのように色々な意味で酷い事になるだろうが。
そんな訳で、フレイヤに関しての各種データと第一次製造分のフレイヤを奪うべく、例の如く侵入しに来た訳だ。
こうして考えると、既にどこの世界でも侵入するのはお馴染みの光景だよな。このギアス世界でも、オデュッセウスや麗華を連れ出す時にやっているし。不幸中の幸いというべきか、このダラス研究所はあくまでもシュナイゼル直轄の研究所だ。ブリタニアの城や朱禁城に比べると警備は厳しくないだろう。……ないといいな。
いや、むしろダラス研究所という研究所だけだから逆に警備が厳しい可能性もあるのか。
どのみち俺の侵入を防げるようなレベルの警備じゃない以上は特に関係はないけどな。
「ま、とにかく行くしかないか」
研究所を見据える岩山から飛び下り、そのまま影のゲートを使用して研究所の中へと侵入し、いつものように影の中から研究所内へと0.1mm程度まで細くしたスライムを張り巡らせて情報を収集していく。
『あー、疲れた。……また暫く泊まり込みだよ』
『けどその分給料はいいんだから、我慢しないとな』
『だろうな。お前の所も子供がそろそろ学校に上がるんだろ? この勤務形態は厳しいけど、給料はこれ以上ない程にいいんだよな』
『そりゃそうだろ。なんたってここはシュナイゼル皇子の直轄機関だぜ?』
『そういえばカンボジアの方にも同じような研究施設があるって話を聞いたけど……知ってるか?』
『ああ、トロモ機関な。重要度はここと同じか、それ以上って話だが』
『じゃあ、やっぱりそっちも給料高いんだろうな』
どうやらこの研究員達はまだまだ元気らしい。取りあえず次だな。
再びスライムを操り、機械の作動音のみが聞こえる場所を探し……
『ユーフェミア様……私は、貴方の汚名を雪ぐ為にここまで頑張ってきました。ですが、ユーフェミア様の汚名はコーネリア様がその身を以て雪いでしまった。なら、私はどうすればいいの?』
おいおい、この言葉と声ってもしかしなくてもニーナか?
しかも拘っていたユーフェミアの汚名が雪がれた為に悩んでいる状態だ。
……これはちょっと予想外だったな。正直、俺はこのダラス研究所でフレイヤの第一次製造分を空間倉庫でパクって、各種データもコンピュータ諸共に奪ったらここを消滅させるつもりだった。それこそ、ニーナ諸共にだ。
何しろフレイヤの開発はまだしも、ニーナという少女は頭はいいのかもしれないが馬鹿だ。原作同様にブラックリベリオン時にフレイヤの原型となる爆弾を使おうとしていたというのは、ギルフォードを通じて情報を入手済みだ。
つまり、ユーフェミアが関係するとどんな暴走をするか分からない女。しかも有能であるからこそ扱いに困る。そんな相手がこのままブリタニアについているというのは困るし、かと言ってシャドウミラーにつくかと言えばこれもまた難しいだろう。陽光の人種はアジア人であり、ブリタニア人ではないのだから。
だが、今の呟きを聞けばあるいは……まぁ、どのみち殺す気だった相手だ。こちらの利益にならないのなら、ここでどうにかすればいいだろう。
そう判断し、影のゲートをニーナの部屋へと繋げて……姿を現す前に一応目に見えない程細くしたスライムで部屋中を探る。
……盗聴器やカメラの類は隠されていないな。
その確認が終わった後、ニーナの部屋の影から姿を現す。
そんな俺の目に入ってきたのは、ベッドへと踞っているニーナの姿だ。俺が現れたのに気が付いていないらしい。
「どうした? ユーフェミアの汚名が晴らされたというのに、随分と辛そうだな」
「っ!? だ、誰!?」
声を掛けた瞬間、まるで小動物が蛇に見つかったかのようにビクリと震え、そのまま壁際に備え付けられているベッドの上で俺から距離を取ろうとする。
壁に背を付け、少しでも俺から離れようとしているニーナだが、その目は俺が出て来た影のすぐ側にある机へと向けられている。恐らく通信機なり、内線なりがあるんだろう。
「さて、自己紹介が必要か? それなりに有名な顔だと思ったんだがな」
敢えて軽くそう告げ、カーテンを開けて月光で部屋の中を照らす。
そして月光に照らされて俺の顔が区別できるようになり……
「アクセル・アルマー!?」
驚愕の表情を浮かべながら俺の顔を見るニーナ。
「ど、どうしてこんな場所に!?」
「俺がここに来た理由が本当に分からないか?」
「……」
その問いに黙り込んだニーナに向け、一言だけ告げる。
「フレイヤ」
「っ!? な、何でフレイヤの事を!?」
「陽光、そしてシャドウミラーも無能ではないという事だ。そして、フレイヤの起爆実験が成功し、第一次製造分が完成しているのも掴んでいる。その為に俺が派遣されてきたわけだ」
「……どうやってここに入ったの? このダラス研究所は警備も厳しいのに」
ん? ブリタニア人以外を怖がるニーナにしては、思ったよりも警戒心が薄いな。
いや、もちろん俺から距離を取るべく壁に背を付けて枕を盾のようにして構えているんだが、俺のイメージだともっと過激な行動を取るものだとばかり思っていた。泣き喚きながら、手当たり次第に物を投げ付けてくるとか。
まぁ、いい。今はとにかくニーナに対する対応をしないとな。
「TVでやってた陽光の建国宣言を見なかったのか?」
「それは、見たけど……」
「なら、俺がどんな力を持っているのかも知っている筈だな? 魔法。この世界には存在しない技術だ」
「……魔法……」
「そうだ。色々と魔法にも種類があるが、俺が使える魔法を使えばこの世界の警備なんて問題にもならない。実際、ブリタニアの首都でもあるペンドラゴンの、しかも皇帝のいる城から第一皇子を連れ去られたのにも気が付かなかっただろう?」
「それは……」
さすがに城の警備が厳しいというのは理解しているのだろう。特に何を言うでもなく黙り込むニーナ。
「さて、次は俺の質問だ。……コーネリアのギアスに関する放送を見たな?」
「……」
怖ず怖ずと頷くニーナ。
「なら、ギアスという能力を使わせる為にブリタニアが違法な研究をしていたというのも知っている筈だな?」
「それは……でも……」
そしてここで決定的な一言を告げる。
「そんなお前が、何故今もまだブリタニアに協力している? お前のやっている事は、つまりユーフェミアの仇に対して協力しているんだと理解しているのか?」
「けど……けど! 違う、私はユーフェミア様を裏切ってなんかいない!」
「だがブリタニアに協力しているのは事実だろう?」
「違うの! 私はユーフェミア様の名誉を回復しようとして!」
顔を押さえ、俺の言葉を信じたく無い。そんな風にしながら言葉を紡ぐニーナ。
「結局ユーフェミアの汚名を雪いで名誉を回復したのは、お前ではなくユーフェミアの姉であるコーネリアだったな。……それなのに、何故お前は未だにここにいる? 本来ならお前が慕っていたユーフェミアの仇を取ったと言ってもいいコーネリアの元に出向いて、礼なりなんなりをするんじゃないのか?」
「それは……けど、でも。シュナイゼル殿下の恩に報いる為には……」
ふぅ、動揺させるのはこの程度でいいか。
「さて、ニーナ・アインシュタイン。選べ。このままユーフェミアの仇ともいえるブリタニアに協力し続けるか、あるいは俺達の下へと来るか」
「……」
「ああ、別にシャドウミラーに入れとは言わないさ。もちろん陽光にもな。だが、お前がこのままブリタニアに協力をするというのは、色々な意味で拙いのも事実だ。故に……選べ。このままシュナイゼルの意志に従ってその命を終えるか、あるいは生き残るかをな。お前の取るべき道は後で決めればいい。ようは、このままここに残るかどうかだ。……悪いが時間が無いから、すぐに決めてくれ」
ここでもしダラス研究所に残るというのなら……悪いが、その時はこの研究所諸共に消えて貰うしかないだろう。そんな思いで告げた言葉に、やがてニーナは小さく頷く。
「わ、分かったわ。どうするかはまだ決められないけど、ユーフェミア様の件でコーネリア様にお礼は言いたいもの。今は貴方と一緒に行く」
取りあえずは一緒に来るけど、シャドウミラーに所属するかどうかは決めないか。まぁ、妥当なところだ。ブリタニア人以外を怖がるニーナだけに、その選択はある意味で当然だったのだろう。
そして俺としてもありがたいと言える。色々な意味で危険人物であるニーナだけに、妙な暴走をされても困るからだ。
「さて。なら早速だが、フレイヤの研究データはあのコンピュータの中に入っているのか?」
「え? あ、うん。そうだけど。で、でもフレイヤについてのデータは当然ダラス研究所にある他のコンピュータにもあるから……」
自分のコンピュータを持っていったところでどうしようもない。そう言いたいのだろう。だが、この研究所そのものを消滅させる予定である以上、多少データが残っていたところで……いや、待てよ?
「フレイヤに関してのデータは全てこの研究所にあるだけか? 他の場所に何らかのデータが残っていたりはしないのか?」
「え? ええ。シュナイゼル殿下からはそう聞いてるけど」
「なら、この研究所その物が研究員諸共に消え去れば問題は無い訳だな」
「……そうね」
なるほど。この研究所で働いている奴等を犠牲にしても、それ以上にユーフェミアの方が大事な訳か。俺が言うのもなんだが、歪んでいるな。
「ならまずはこのコンピュータだな」
呟き、コンピュータに触れて空間倉庫の中へと収納する。
「え? あれ? 今何が? 私のコンピュータは?」
「そうだな。ちょっと違うが、これも魔法の1つだと思ってくれ。それよりもフレイヤの保管庫に向かうぞ。俺の近くに来い」
「え? あ、う、うん」
いまいち要領を得ないながらも、俺の近くに来るニーナ。それでも少しの距離を開けているのは、やっぱり俺を……というか、ブリタニア人ではない男を信用は出来ないからだろう。それでも西洋人の容姿をしているからこそ、拒絶反応はあまり強くないんだろうな。
そのままフレイヤの保管場所のある位置をニーナから聞き、驚きで声を上げないように口を押さえるように言ってから影のゲートを使い、第一次製造分のフレイヤがある保管所へと向かう。
「……本当ならここに入るのには凄く厳重なチェックがあるのに……」
フレイヤ保管庫への侵入がものの数秒で完了した事に、唖然とした表情を浮かべながら周囲を見回すニーナ。
そんなニーナを放って置いて、保管庫の中へと視線を向ける。
フレイヤ弾頭が1つずつ個別にケースの中に入れられて積み重なっているその様子は、確かに厳重と言えば厳重なのだろう。実際この保管庫に入るには手続きが幾つも必要なようだし。
「でもまぁ、俺にしてみればそんなのは関係無いんだけどな」
呟き、そのままフレイヤの梱包されているケース諸共に次々と空間倉庫の中に収納していく。このケースも開くにはパスワードやら特定の鍵が複数必要なようだが、この辺はニーナが知っているだろうし、それが無理でも技術班に任せれば大丈夫だろう。
そして約50個のフレイヤ弾頭を1つ以外全て収納し終え……
「さて、ニーナ・アインシュタイン。お前の最初の仕事だ。このフレイヤをここで起爆させて、ダラス研究所そのものを消滅させるようにしろ」
「……え?」
「悪いが、踏み絵だと思ってくれ。それと、お前がこの後でブリタニアに戻れなくするという意味もある」
「でも、そんな……」
「それに、フレイヤの発動でダラス研究所が消滅したとなればシュナイゼルもフレイヤの危険さを理解するだろうし、更にこのダラス研究所にあるフレイヤの情報そのものも闇に葬れる」
「……」
「どうした? ユーフェミアの件でコーネリアに会いたいんだろう? それに、ユーフェミアを殺したギアスを研究していたブリタニアに何を遠慮する必要がある? これも言ってみれば、ユーフェミアの仇討ちだと思わないか?」
「……ユーフェミア様の、仇討ち……」
呟きながら、フレイヤ弾頭のケースへとパスワードを入力していくニーナ。
こうして、ダラス研究所はフレイヤ弾頭の暴発によりこの世から消滅する事になる。研究員、研究データ、その他諸々を道連れにして。
後書き
アクセル・アルマー
LV:41
PP:120
格闘:274
射撃:294
技量:284
防御:284
回避:314
命中:334
SP:734
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
ギアス(灰色)
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
撃墜数:533
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