原作に介入=生 不介入=死 何だ!この世界は!
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33話 改
前書き
夕が弱くなっているというご意見があったので33話のバトルシーンをいじって見ました。少しはマシになっているといいのですが。なお夕が試合中にノッキングを使用しないのはノッキングガン使用がDSAAでは許可されなかったからです。体にかかっているノッキングは試合前にはずしています。
都市選抜決勝戦。
会場では激闘が繰り広げられていた。
「獣王拳!」
「パワーナックル!」
夕と対戦相手、アキラ・ ハルズの拳がぶつかり合う。
「うぉぉぉぉぉぉ!」
「だぁぁぁぁぁぁ!」
両者とも一歩引かず。力の全てをぶつけ合う。力は互角でどちらも吹き飛ばされるが両者すぐに立ち上がり、激闘は続けられた。
話は2時間程の前にさかのぼる。
決勝戦当日の朝、剣が夕を迎え行くと夕は念入りに体をほぐしていた。
「気合い十分のようだね夕」
「ああ。決勝戦の相手は前回の世界代表戦の優勝者だからな。ダークホースでも現れない限りは間違いなく最強の相手だ」
「油断したら夕でも危ないってこと?」
「恐らく」
アキラ・ハルズ 17歳 DSAA男子大会。3連覇中。10代でその実力に並ぶ者なしと言われるほどの実力者である。
「こんなもんか。よし、行くか剣」
体をほぐし終えた夕は立ち上がる。
「そうだね」
二人は会場に向かった。
会場についての控室に向かう途中呼び止められる。
「すみません」
「どちら様で?」
話しかけてきたのは20代後半に見える女性だった。夕の集中力を乱さないために剣が対応してくれる。
「私はフィム・サレイン。ユウ・ミカワ様の対戦相手、アキラ・ハルズのセコンドを務めています。アキラから伝言を預かってまいりました」
夕は対戦相手の名前を聞いて耳を傾ける。
「あなたは強い。全力でぶつからせてもらいます、だそうです」
夕はサレインに視線を向ける。彼女を見る限りは嘘偽りは感じられない。何か変な狙いがあるわけじゃない。そもそもそんな奴が大会を三連覇できるわけがない。
「わかりました。こちらこそ全力で行かせてもらいますとお伝えください」
「伝えてます。それでは失礼します」
夕の返事を受け取ったフィムは一礼してさっていった。
「あの人、かなりの実力者だね」
「そうだな。あの人がセコンドについているってだけでも相手の技量が伺えるな」
始まる前から相手が強敵であることを再認識させられた二人だった。
開始時間20分前になりバトルフィールドに立っているとアキラ・ハルズが入ってくる。アキラ・ハルズを生で見た夕の感想は、
こいつ本当に17歳なのか?王の記憶所持者や転生者とかじゃないよね?
見かけ細マッチョみたいなこと以外は普通だが、纏っている威圧感がとても10代のものとは思えないんだけど。シグナムやザフィーラと対峙したときに感じる威圧感と大差ない。
そんなことを考えているとアキラ・ハルズが近づいて来て一言。
「よろしく頼む」
それだけ言って初期配置に戻っていった。話はいらん。拳で語ろうってことか………そうだなそっち方が簡単で良い。相手のバリアジャケット騎士甲冑タイプで上半身を甲冑で覆う防御重視のものである。これはかなり苦労するかもしれないな。
そして試合開始を告げるアナウンスが流れる。
「破砕点」
夕はいきなり相手の足場を崩しにかかる。そして地面が崩れてできた岩を複数、蹴り上げ地面の崩壊を避ける為にジャンプしていたアキラに向かって打ち出す。さらにスーパーボールをアキラに向かうように乱反射させて逃げ場を断ち、アキラを回避不可能な状態に追い込む。
「ふん!ディフェンスアーマー」
アキラは飛んでくる岩をの拳を使って空中で砕きスーパーボールは全身を防御重視の魔力で覆うことで防いで見せた。そして地面に着地すると同時に突っ込んでくる。重たい鎧を来ているとは思えないスピードである。突っ込んでくるアキラを夕は鉄塊 剛で強化した腕で受け止める 。だが、
「おいおいマジかよ」
アキラの拳は強化した夕の体にダメージを与えたのだ。ダメージと言っても大したダメージではない。しかし、ただ加速し、その勢いに任せて放った拳が夕の最強の防御を抜いて見せたのだ。アキラの腕力は夕に匹敵するものがあった。
「面白い。だがまだまだ甘い!紅蓮の鉄槌!」
夕は自分の体にダメージを入れた拳を左手を骨を砕きかねない力で掴み。凍る火柱で熱した拳を逃げられないアキラの胴体に連続で叩きこんだ。
「ぐぉぁぁぁ!」
さすがのアキラも鉄を溶かす拳を連続でくらえばダメージは避けられない。アキラは掴まれた手を何とか払い後ろに飛び退く。そして両者とも構えたまま停止する。
高い魔力量にそれをコントロールする精神力。格闘センスや咄嗟の判断能力も高い…この年にしてこの実力、こいつ本当に強いな。、
「鉄塊玉 旋風!」
今度は夕が突っ込む。アキラはそれを体で一度、受けた後。岩に投げ飛ばす。投げられた夕は強化したままの状態で岩に突っ込み岩を粉々し土埃が舞う。
「ライトニングバスター!」
そこにアキラは砲撃魔法で追撃をかける。夕のいるであろうところに砲撃魔法は決まり、新たな砂塵を巻き上げる
アキラ、確かにあんたは強い。けどな、俺はお前以上の奴と戦ってきたんだ。いくら強くても常識の範囲の力じゃあ…。
夕が砂塵を吹き飛ばしながら現れる。その手足にはレグルスの力が獅子の爪の形で纏われている。
「獅子王爪牙」
夕はそのまま接近し、
「爪牙舞踏!」
まるで舞を舞うかのように繰り出される爪の連撃はアキラの全身切り裂く。
いくら強くても常識の範囲内の力じゃあ。俺には勝てねぇな。
最後にアキラを地面に叩き落とす。アキラは何とか立ち上がるがかなりのダメージを受けていた。実力差は圧倒的だった。いくら強くて彼はまだ十代、まだまだ戦闘経験が足りないのだ。
「乱脚 巨牙!」
夕が止めの一発に放った巨大な衝撃波アキラに迫る。乱脚 巨牙はアキラに直撃………………………………………………………………………………………………………………しなかった。アキラは乱脚 巨牙が直撃する瞬間、咆哮を上げたのだ。それと同時に黄金のオーラがアキラから噴き出し衝撃波を消し飛ばしたのだ。それを見た夕は一瞬驚愕したがすぐに冷静さを取り戻し思わずため息が漏れる。
「はぁぁ、何か面倒なものを呼び起こしたようだな」
アキラの中の何かが目覚めたのを感じとる夕。
「このタイミングで覚醒か…どこのアニメの主人公だよ、全く」
呆れながら夕は獅子王爪牙を纏う。何時でも迎撃できる体勢を整える。
「いくぞ」
その言葉と共に金色のオーラを体から発したアキラが突っ込んでくる。そのスピードは先程の比較にならない程、早く力強いものだった。
「バーストアタック!」
全身を使ったタックルを夕は獅子王爪牙で受け止めるが僅かに後退されられる。
ちっなんつう力だ。いくら未知の力で強化してるからって獅子王爪牙を纏った状態で押されるとはな。
それから数分、夕はアキラの覚醒した力の正体を探っていた。多少ライフが削られたが能力の概要は見えてきた。
腕力と速さ、防御力、回復力の異常な上昇…覚醒したのは自己強化型のレアスキルか何かか?見たところ黄金のオーラを全身に纏い強化する能力だな。
どちらにしてもただ強化するだけってわけじゃないはずだ。でなければあの異常な能力上昇はあり得ない。なのはのブラスターモードの様に何かしら代償を払う代わりに力を底上げしてるってとこだな。面倒な。だが強化のオーラが均等に纏えていないところを見るとまだまだ新しい力に振り回されてる感がある。使いこなせるようになる前に倒すのが一番だな。
夕は獅子王爪牙を解除する獅子王爪牙は強力だが細かい動きには向かないのだ。そのまま剃で接近し金色のオーラの纏われていない背中の部分に狙いを定める。
「獣王けっ!」
夕の拳が直撃する瞬間アキラのオーラが彼の背中に集まり獣王拳を防いだのだ。
オーラを操った!こんな短時間でか!?
だがその答えは振り返ったアキラと目を見た瞬間判明する。
こいつ考えるのを止めのか。自分の新しい力を感覚、つまり直感に任せて操つることで力に振り回されることを防いだんだ。このタイミングで直感まで身につけるってどんな才能だ。
このミスが夕に致命的なスキを作る。
「ゴッドブレイク」
そこにアキラの全身全霊をこめた拳が夕に体に直撃する。大勢が悪く防御ができなかった夕はまともにくらって吹き飛び、岩に激突する。
夕はすぐに起き上がるがかなりのダメージを受けライフを大きく削られる。
「でたらめな能力だな。あのオーラ」
夕がここまでのダメージを負ったのにはあのオーラが関係している。拳が直撃した瞬間、あのオーラは夕の中に入り込み爆発したからだ。黄金にオーラにはまだ秘密があるようだ。今の一撃で二人のライフはほぼ並んふことになった。全身全霊の一撃を放ったことでアキラの纏うオーラの総量も明らかに減っている。
「これでライフは互角。まだまだ、戦ってもらうぞ。ミカワ・ユウ!」
「いいぞ。こうなればとことんつき合ってやる」
この後、二人の激闘は最終ラウンドまでもつれ込むになる。
そして時間は現在に戻る。
「はぁはぁっ」
「ぜぇぜぇっ」
1ラウンドから最終ラウンドまで全力で戦い続けているので二人ともかなり疲弊していた。
そろそろ決着つけないと体力が持たないな。そう考えた夕は動き出す。アキラもそう考えていたのか両者が本日何度目になるかわからない激突が起こす。
「はぁぁぁぁぁ!」
「おぉぉぉぉぉ!」
ここで今までとは違う。結果が起こる。今までは片方もしくは両方が吹き飛んでいたが。今回はどちらも吹き飛はずその場で僅かに後退するだけに留まった。両者とも相手を吹き飛ばす力が残ってなかったのだ…。
「互いに退いたり吹き飛ばしたりする力は残ってなかったようだな」
「そのようだ」
夕の言葉にアキラも頷く。なら、ここで決着をつけるしかない。
「行くぞ、百獣連撃!」
「パワーガトリングガン!」
決着をつけるために両者残った力の全てを使った殴り合いが始まる。
アキラはこれで打ち勝つしか勝機はない。彼は勝つために残った黄金のオーラを両手に集中させる。それしか勝つ道がないのだ。だが夕は違う。残った力を振り絞って凍る火柱を使えばアキラを凍り漬けにすることができるだろう。満身創痍のアキラにそれを防ぐ力はない。夕の勝利である。だが夕は敢えてアキラと同じ土俵で戦うことを選んだ。確実な勝利より、殴り合いの末の勝利、意地をとったのだ。そして激しい殴り合いが続く中、夕の体に痛みが走る。体内で爆発したオーラのダメージが残っているのだ。外部のダメージより内部のダメージのほうが深刻なことが多い。その痛みが夕の動きを僅かに鈍らせた。だが夕は拳を止めることはなかった。
「アキラぁぁぁぁ!」
「ユウぅぅぅぅ!」
振りかぶった最後の拳が両者の体をとらえる。数秒後、両者ともに倒れ、立ち上がることができない。そこで最終ラウンドの終了を告げるゴングがなる。
「ユウ!」
「アキラ!」
セコンドが来て二人を休憩用の椅子まで運んでいく。二人が椅子に座ってすこししてアナウンスが流れる。
「ただ今のミカワ・ユウ選手とアキラ・ハルズ選手の試合。両者の最後の攻撃がほぼ同時に決まり、両者ともにライフがゼロになったため。最後の攻撃の与えたダメージ量が大きかった方をこの試合の勝者とします。計測を行いますので少々お待ちください」
前代未聞のことのようでスタッフが大慌てで何かの作業をしていた。
「大丈夫かい夕?」
剣は心配しながら夕に飲み物を渡す。
「ぷはぁ、はぁはぁっ………正直…ギリギリだ」
夕が飲み物を飲みながら答える。
「君がこうなるなんて何年ぶりかな?」
「覚えてないが久しぶりに燃えたな」
「結果はどうなるかな?」
「全く予想がつかない。勝っても負けても不思議じゃない」
「凄い激闘だったしね。見てるこっちが熱くなったよ」
シグナムとフェイト辺りは後で戦うもしれないな 。
「結果が出ました。近年稀に見る激闘を制したのは………アキラ・ハルズ選手!彼を世界代表選手とします」
結果は夕の敗北を告げるものだった。命運の分けたのは両者のバリアジャケットの強度差だった。防御重視のバリアジャケットを纏っていたアキラの方がダメージが少なかったのだ。
「素晴らしい戦いでした」
「サレインさん」
フィム・サレインがくる
「アキラはもう立ち上がれない様なので私から伝えさせていただきます。最後の激突、同じ土俵で戦ってくれてありがとう、だっそうです」
「こちらこそ本気で燃える戦いができて楽しかったとお伝えください」
「はい。では失礼します」
サレインが去っていった後、夕は剣に支えられながら控室に戻った。控室にはヴィヴィオ逹がいて、賞賛の言葉をかけてくれた。はやてから盛大に騒ぐかという話もあったがくたくただったので後日行うことになった。ここに夕の初のDSAAが終りを告げた。
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