| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

万華鏡

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第七十四話 冬化粧その六

「ビールやワインもいいわよ」
「俺はビールがいいかな」
「ビールなのね」
「ああ、それかな」
「ビールも美味しいけれど注意してね」
「太るのかよ、飲んでると」
「それもあるけれど」
 このことはビールだけに限らない、他の酒もだ。しかしビールはそれだけではないのだ。
「痛風ね」
「?何だよそれ」
「病気よ、ビールを飲み過ぎたりしたらなるのよ」
「その痛風にかよ」
「足の親指の付け根が相当痛くなるらしいわ」
「親指かよ」
 弟はここであぐらをかいていた脚を崩した、そのうえで自分のその足の親指を見てそのうえでこう姉に言った。
「ここが痛くなるのか」
「万力で締められるみたいらしいわ」
「それでさらにだよな」
「そう、そこからさらに色々とあるから」
「だからビールの飲み過ぎはか」
「怖いからね」
 琴乃は日本酒を飲みつつ弟にビールのことを話す。
「そこは注意してね」
「じゃあドイツ人やばそうだな」
 ドイツ人がビールをよく飲むことは弟も知っている、ドイツと言えばビールだからだ。
「あそこビールばかりだからな」
「実際そうみたいよ」
「その痛風が多いんだな」
「ええ、あの国はね」
 実際にそうなっている、痛風はドイツでは深刻な国民病の一つとなっている。
「ビールの飲み過ぎでね」
「怖いな」
「朝から飲んでるから」
「ビールをかよ」
「そう、普通にね」
「朝から酒は駄目だろ」
 弟は日本人の感覚からこう言った。
「今は姉ちゃんも飲んでるけれどな」
「休みだからね」
「ドイツ人は平日からだよな」
「そう、普通に飲んでるわよ」
 それも朝からだというのだ。
「あの国はね」
「それで昼も夜もだよな」
「飲んでるわよ」
 そのビールをだというのだ。
「朝食欲がないとビールの中に生卵を入れてね」
「それで朝飯か」
「そう、ちなみに卵もコレステロールっていうのが高くてね」
 それでだというのだ。
「痛風によくないから」
「じゃあ余計にまずいか」
「ソーセージとかもね」
「ドイツ人ってソーセージ好きだよな」
 このことは弟も知っていた、やはりドイツ人といえばこれだ。
「それじゃあ」
「ええ、そういうのばかり食べて飲んでるからね」
「ドイツ人痛風多いんだな」
「ええ、そうよ」
「そうか、大変だなドイツ人も」
「あとドイツ人は肥満と薄毛も多いから」
 この二つもあるというのだ。
「ビールとそうした食事の組み合わせでね」
「太ってか」
 そして髪の毛が薄くなるとだ、弟も察した。
「やばくなるんだな」
「そうなの、ドイツ人はね」
「やっぱり食いものって大事なんだな」
「そう、ドイツ人の場合は特にビールなのよ」
 これが問題になるというのだ。
「だから最近私もあまりビールは飲んでないのよ」
「けれど日本酒もだろ」
「ええ、こっちもね」
 飲みつつ言う琴乃だった。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧