いつの間にかハイスクールD×Dの木場君?
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眷属、集めます
第22話
前書き
ちょっと短いですけど、久しぶりに更新です。
「ちっ、シャルバ・ベルゼブブには逃げられてしまいましたか。意外とやりますね」
「おい、これのどこがちょっとしたゴミ掃除だよ!?」
「禍の団の旧魔王派全員が集った所で僕とルゥで過剰戦力ですから。そこにアザゼルさんが加わった所で大した違いはありませんから。あっ、ルゥ、頭だけは残しておいて下さいね。それ以外は食べさせて良いですよ。残しておいて腐ったりしたら嫌ですからね」
「は~い。おいで、ダンセイニ。頭以外は食べていいって」
頭の上に乗っているちびルゥに召還されたショゴスのダンセイニが禍の団・旧魔王派のメンバー約3000人の死体を体内に取り込んでいく。周囲は屋敷が建っていたと思わせる柱が幾つか残ってはいるけど焼け野原の様な状況である。
情報屋からの情報を頼りに旧魔王派の集会を襲撃したんだけど、トップを殺し損ねてしまいました。幹部クラスの何人かも集会に参加していなかったので多少残っています。まあ実行部隊の内の強い部類に入るのは大抵殺せたので問題無いですね。
「ますたー、なんか変なのがいるってダンセイニが」
「変なの?」
「ダンセイニ」
ルゥに言われてダンセイニが吐き出した物は真っ黒な蛇だった。
「ほう、初めて見ますがおそらくはオーフィスの力の一部である『蛇』でしょうね。何人かが貰っていたのでしょう。実験用に一匹確保しておきましょうか」
ダンセイニから逃れようとする一匹を試験管に入れて厳重に封印を施してから収納の魔法陣の中に放り込んでおく。
「オレも貰っといていいか」
「どうぞ。取り扱いにだけは注意して下さい。たぶん、体内に入れる事で肉体に変化を起こすタイプです。絶対に口や鼻、傷口に近づけないで下さい」
「分かってるよ」
アザゼルさんも僕と同じ様に試験官に蛇を入れて封印している。
「そろそろ引き上げましょう。サーゼクス様に連絡も入れないといけませんから」
アザゼルさんを引き連れてアスタロト家の別邸を後にする。もちろん残った頭は殺した証拠として持ち帰る。変装系の魔法で成り代わられても面倒ですから。まあ旧魔王派であった証拠は既に確保済みですので成り代わろうなんて思う物は少ないでしょうが。
今回の件で幾つかの家が潰れる事になるだろうな。特にアスタロト家は致命傷を負った。次期当主のディオドラが旧魔王派の中でも上の方に属し、先程死にましたから。
「それにしても一方的な戦いだったな。いや、戦いにすらなってないか」
「結界を張って逃げれない様にしてからそこそこ質の良い魔導書を放り込んで精神汚染を行ってからの襲撃ですからね。アザゼルさんの方は大丈夫ですか?」
「ああ、事前に貰った魔剣のおかげだろうな。特に問題はねえ」
「それは良かった」
転移の魔剣を取り出してサーゼクス様の屋敷にまで転移する。アザゼルさんも付いて来ていますが問題無いでしょう。門で訪問理由を告げるとすぐに屋敷に通され、執務室に案内されます。
「早速動いたようだね」
「ええ、反乱分子なんて物は早めに潰すのが一番です。情報を集める為に泳がす必要も無い程に情報は集っていますから。それで、確認用に頭だけは回収してるんですが」
「大物の分だけで良いよ。あとで部下に確認させる」
「人数を用意しておいた方が良いぞ。今日だけで3000も殺ってるからな」
失礼ですねアザゼルさん。2700程ですよ。
「分かりました。それから、まだシャルバを仕留めれていないので旧魔王派は再起する可能性もありますので公表は保留しておいて下さい」
「ふむ、そうだね。君がそう判断するならそうしておこう。ああ、それからアジュカから連絡があってね。明日、例のパスが切れた二人を連れてきて欲しいと言って来ている」
「分かりました。それではそろそろ帰らせてもらいます。タイムセールが始まりますので」
お一人様1パック限り鶏ムネ肉が1kg380円なんですから大量に買い込まないといけないんですから。白音さんやヴァレリーさんやグリゼルダさんやミッテルトさんも引き連れて買いに行かなければならないんですから。ギャスパーや紫藤さんがあの戦場を生き残れるか分かりませんし、ゼノヴィアさんは力の加減を間違えそうですから連れて行けません。逆にミッテルトさんは意外と強かなのでちゃっかり確保してくれますので重宝しています。と言う訳でとっとと帰りましょう。
旧魔王派の首をサーゼクス様の部下に引き渡した翌日、僕と白音さんとギャスパーはアジュカ様の研究所で色々と検査をされました。基本的な健康診断的な物も含めて本当に様々な検査が行われましたので朝から夜遅くまでかかった。
「とりあえず結論から言わせてもらおう」
アジュカ様がカルテから目を離して検査結果を簡潔に言い切る。
「多少のバグは認められるが概ねは正常だな。リアス・グレモリーの駒はお前の駒に吸収された」
「吸収ですか?」
「そうだ。悪魔の駒に搭載してある隠し機能の吸収が発動している。だが、本来ならお前の駒が吸収されるはずだったんだがな」
「どういうことですか?」
「本来、この機能は相手の眷属を無理矢理奪おうとした際の防御機能として搭載していた物だ。推測だが、リアス・グレモリーの駒がお前の駒を吸収しようとしたんだろうが、力負けして逆に完全に吸収されたんだろうな。結果としてリアス・グレモリーとのパスが完全に切れたんだろう」
「そんなことありえるのですか?」
「起こってるんだから事実として受け止めるしか無いだろう。それにしても平均の倍近い太さのパスが繋がってるな。普通ならありえないんだが、パスが太い分能力が上がっているだろう」
「はい、部長の時とは比べ物になりません」
「僕も停止世界の邪眼の力を完全に押さえ込める様になってます」
「ということだ。それ以外におかしな部分は無いな。だが、何かあればすぐに報告に来て検査を受ける様に。お前は特に貴重なケースだからな」
「そうですか?」
「他の奴でも試してみたんだが、複数の種族を受け入れれる者は極僅かだった。そして3種族全てを受け入れれたのはお前一人だ。普通なら拒絶反応を起こして死にかけるはずなんだがな。実に興味深い存在だ」
まあ魂は三つが混ざった物ですし、前世の記録もありますからね。話す気は全くありませんけど。
「そちらの方の原因は分かりますか?推測でも構わないのですが」
「幾つか考えられる。一つは相性の問題、一つは魂か肉体の容量の問題、一つはあの魔導書の影響、とりあえず有り得そうなのはそんな所だ」
「調べるのは難しそうですね。今回の検査の結果をコピーさせて頂けますか?自分でも調べてみようと思います」
「構わないが、何か分かればこちらにも報告する様に」
「もちろんですよ」
三人分の検査結果のコピーを貰い、僕達はアジュカ様の研究所をあとにします。
「それにしても部長の眷属から完全に離れちゃいましたね。すみません」
「祐斗さんが謝る必要は無いです。それに祐斗さんの傍に居れば今まで通り襲われる事はないんでしょう?」
白音さんの質問にある襲ってくる相手とは初めて出会った時の様な悪魔達の事でしょう。
「はい、その点は大丈夫です。というか『断罪の剣』に喧嘩を売る事になりますから以前よりも安全です。魔王様の保護は確かに強力ですけど、魔王様自身の腰は本人の意志に反して重いですから。逆に『断罪の剣』はフットワークの軽さが売りです。手を出したら次の日には滅んでいても不思議ではありませんよ」
その返答に白音さんは嬉しそうにしています。
「それなら良いです。今までと生活が変わらないのなら。それに今の方が私の目標を達成しやすいですし」
「お姉さんの事ですか」
「はい。今でも悩んでいるんです。姉様は、本当に悪意に飲まれてしまったのか。少しだけ調べれたんですけど、私達を拾った悪魔は悪い噂が絶えないんです。むしろ、姉様に殺されたあとに騒いでいたのが個人的に友好のあった者達だけだったらしいんです。だから、姉様がはぐれになったのも何か訳があるはずなんです。それを私は知りたいんです」
ああ、もうそこまで辿り着いたんですね。う~ん、黒歌さんの情報は僕も持ってるんですけどもう少し隠しておきましょう。まさかヴァーリチームに居るから処刑対象なんて話し辛いですし。まあ白音さんが望むのならなんとか処刑せずに引き抜きますけどね。かなり荒っぽい上に強引にですけど。
「ギャスパーはどうです?」
「僕も大丈夫です。今までと変わらないですから」
まあそうですね。サーゼクス様から僕が面倒を見る様に言われてましたから悪魔の活動以外は全く変わらないんですよね。悪魔の仕事も場所が変わるだけですし。
あれ?二人合わせても部長の眷属から離れるデメリットがほとんど無い様な。いえ、世間体は……悪くなるのは部長の方だけですね。僕達は三勢力のトップの要請で創設された部隊ですから、そこに配属されると言う事は名誉なことです。ですが、眷属だけが配属されて主が配属されないと言う事は、まあ言わなくても良いですね。分からないとは言わせません。
まあこれ以上考えるのは止めておきましょう。考えても無駄ですから。そんなことより明日から本格的に始める訓練の事を考えましょう。アザゼルさんとも話し合って各個人のお題は考えてありますから、あとは僕自身の強化を考えませんと。魔導書の写本の情報が回ってきていますし、回収して研究でもしますか。
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