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美しき異形達

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第九話 風の力その七

「だから注意しないとね」
「だよな、というかドイツ人ってやばいだろ」
「ビールね」
「ああ、朝から飲むとかな」
 幾ら何でもと言う薊だった。
「しかも生卵入れてか」
「そうなの、そうしてなのよ」
 裕香はまた薊に話した。
「食欲がないとそれで朝を済ませるのよ」
「せめて牛乳にしないと」
 ここで言ったのは菖蒲だった。
「そこは」
「だよな、幾ら何でも」
「豆乳でもいいわ」
 菖蒲はこの飲みものの名前も出した。
「とにかくビールはね」
「朝からそれはな」
「よくないわ」
「日本人から見ればな」
 到底だとだ、また言った薊だった。
「やばい食生活だよ」
「というかドイツ人ってワインも飲むわよね」
 ここでこう言ったのは菊だった。
「それもかなり」
「酒ばっかりだな」
「そうよね、私達も好きだけれど」
 酒はだ。
「けれどね」
「飲み過ぎはな」
「よくないわよね」
「というか飲んでバイクとか車乗ってないか?」
 朝からビールを飲んでいるとだ、そうなるというのだ。
「まずいだろ、余計に」
「ドイツ人は日本人よりお酒に強いみたいだけれど」
 裕香がこのことを薊に話した。
「それでもね」
「飲酒運転は飲酒運転だからな」
「危ないわよね」
「どうなんだよ、ドイツ」
「ヨーロッパはそうした国ばかりよ」
「朝から酒か」
「そう、飲んでるのよ」
 酒をというのだ。
「食生活がそうだから」
「そうなんだな」
 お好み焼きを食べながら言う薊だった、他の四人もそうしている。
「ちょっとやばい食生活に思えるんだけれどな、あたしは」
「お酒は夜ですね」
 桜も言ってきた。
「そうですよね」
「だよな、やっぱり」
 薊も笑顔で桜の言葉に応える。
「飲むならな」
「とにかくバイクの時は」
「乗ったら駄目だよ」
 このことは真面目に言った薊だった、他の面々も真剣な顔で頷いている。
「飲酒運転はさ」
「はい、絶対に」
「そんなんで誰か殺したり自分が死んだら馬鹿だよ」
「本当にそうですよね」
「特にバイクなんてな」
 どうかというのだ、車よりも。
「こけると車よりえぐいからな」
「バイクの事故は凄いんですよね」
「凄いスピードで生身で事故るからな」
 それ故にだ、バイクの事故は恐ろしいのだ。
「だから酒なんてな」
「バイクの時はですね」
「絶対に飲んだらいけないよ」
「そうですね」
 こう話してだ、そしてだった。
 五人でお好み焼きを食べていく、やがて五人共それぞれ二枚目を食べてだった。 
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